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子供の頃に親友を交通事故で亡くした時の体験から、精神分野に強い関心を抱いてきました。現…

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子供の頃に親友を交通事故で亡くした時の体験から、精神分野に強い関心を抱いてきました。現実という地にしっかり足をつけつつ、そうした視点や自分なりの感性を大切にしながら、さまざまなことについて書いていきたいと思っています。

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記事一覧

桜に魂をもってかれそうだ・・・

ため息が出るほど美しい桜風景を見ていると、必ず思い出す話がある。ある人が吉野の桜に圧倒され目を奪われているうちに、気づくと桜林の奥深くに迷い込んでいた。その時、…

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2年前
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京仏師 松久朋琳師の思い出

(イラストは、画家・奥田みき氏「光の幻想アート」より) 友人が趣味で仏像彫刻を始めたのを知って、久しぶりに思い出したことがある。それは、京都の著名な仏師(仏像彫…

K★Makino
2年前
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飼い犬が連れてくる一期一会

犬を散歩させていると、犬を介していろいろと小さな出会いがあり、そしてそこから小さなコミュニケーションが生まれる。その出会いは、時には一期一会。   犬を飼っている…

K★Makino
3年前
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最近の空模様が象徴すること

この数ヶ月の間、雲の造形美、迫力に圧倒されることが幾度もあった。曇天には黒々とした雲が、晴れ間の空には真っ白な雲が、半端ではない存在感を放っていた。 明らかに、…

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3年前
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ドナルド・トランプという人

 米国のトランプ大統領のことを、ずっと誤解してきた。それは米国内はもとより日本での報道のされ方に主な原因があった。今回の新型コロナパンデミックと、米国全土で起き…

K★Makino
4年前
2

2020年という激動のとき、意識はどこに”いかり”を降ろしておけばいいのだろう

今年9年をむかえた東日本大震災にしても、19年前の9.11米国同時多発テロにしても、そのあまりにも悲惨な状況に私たちの精神は根底から揺さぶられた。得体の知れない闇の中…

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4年前
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人は何のために祈るのか

新型コロナウィルス感染が世界中で猛威をふるい、自然の前では人間がいかに非力であるか、あらためて思い知らされる。一日も早く感染拡大が止まり、そして世界中の感染者が…

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4年前
9

「星空の世界遺産」への想い

昔から「満天の星空」に強く惹かれてきた。ただの「美しい星空」ではなく、あくまでも「満天の星空」に。 若い頃から登山や国内外への旅行をしてきたので、「美しい星空」…

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4年前
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ある貧しい村での出会い….村人のプライド、そして子供たち

見るからに威圧感を与えるいかつい銃を構え、険しい表情で繁みの中を念入りにチェックしたその警備員は、なおも鋭い視線で周囲を見回しながら、「定刻までには必ずホテルに…

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4年前
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子供の頃の友人の死が、私の心の奥深くに蒔いた種

 幼稚園の時からの友達だったY君は、小学校2年生のときに交通事故で亡くなった。彼は生死に関する不可思議なことをいくつか遺していったが、それが私の死生観の形成に大…

K★Makino
4年前
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桜に魂をもってかれそうだ・・・

桜に魂をもってかれそうだ・・・

ため息が出るほど美しい桜風景を見ていると、必ず思い出す話がある。ある人が吉野の桜に圧倒され目を奪われているうちに、気づくと桜林の奥深くに迷い込んでいた。その時、その人は「このままさらに奥深くに誘われ、もうこの世には戻れないのかも知れない」と思ったという。

その感覚が、自分もすごくよくわかる。「魂をもってかれそうだ」としか表現できないその感覚を。

そんな、あやしげな美しさを漂わせる桜風景を、ほん

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京仏師 松久朋琳師の思い出

京仏師 松久朋琳師の思い出

(イラストは、画家・奥田みき氏「光の幻想アート」より)

友人が趣味で仏像彫刻を始めたのを知って、久しぶりに思い出したことがある。それは、京都の著名な仏師(仏像彫刻家)、松久朋琳師のこと。師の部屋で、二人だけでいろいろな話しをして下さった。

