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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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#新潮社

バカと無知 (橘 玲)

バカと無知 (橘 玲)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 以前聴いていたTokyo FMのpodcastの番組「未来授業」で橘玲さんが講師として出演したとき紹介していた著作ですが、その内容が面白そうだったので読んでみたものです。

 かなり評判になっている本なので図書館での貸出の待ち行列が長く、手にするまでにかなりの時間がかかってしまいました。

 刺激的なタイトルですが、内容も橘さんの主張がス

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旅のつばくろ (沢木 耕太郎)

旅のつばくろ (沢木 耕太郎)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 ちょっと前に沢木耕太郎さんの「飛び立つ季節:旅のつばくろ」というエッセイ集を読んだのですが、その本はシリーズ第2作目とのこと。
 なので、当然のごとく “第1作目” にもトライすることにしました。

 テーマは同じく「国内旅」。
 いったい沢木さんはどこを自らの旅の始発に据えていたのか、楽しみにページをめくりました。

 まずは、16歳の

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ライアー (大沢 在昌)

ライアー (大沢 在昌)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 この前久しぶりに大沢在昌さんの新宿鮫シリーズの最新刊「黒石 新宿鮫Ⅻ」を読んだところですが、本書はちょっと前の作品です。
 最寄り駅の書店で平積みされていて、帯をみるとちょっと変わった主人公のプロフィールだったので手に取ってみました。

 小説なのでネタバレにならないよう、感じたところを記してみると、大沢作品の中でもなかなかの力作の部類だ

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デマ・陰謀論・カルト (物江 潤)

デマ・陰謀論・カルト (物江 潤)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の物江潤さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 最近のネット社会で流布している情報は間違いなく “玉石混交” ですが、その中には「いくら何でもそんなことはあり得ないでしょう」といった類の信じ難い内容のものも流通しています。
 本書は、物江さんによるそういった「妄説」

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飛び立つ季節 :旅のつばくろ (沢木 耕太郎)

飛び立つ季節 :旅のつばくろ (沢木 耕太郎)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 沢木耕太郎さんと言って思い浮かべる代表作は「深夜特急」ですが、本書は、日本国内の旅でのエピソードを綴ったエッセイです。肩ひじ張らずにページをめくってみようと読み始めました。

 沢木さんの “旅の原点” は、16歳の時の東北一周の一人旅とのこと。
 出発の地「上野駅のホーム」

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化生の海 (内田 康夫)

化生の海 (内田 康夫)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 かなり以前に読んだ内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 今回は、都道府県レベルですが、ひとつの作品で3ヵ所をカバーしています。“北海道” “石川・福井” “福岡” です。

 いずれの地も都道府県としては出張で何度も訪れていますが、

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プリズン・ドクター (おおたわ 史絵)

プリズン・ドクター (おおたわ 史絵)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者のおおたわ史絵さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 刑事施設内の職場という特殊な環境下での経験を綴ったエッセイはとても興味深いものがありました。
 その中で語られたエピソードや思うことの中から、私の関心を特に惹いたところをひとつ書き留めておきます。

 矯正医官と

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一汁一菜でよいと至るまで (土井 善晴)

一汁一菜でよいと至るまで (土井 善晴)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。

 著者の土井善晴さんは料理研究家として有名ですが、私はNHK料理番組「きょうの料理」に出演していた御父様の土井勝さんの印象が先に立ちます。“あの土井勝さんの息子さん” といったイメージです。

 本書は、その善晴さんが大切にしている「一汁一菜」というコンセプトに行きつくまでの過程をモチ

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老後破産: ―長寿という悪夢― (NHKスペシャル取材班)

老後破産: ―長寿という悪夢― (NHKスペシャル取材班)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 久しぶりに最寄り駅のショッピングモールに入っている書店をのぞいていて、タイトルが目に飛び込んできた本です。

 ここ数年、ほとんどテレビは観なくなりました。ともかく内容の酷さに閉口です。NHKもご他聞に洩れず、バラエティはもちろんニュース番組も劣化が酷いですね。何とかある程度のレベルで踏み止まっているのは数少なくなった「ドキュメンタリー番

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駅前旅館 (井伏 鱒二) 

駅前旅館 (井伏 鱒二) 

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 たまたまいつも行っている図書館の書棚で目につきました。

 久しぶりに、誰でも知っているようなちょっと昔の有名作家の作品を読んでみようと思った次第です。
 とはいえ、そういったジャンルの本はほとんど手に取ったことがなく、井伏鱒二さんといっても、はるか昔の教科書からの知識で、「山椒魚」が代表作だというぐらいしか分かっていません。

 さてこ

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生きがい (茂木 健一郎)

生きがい (茂木 健一郎)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。

 茂木健一郎さんの著作は以前結構読んでいたのですが、このところちょっとご無沙汰でした。

 本書は、海外に向け英語で記されたものの翻訳版とのこと。そういった形態は新渡戸稲造の「武士道」を思い起こさせますが、イギリス留学の経験もある茂木さんが「生きがい」という概念をテーマにどんな

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秘闘 : 私の「コロナ戦争」全記録 (岡田 晴恵)

秘闘 : 私の「コロナ戦争」全記録 (岡田 晴恵)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聞いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の岡田晴恵さんがゲスト出演していて、本書も話題として取り上げられていました。

 ご存じのとおり岡田さんは現在は白鷗大学教授ですが、国立感染症研究所で感染症パンデミック対策に従事した経歴を持っています。
 新型コロナウィルス感染症発生当初からテレビのワイドショーや報道番組を中心にマス

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ノックの音が (星 新一)

ノックの音が (星 新一)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつも行く図書館で日本文学の書架を眺めていた折に、たまたま目に留まった本です。

 星新一さんの著作は、わたしが中学生のころですから、今から50年ほど前にはよく読んでいました。この「ノックの音が」も1965年(昭和40年)の作なので当時読んだ記憶があります。

 ともかく星さんのショートショートは、プロットの巧みさ、独特の語り口に加え、と

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最強脳 ―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業― (アンデシュ・ハンセン)

最強脳 ―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業― (アンデシュ・ハンセン)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着書リストで見つけた本です。

 少し前に、ベストセラーになった「スマホ脳」を読んだのですが、私としては、それほど目新しい情報はなかったので、正直あまり興味を惹きませんでした。

 本書は、同じアンデシュ・ハンセン氏の著作です。
 典型的な “柳の下の泥鰌” 狙いの本ですが、その点も気になったので手に取ってみま

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