マガジンのカバー画像

OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

1,309
私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
運営しているクリエイター

#新潮社

秘闘 : 私の「コロナ戦争」全記録 (岡田 晴恵)

秘闘 : 私の「コロナ戦争」全記録 (岡田 晴恵)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聞いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の岡田晴恵さんがゲスト出演していて、本書も話題として取り上げられていました。

 ご存じのとおり岡田さんは現在は白鷗大学教授ですが、国立感染症研究所で感染症パンデミック対策に従事した経歴を持っています。
 新型コロナウィルス感染症発生当初からテレビのワイドショーや報道番組を中心にマス

もっとみる
ノックの音が (星 新一)

ノックの音が (星 新一)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつも行く図書館で日本文学の書架を眺めていた折に、たまたま目に留まった本です。

 星新一さんの著作は、わたしが中学生のころですから、今から50年ほど前にはよく読んでいました。この「ノックの音が」も1965年(昭和40年)の作なので当時読んだ記憶があります。

 ともかく星さんのショートショートは、プロットの巧みさ、独特の語り口に加え、と

もっとみる
最強脳 ―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業― (アンデシュ・ハンセン)

最強脳 ―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業― (アンデシュ・ハンセン)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着書リストで見つけた本です。

 少し前に、ベストセラーになった「スマホ脳」を読んだのですが、私としては、それほど目新しい情報はなかったので、正直あまり興味を惹きませんでした。

 本書は、同じアンデシュ・ハンセン氏の著作です。
 典型的な “柳の下の泥鰌” 狙いの本ですが、その点も気になったので手に取ってみま

もっとみる
センス・オブ・ワンダー (レイチェル・L. カーソン)

センス・オブ・ワンダー (レイチェル・L. カーソン)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつもの図書館の新着書リストを覗いていて目に留まった本です。

 環境問題にいち早く警鐘を鳴らした書物として有名な「沈黙の春」の著者レイチェル・カーソンの遺作ということで手に取ってみました。

 幼いロジャーとともに自然溢れるメーン州の海岸と森を散策した様子を綴った小品です。
 エッセイのような体裁で、とても大切なレイチェルからのメッセー

もっとみる
沈まぬ太陽 (山崎 豊子)

沈まぬ太陽 (山崎 豊子)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 日本監査役協会のオンライン講義で岡本浩一氏(東洋英和女学院大学教授)の講演を聞いたのですが、その中で「価値観の整備」のための参考図書として推薦されていました。

 以前から気になっていた著作ですが、かなりの大作なので手を付けるのに二の足を踏んでいたものです。
 日本航空をモデルにした物語で山崎豊子さんの代表作のひとつですね。小説なので、ネ

もっとみる
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 (ブレイディ みかこ)

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 (ブレイディ みかこ)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着書リストの中で見つけたので早速予約して読んだ本です。

 タイトルに「2」とあるとおりベストセラーとなった前作(ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー)の続編なので、期待と不安が入り混じった気持ちで読み始めました。

 インパクトという点では前作が余りにも強烈でしたから、さすがにそれには及びませんが、やは

もっとみる
とんがって本気 (加賀 まりこ)

とんがって本気 (加賀 まりこ)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 笑福亭鶴瓶さんのラジオ番組に加賀まりこさんがゲスト出演されていました。
 以前から魅力的な女優さんだと思っていたのですが、改めてお話しぶりを聞いて興味をもちました。

 本書は、20年近く前に出された加賀さんのエッセイです。
 少し前に岸恵子さんの自伝的エッセイ(岸惠子自伝)を読んでみたのですが、やはり、この頃の “女優” さんのエピソ

もっとみる
半歩先を読む思考法 (落合 陽一)

半歩先を読む思考法 (落合 陽一)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 著者の落合陽一さんは学問・アート・ビジネス等様々なジャンルでその多彩な才能を発揮している “旬な俊才” です。(私の年代だと、今でも書棚に並んでいるお父様の著作のインパクトが真っ先に頭に浮かびますが)

 こういった感じのタイトル(●●法)の本はこのところできるだけ読まないようにしていたのですが、この歳になってもどうにもミーハー気分が抜け

もっとみる
こころの散歩 (五木 寛之)

こころの散歩 (五木 寛之)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 いつもの図書館の新着書リストの中で目に留まった本です。

 このところの五木寛之さんのエッセイは “晩年の生き方” といったテーマのものが多く、ちょっとワンパターン化されてきているようにも感じますが、それでもやはり気になります。
 本書は比較的最近の「週刊新潮」に連載された小文を中心に再録したものとのことです。

 いつものようにちょっと

もっとみる
自衛隊失格 :私が「特殊部隊」を去った理由 (伊藤 祐靖)

自衛隊失格 :私が「特殊部隊」を去った理由 (伊藤 祐靖)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 伊藤祐靖さんの著作は、以前「国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動」という本を読んだことがあります。

 今回の本は、いつもの図書館の新着書リストの中で目にとまったものです。
普段あまり気に留めていない「自衛隊」がテーマですが、先の伊藤さんの著作が結構興味深い内容だったので、こちらもちょっと期待しつつ手に取ってみました

もっとみる
点と線 (松本 清張)

点と線 (松本 清張)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 ちょっと前に横溝正史さんのエッセイを読んでいて、その中に松本清張さんの名前が登場していたので、久しぶりに本棚から取り出してきました。
 読むのは3~4回目かもしれません。

 本作品は昭和32年から33年にかけて雑誌に連載されたもので、いわゆる “社会派推理小説” の先駆け的作品と言われています。横溝さんはそれより前、“怪奇的探偵小説”

もっとみる
八甲田山 死の彷徨 (新田 次郎)

八甲田山 死の彷徨 (新田 次郎)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 新田次郎さんの代表作、もう40年以上経ちますが映画化もされた有名な作品です。私も以前から気にはなっていて、ようやく手に取ってみました。

 しかし、小説で読んだだけでも想像を絶する困難で無謀な雪中行軍だったのですね。途中の連絡手段も持たず、非常事態時の救出プランもないままに、真冬の八甲田山踏破を試みさせるというのは理解不能です。確信犯的な

もっとみる
スマホ脳 (アンデシュ・ハンセン)

スマホ脳 (アンデシュ・ハンセン)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 いつもの図書館で予約してから貸し出しまで半年近くかかったので、旬は過ぎていますが、話題になった本なので読んでみました。

 発行されたスウェーデンでもその他の国でも爆発的に売れている著作とのことで大いに期待したのですが、私にはあまり合わなかったようです。

 新たな情報を得るとドーパミンが放出されるという過去の人類の進化がもたらした「脳の

もっとみる
運を天に任すなんて ― 人間・中山素平 (城山 三郎)

運を天に任すなんて ― 人間・中山素平 (城山 三郎)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 この前、西和彦さんの「反省記」という本を読んだのですが、その中で西さんの生き方に大きな影響を与えた人物として中山素平さんが紹介されていました。

 本書は城山三郎さんによる「中山素平さんの評伝」です。

 中山素平(1906年(明治39年)3月5日 - 2005年(平成17年)11月19日)さんは、日本興業銀行頭取・経済同友会代表幹事等を

もっとみる