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『聞く力』の効力 世田谷一家4人殺害事件の遺族 入江杏さん講演を聞いて 1539文字 3分読
2000年12月31日世田谷区の普通の一家4人が殺害された事件は40代以上の方なら憶えている方も多いと思う。
未解決事件で残酷極まりない殺人事件。
殺害された女性(妻でありお母さん)のお姉様である入江杏さんの講演会に行ってきた。
自分の身内が理由もなく、過失もなく殺される現実。昨日まで元気な姿を見て会話をした、いつもいる人が酷い殺され方をして失う。
そんなことってあるのか?
現実を受け入れる
短編小説0051 トイレットペーパーの呪い 288文字 30秒読
トイレットペーパーが無くなったら、新しいものをセットする。
これエチケット。常識。
入社一年目の女子が先輩女子に責められた。
「あなたトイレットペーパー取り替えてないでしょ」
「え?はあ、まだちょっと残ってましたけど・・・」
「もうあと一回分残ってないくらいじゃない!」
「はいそうです。だからもったいないので。それに予備が各個室にあるからいいのでは・・・と」
「そういう時は全部使い切
ホントの話 電車内でうずくまってしまった高校生との会話 1319文字 2分半読
今朝の電車内で、隣に立っていた男子高校生がゆっくりとうずくまった。
「大丈夫?」
「あ、はい、ちょっと・・・」
「学校は次の駅?」
「はい・・・」
次の駅に到着してもまだ辛そうなので、このまま放ったらかしにするわけにいかず、彼の脇を支えながら一緒に下車した。
「ちょっと座ろうか」
「・・・はい」
ホームのベンチに腰掛け少し落ち着く。
細身で小柄な青年の顔は真っ白。
「なんか飲
短編小説0050 ラブレター0002 父より受験生の我が子へ 113文字
この瞬間のために君は努力を愚直に重ねてきた
君の培った人生の全てを投入し、全てを吐き出せ、爆発させろ
君の背中を見るとオレは震える思いがする
たくましくもあり、抱きしめたくもあり
怖じ気るな!
楽しめ!
さあ、勝負だ!
行って来い!
おしまい
短編小説0048 呼ばれる山 1712文字 3分読
カランコロンと熊よけの鈴の音が聞こえてきた。
オレより先を歩いている人のものだ。
オレの方が足が速いようで段々と近づいてきている。
もう間もなく追いつきそうなくらいに音が近づいた感じだが、姿が中々見えない。
「カランコロン」
かなり大きい音になった。
もう隣りにいてもおかしくない位の大きな音だ。
「おかしいな?」
そう思ったと同時に音が止まった。
感覚的に、その音を追い越すような位置
「諦めること」「受け入れること」クラクラめまいがする資本主義世界 1967文字 3分読
「諦める」の意味をずーっと限界の果てまで延長するとどこにたどり着くのか。
恐らく「無視」「無関心」にたどり着くのではないだろうか。
「諦める」とは仏教では「つまびらかにする」「明らかにする」の意があるそうだ。つまり真理、道理を意味する。
だとすると、「無視」「無関心」というなんだか突き放す、二度と期待しない、ような意味とはだいぶニュアンスが違ってくる。
物事が成されなかったり、うまくいかない