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化生の海 (内田 康夫)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 かなり以前に読んだ内田康夫さん“浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 今回は、都道府県レベルですが、ひとつの作品で3ヵ所をカバーしています。“北海道” “石川・福井” “福岡” です。

 いずれの地も都道府県としては出張で何度も訪れていますが、残念ながら作品の具体的な舞台はピンポイントで私が訪れた所ではありませんでした。
 余市の「ニッカウヰスキー余市工場」はプライベートで何度か見学に行ったことがあるくらいですね。

(p21より引用) ウイスキーの工場は広大な敷地の中に蒸留棟や貯蔵庫などの建物が十数棟建っている。正門を入ると左手に受付があり、あらかじめ見学を申し入れておくと、ここから先をガイドの女性が案内する。

 さて、この作品ですが、ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、久しぶりに “オーソドックスなしっかりした出来映え” だったように思いました。
 “旅情ミステリー” に相応しく舞台となった場所の描写も精緻で内田さんの拘りが伝わってきますし、登場人物もそれぞれにメリハリがあって魅力的でした。

 そして、ラストもお決まりの “浅見光彦の黙認パターン” 。
 この作品は “浅見光彦シリーズ” の中でも結構最後に近いものですが、“一本芯の通ったワンパターン” の存在感を誇示しているように思いました。



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