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最強脳 ―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業― (アンデシュ・ハンセン)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着書リストで見つけた本です。

 少し前に、ベストセラーになった「スマホ脳」を読んだのですが、私としては、それほど目新しい情報はなかったので、正直あまり興味を惹きませんでした。

 本書は、同じアンデシュ・ハンセン氏の著作です。
 典型的な “柳の下の泥鰌” 狙いの本ですが、その点も気になったので手に取ってみました。

 で、結果はというと、さらにガッカリ。ともかく「運動せよ」「運動が脳の働きを高める」と言い続けるだけの本でした。
 章ごとに「まとめ」のようなページがあるのですが、そこでの記述もこういった感じです。

(p33より引用) 運動で幸せな気分になるには
ドクターの処方箋
週に3回、最低30分の運動。その間ずっと心臓がドキドキして、なるべく何度も息が上がるように。

 その理由は「運動によって、多くのドーパミンが出るから」というだけで、それ以上の(科学的な)解説があるわけではありません。
 別の個所には、こういった記述があるくらいです。

(p142より引用) 運動はこの灰白質と白質の両方を強めてくれます。・・・
 なぜ白質、つまり脳のケーブルが運動によって強められるのかは分かっていません。ですがとにかく、強くなることははっきりしています。ゲームでもそうですが、結果がすべてなのです。

 いくらスウェーデンでは「こども向けの本」だったといっても、あまりに “安直” で “雑” なつくりの出版物ですね。とても残念です。

 私自身、本書が主張している「脳の活動に対する運動の効能」を否定しているわけではありません。私が本書に期待していたところと本書の内容や体裁との間に大きなギャップがあったということでしょう。

 


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