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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを… もっと読む
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2023年9月の記事一覧

つま先立ちの恋(詩)

つま先立ちの恋(詩)

こんなにきれいな君が僕と付き合うと言ったとき
まわりの人たちはみんな驚いていたね
僕は背も低いし、顔だっていいわけじゃない
高学歴でも、お金持ちでもない
それなのに君は僕と付き合ってくれた
僕の人生でこれほど幸せを感じたことはなかった

それなのに僕は君に別れを告げた。
君に悪いところなんてまったくなかったのに
まわりからは批判されたよ
お前は身の程知らずだと
でも、僕は疲れてしまったんだ
背伸び

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サイレント(詩)

サイレント(詩)

サイレント
僕は別れを告げるために君を呼んだのに

サイレント
何も話すことができなかった

サイレント
君も僕と別れる覚悟を決めてきたのに

サイレント
押し黙ったまま何も言わない

サイレント
まるで先に話したら負けだというゲームをしているように

サイレント
二人は下を向いたまま相手を見ようとしない

サイレント
僕はくだらないゲームを終わらせるために

サイレント
「別れよう」と彼女に言っ

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自分って(詩)

自分って(詩)

私には自分を表現できるものが言葉しかない
でも語彙力が足りないから自分をすべて表現できていない
今は自分のすべてを言葉で表現するなんてできないと思っている
たぶん私は自分を表現する言葉を探し続けたまま人生を閉じるのだろう

影(詩)

影(詩)

影は不思議だ
人の身長を高くしたり、低くしたりする
ひとつのものでも光の当て方によって影は形を変える

影が好きだ
特に彫刻の影が好きだ
彫刻は影も含めて芸術になる
光の当て方ひとつで彫刻はいくつもの顔を持つ

影を作る太陽は偉大だ
太陽は芸術家に違いない
太陽の光を浴びて
影は形を変えていく
太陽が沈むと影は消える
まるで自分の一部が消えてしまったような気がする

今日も日の出を待って
僕は影の

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長いものには巻かれるな(詩)

長いものには巻かれるな(詩)

長いものに巻かれて生きて
いつの間にかペラッペラの体になって
脳ミソもペシャンコになって
考えることも
行動することもできなくなっていく

長いものに巻かれて生きて
いつの間にか長いものが善になって
それに逆らうとペシャンコにされて
あきらめることと
流されることしかできなくなっていく

その結果、人生は明るくなったのか
未来は輝きだしたのか
いまや世界はまったく逆の方向へと進んでいる

このまま

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古い腕時計(詩)

古い腕時計(詩)

部屋の整理をしていたら、ひびの入った古い腕時計が出てきた。
昔の時計なので、ネジ巻き式のもので、もちろん針は止まったままだった。
確か、親から初めて買ってもらった腕時計だ。
初めてその腕時計をつけたときは、大人の気分になったものだ。
試しにネジを回してみると、秒針が動き出した。
しかし、秒針は進んだかと思えば止まり、止まったままかと思うと動き出した。
不整脈の時を刻む腕時計を眺めて思った。
この時

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じゃあね(詩)

じゃあね(詩)

まるでまた明日も会う約束をしたかのように
君は「じゃあね」と笑って歩いていった
僕も右手を少しだけ上げて「じゃあ」と小さな声でつぶやいた

じゃあ何なんだ!
じゃあ、明日からは別々の人生を生きようねか?
じゃあ、元気で幸せになってねか?
じゃあ、もうお互いのことは忘れようねか?

君は何度も「疲れた」と言っていたね
僕の思いが重すぎるとも言っていたね
きっと天秤の片方だけ重い分銅を乗せたから
バラ

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空中分解(詩)

空中分解(詩)

僕の夢のロケットは空中分解した
何度も発射したけれど、いつも空中分解した
その頃は原因なんて考えずに
やたらとロケットを飛ばし続け
そしていつも空中分解した

今になって思うと
僕はいつも途中で夢をあきらめていた
それが空中分解の原因だった

僕は今、小説家になるという新しいロケットを作っている
このロケットだけは宇宙まで届けたいと思っている

(改訂)悲しみのあとに(詩)

(改訂)悲しみのあとに(詩)

悲しいときは悲しむだけ悲しめばいい
泣きたいときは泣きたいだけ泣けばいい
悲しみの大地に希望の芽を育てるには
涙の雨が必要だから
そして
晴れ渡った夏の日には
きっと希望の花を咲かせるから

写真と思い出(詩)

写真と思い出(詩)

部屋を片づけていたら、古い写真が出てきた
小学生の夏休みに家族で海に行ったときの写真
セピア色の僕はピースサインをして笑っていた
でも僕には写真の場所に行った記憶はなかった
思い出も写真と同じように色褪せてしまうものなのかもしれない
そして今、写真はデジタル化され、色褪せることはなくなった
でも思い出だけは相変わらず色褪せてしまう
だからみんな、写真を撮るのかもしれない
いつまでも思い出を色濃く残

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