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Art & Culture

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北朝鮮の“ゴミ”が近隣国にとって“宝”になる可能性を秘めているわけ(#62)

北朝鮮の“ゴミ”が近隣国にとって“宝”になる可能性を秘めているわけ(#62)

アートとデザインの間にある違いは平たくいえば「用途があるかどうか」である。

後者はそれがあるものを指す。

ところで浮世絵はアートなのだろうか、それともデザインだろうか。

今ではアートかもしれない。

ただ、元々はその枠に当てはまらなかった。

アートやデザインといった概念は西欧由来のもので、江戸時代にはそんな概念がなかったからである。

そもそも浮世絵は何だったのか?

新聞だった。

そし

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方干民(方幹民)はなぜ晩年に風景画を描いたのか(#61)

方干民(方幹民)はなぜ晩年に風景画を描いたのか(#61)

今度はモネの絵画に赤い塗料が塗られたというニュースが舞い込んできました。

この手のニュースについては以下で記事にしてみましたが、最近は別のことが気になり始めています。

少し想像してみてください。

もし作品が突発的に汚されたらどうなるでしょう。

すぐに捕まえられる気がしませんか。

なにせ器物損壊、つまり犯罪ですから。

その後すぐに警備員が来たのかはニュースを見る限りではわかりませんが、わ

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“異性がよく分からない”と“アートは分からない”はほぼ同義な件(#51)

“異性がよく分からない”と“アートは分からない”はほぼ同義な件(#51)

「アート」というジャンルでnote内の記事見出しを斜め読みしていたら、やはり「アートってよく分からない」といった内容について書かれているものが多い印象を受けました。
実は私も以前自発的にそのテーマで書いたのですが、「難しいのかな」とも感じております。

他人と自分の理解レベルをどう調整するかは何もこうした記事作りに限ったことではありませんが、どのくらい噛み砕くべきか、中々客観視し難く課題が付き纏い

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モナ・リザはなぜ“マドンナ”的存在から、彼女自身の想像を遥かに超えた存在になったのか(#50)

モナ・リザはなぜ“マドンナ”的存在から、彼女自身の想像を遥かに超えた存在になったのか(#50)

ひょんなことからモナ・リザについて調べていたところ面白いジャケットをみつけました。

この作品はアメリカのラップミュージックでジャケットの見た目通り、タイトルは『Mona Lisa』です。
普段ラップを好んで聴きませんが、古レコード店で見つけたならきっと“ジャケ買い”していたと思います。
観光地で観光スポットに飽きることがあるのですが、そのときよく足を運ぶ場所がローカルの古書店、古レコード店、古着

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ブラジル人画家イスマエル・ネリが“それでも”人物画をモチーフにし続けた理由(#49)

ブラジル人画家イスマエル・ネリが“それでも”人物画をモチーフにし続けた理由(#49)

下の絵に描かれている人物が誰であるか、御存知な方は多いのではないでしょうか。
トレードマークであるざんぐり頭に丸眼鏡、鼻下のちょび髭で装ったのは御馴染み、藤田嗣治(レオナール・フジタ)です。

”教授”こと、作曲家坂本龍一の風貌はどこか藤田を彷彿とさせると感じるのは私だけでしょうか。
しかしながら、藤田の装いを再現できる人はそれだけで何かセンスのようなものを感じさせます。

閑話休題、この絵を描い

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“Pitaya”はなぜ“ドラゴンフルーツ”と呼ばれるようになったのか?(#48)

“Pitaya”はなぜ“ドラゴンフルーツ”と呼ばれるようになったのか?(#48)

フリーダ・カーロ『Pitahayas』から抱いたある疑問前回#47の記事でフリーダ・カーロが描いた静物画について触れました。
そのひとつが作品名『Pitahayas』です。

“Pitahayas” by Frida Kahlo

“Pitahayas”はスペイン語で、英語の“Pitaya”の複数形に当たります。
このフルーツは日本でも沖縄や奄美大島などで栽培されていますが、流通する多くは輸入品で

