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水木三甫
2023年9月28日 09:40
こんなにきれいな君が僕と付き合うと言ったときまわりの人たちはみんな驚いていたね僕は背も低いし、顔だっていいわけじゃない高学歴でも、お金持ちでもないそれなのに君は僕と付き合ってくれた僕の人生でこれほど幸せを感じたことはなかったそれなのに僕は君に別れを告げた。君に悪いところなんてまったくなかったのにまわりからは批判されたよお前は身の程知らずだとでも、僕は疲れてしまったんだ背伸び
2023年9月27日 07:26
サイレント僕は別れを告げるために君を呼んだのにサイレント何も話すことができなかったサイレント君も僕と別れる覚悟を決めてきたのにサイレント押し黙ったまま何も言わないサイレントまるで先に話したら負けだというゲームをしているようにサイレント二人は下を向いたまま相手を見ようとしないサイレント僕はくだらないゲームを終わらせるためにサイレント「別れよう」と彼女に言っ
2023年9月26日 09:15
私には自分を表現できるものが言葉しかないでも語彙力が足りないから自分をすべて表現できていない今は自分のすべてを言葉で表現するなんてできないと思っているたぶん私は自分を表現する言葉を探し続けたまま人生を閉じるのだろう
2023年9月25日 09:45
影は不思議だ人の身長を高くしたり、低くしたりするひとつのものでも光の当て方によって影は形を変える影が好きだ特に彫刻の影が好きだ彫刻は影も含めて芸術になる光の当て方ひとつで彫刻はいくつもの顔を持つ影を作る太陽は偉大だ太陽は芸術家に違いない太陽の光を浴びて影は形を変えていく太陽が沈むと影は消えるまるで自分の一部が消えてしまったような気がする今日も日の出を待って僕は影の
2023年9月14日 08:42
長いものに巻かれて生きていつの間にかペラッペラの体になって脳ミソもペシャンコになって考えることも行動することもできなくなっていく長いものに巻かれて生きていつの間にか長いものが善になってそれに逆らうとペシャンコにされてあきらめることと流されることしかできなくなっていくその結果、人生は明るくなったのか未来は輝きだしたのかいまや世界はまったく逆の方向へと進んでいるこのまま
2023年9月5日 07:27
部屋の整理をしていたら、ひびの入った古い腕時計が出てきた。昔の時計なので、ネジ巻き式のもので、もちろん針は止まったままだった。確か、親から初めて買ってもらった腕時計だ。初めてその腕時計をつけたときは、大人の気分になったものだ。試しにネジを回してみると、秒針が動き出した。しかし、秒針は進んだかと思えば止まり、止まったままかと思うと動き出した。不整脈の時を刻む腕時計を眺めて思った。この時
2023年9月4日 07:28
まるでまた明日も会う約束をしたかのように君は「じゃあね」と笑って歩いていった僕も右手を少しだけ上げて「じゃあ」と小さな声でつぶやいたじゃあ何なんだ!じゃあ、明日からは別々の人生を生きようねか?じゃあ、元気で幸せになってねか?じゃあ、もうお互いのことは忘れようねか?君は何度も「疲れた」と言っていたね僕の思いが重すぎるとも言っていたねきっと天秤の片方だけ重い分銅を乗せたからバラ
2023年9月3日 07:31
僕の夢のロケットは空中分解した何度も発射したけれど、いつも空中分解したその頃は原因なんて考えずにやたらとロケットを飛ばし続けそしていつも空中分解した今になって思うと僕はいつも途中で夢をあきらめていたそれが空中分解の原因だった僕は今、小説家になるという新しいロケットを作っているこのロケットだけは宇宙まで届けたいと思っている
2023年9月2日 08:01
悲しいときは悲しむだけ悲しめばいい泣きたいときは泣きたいだけ泣けばいい悲しみの大地に希望の芽を育てるには涙の雨が必要だからそして晴れ渡った夏の日にはきっと希望の花を咲かせるから
2023年9月1日 06:08
部屋を片づけていたら、古い写真が出てきた小学生の夏休みに家族で海に行ったときの写真セピア色の僕はピースサインをして笑っていたでも僕には写真の場所に行った記憶はなかった思い出も写真と同じように色褪せてしまうものなのかもしれないそして今、写真はデジタル化され、色褪せることはなくなったでも思い出だけは相変わらず色褪せてしまうだからみんな、写真を撮るのかもしれないいつまでも思い出を色濃く残