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へやのそと

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#詩人

【詩memo】まなざし

【詩memo】まなざし

はいも
いいえも
言いやしない

街も 風も
海も 空も

はいも
いいえも
言いやしない

わめこうと
ささやこうと

はいも
いいえも
言いやしない 

その優しさに
嗚咽してしまいそう

孤独が
深く 高く
溶けていってしまうよう

はいも
いいえも
言いやしない

海は海
空は空

どんなまなざしを
向けても

【詩memo】小瓶

【詩memo】小瓶

落としてしまったのかもしれない
投げ捨てたのかもしれない

大事にしていたのかもしれない
手放したかったのかもしれない

拾って
拾って

カランカラン
部屋の隅の小瓶に入れる

乾いた音
微かな揺れ

ごみ拾いっていうけど
なんだろう、ごみって

いっぱい詰まった小瓶
キラキラしている

「キスに蘇る想い出」

「キスに蘇る想い出」

あなたとの キス
一つ一つに 蘇る想い出

春の 公園で
ブランコを 押してくれた
空に 舞うような気分の キス
蝶々が 横で みつめてた

カモメが 飛び交い
汽笛響かす 小舟
ガラス色の 波をすべる
街の灯り 星屑のよう
海風に 髪を流しながらキス
揺れて チョッピリ塩辛かった

灼熱の 砂の浜
砂の 一粒一粒が 
夏の思い出 記す
波打ち際 横たわり キス
遠い南の国の 味がした

母の命日

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「夏色の街」童話詩

「夏色の街」童話詩

あの地平線 目指してゆけば
夏色に湧く 街がある
あの子と 一緒に
手を取り合って
鳥になって 飛んでいきたい

父さんが くれた
熱い 言葉
母さんが くれた
美しい 夢
全部 カバンに 詰め込んで
広い草原 越えていく

あの子が もしも
涙ぐんでも
白い 渡り鳥が
慰めて くれる

ボクが もしも
心 折れても
大空の 雨粒が
癒して くれる

夏色の街には
妖精たちが 住み
幸せの種を

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