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フリーダ・カーロはどうして最期に“スイカの絵”を描いたか(#47)

フリーダ・カーロはどうして最期に“スイカの絵”を描いたか(#47)

みなさんが「海外」と聞いたとき、初めにどの場所を思い浮かべますか?
アメリカ西海岸、パリのエッフェル塔や凱旋門、あるいは雲一つない地中海気候のバカンス風景といった洒脱な景観か、それともモンゴルの大草原、アフリカのサバンナやブラジルのアマゾンといった大自然でしょうか。
多くがアメリカやヨーロッパなどの白人文化圏を想像する傾向が強く、また言わずとも文脈から暗示的にその地域を示唆しているケースが多い気が

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アツギ “ラブタイツ”炎上騒動におけるエロスの攻防。(#16)

アツギ “ラブタイツ”炎上騒動におけるエロスの攻防。(#16)

ラブタイツPRのTwitter“炎上”11月2日はタイツの日だったようです。
この日、国内大手ストッキングメーカーのアツギ株式会社は自社ブランド“ラブタイツ”のPRをTwitter上で展開しました。
その中で“炎上”したことが話題になっております。
炎上理由は少々艶めかしいアニメーションとそれを説明する言葉にあり、一部では「性的消費」と表現し、強い嫌悪感を示す意見も寄せられたそうです。

なるほど

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フランスの浮世絵調“東京オリンピック2020”CMはなぜ日本で高評価を得ることができたのか(#43)

フランスの浮世絵調“東京オリンピック2020”CMはなぜ日本で高評価を得ることができたのか(#43)

昨日フランスのテレビ局で制作された東京オリンピック2020のCMがニュースで取り上げられていました。
葛飾北斎の『富嶽三十六景』風の浮世絵調のアニメーションで様々な日本風な場所でオリンピックにまつわる競技を力士がするといったものです。

感覚的なものですが、確認した限り、オリンピック開催については反対でも、このCMについては好意的な反応の方が多い印象があります。
反対意見としては「大鳥居を高跳びす

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格闘技と芸術が兄弟だった件について(#42)

格闘技と芸術が兄弟だった件について(#42)

昨日元K1チャンピオンの魔裟斗さんと前RIZINバンタム級チャンピオンの朝倉海選手がコラボレーションした動画がYouTube上に双方のチャンネルよりアップされていました。
その魔裟斗さん側のチャンネルで縄跳びをしている部分がありました。

このシーンで魔裟斗さんはこのような趣旨の発言をしていました。

ロープ(=縄跳び)はリングのステップワークに繋がる。

確かに古くから行われている練習法で、実際

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芸術を小難しくしているのは誰か?(#30)

芸術を小難しくしているのは誰か?(#30)

そごう・西武グループで2009年から2020年の間に販売された3作家の版画作品10図柄、計71点が贋作である可能性が高いとのニュースがありました。

確かに著名作家の作品です。
ただ、“版画”という技法を用いているので、決して安価ではありませんが、手の届きやすい価格です。

判明した経緯は該当する図柄だけが他図柄と比べ、流通量が多いということからでした。

逆をいえば、真作も一定数量産されているこ

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似た形の島国ニュージーランドと、入れ墨と多様性について。(#17)

似た形の島国ニュージーランドと、入れ墨と多様性について。(#17)

顔に入れ墨の女性外相アメリカではまだ大統領選の開票作業が続いていますが、先立ってニュージーランドでは11月2日第二次アーダーン内閣の組閣が行われ、副首相に任命したグラント・ロバートソン氏が同性愛者であるということ、そして先住民族マオリのナナイア・マフタ氏が外務大臣に任命されたことが話題に上がっていました。
彼女の顔には“モコ・カウアエ”と呼ばれるマオリ伝統的な入れ墨が施されてあります。

アーダー

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