30歳の頃、ある方から松久朋琳師の著書『佛の聲を彫る』を薦められた。当時、私は仏教や仏像に関心は無かった。仏像は嫌いではないが、ただ馬鹿でかいだけや、金を塗

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飼い犬が連れてくる一期一会

飼い犬が連れてくる一期一会

犬を散歩させていると、犬を介していろいろと小さな出会いがあり、そしてそこから小さなコミュニケーションが生まれる。その出会いは、時には一期一会。
 
犬を飼っている人にとっては、散歩の途中に犬のことで他の人とちょっとした挨拶や会話が生まれることは、何も特別なことではない。
 
例えば、最も一般的なのは、相手の人も犬の散歩をしていて、まず犬同士が近づいて匂いをかいだり、吠え合ったりとコミュニケーション

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最近の空模様が象徴すること

最近の空模様が象徴すること

この数ヶ月の間、雲の造形美、迫力に圧倒されることが幾度もあった。曇天には黒々とした雲が、晴れ間の空には真っ白な雲が、半端ではない存在感を放っていた。

明らかに、何かが今までとは大きく違う。

なかでも、8月初日の今日は特に凄かった。青空に浮かぶ巨大な構造物のようだったり、あるいは生き物のようだったり。目が釘付けになった。圧倒された。

心臓の鼓動が早まる。何かが起きている。

いまこの世界では、

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ドナルド・トランプという人

ドナルド・トランプという人

 米国のトランプ大統領のことを、ずっと誤解してきた。それは米国内はもとより日本での報道のされ方に主な原因があった。今回の新型コロナパンデミックと、米国全土で起きている暴動を通じて、そのことをより強く感じている。

数日前、トランプ大統領は米国全土に戒厳令をしいた。警官が黒人を取り押さえた際に首と胸を圧迫し続けたことが原因で死亡したことに対し、黒人たちを中心に抗議のデモが起き、暴動と化しているからだ

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2020年という激動のとき、意識はどこに”いかり”を降ろしておけばいいのだろう

2020年という激動のとき、意識はどこに”いかり”を降ろしておけばいいのだろう

今年9年をむかえた東日本大震災にしても、19年前の9.11米国同時多発テロにしても、そのあまりにも悲惨な状況に私たちの精神は根底から揺さぶられた。得体の知れない闇の中に引きずりこまれていくような恐怖さえ感じたのは、私だけではないだろう。そうした社会の激動に精神が大きく揺さぶられたとき、意識はどこに焦点を定めておけばいいのだろう。

おりしも、世界中で新型コロナウィルス感染が猛威をふるい、人々の健康

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人は何のために祈るのか

人は何のために祈るのか

新型コロナウィルス感染が世界中で猛威をふるい、自然の前では人間がいかに非力であるか、あらためて思い知らされる。一日も早く感染拡大が止まり、そして世界中の感染者が早く健康を取り戻せるよう、祈らずにいられない。

そんなとき、科学者と宗教学者の共著『人は何のために祈るのか』が、あらためて「祈り」への想いに深みを与えてくれる。

著者は、遺伝子研究の第一人者である村上和雄 筑波大学名誉教授と、宗教学者の

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「星空の世界遺産」への想い

「星空の世界遺産」への想い

昔から「満天の星空」に強く惹かれてきた。ただの「美しい星空」ではなく、あくまでも「満天の星空」に。

若い頃から登山や国内外への旅行をしてきたので、「美しい星空」であれば空気の澄み切った場所で何度も見てきた。しかし、「満点の星空」といえるよう出会いは、これまでに数回しかない。

その数少ない体験の中で、オーストラリアで見た「満点の星空」は、本当に凄かった。

小高い山の上に立ち、空を見上げた瞬間、

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ある貧しい村での出会い….村人のプライド、そして子供たち

ある貧しい村での出会い….村人のプライド、そして子供たち

見るからに威圧感を与えるいかつい銃を構え、険しい表情で繁みの中を念入りにチェックしたその警備員は、なおも鋭い視線で周囲を見回しながら、「定刻までには必ずホテルに戻るように」と言い残して、帰っていった。「どうやら、とんでもない場所で夕食をとることに決めてしまったらしい・・」。私と妻は、込み上げてくる恐怖心で後悔し始めた。

それは、今から数十年以上も前に、セブ島に旅行した時のことだが、いまでも海外の

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子供の頃の友人の死が、私の心の奥深くに蒔いた種

子供の頃の友人の死が、私の心の奥深くに蒔いた種

 幼稚園の時からの友達だったY君は、小学校2年生のときに交通事故で亡くなった。彼は生死に関する不可思議なことをいくつか遺していったが、それが私の死生観の形成に大きな影響を与えてきた。

彼は自転車に乗っていて転倒し、バスにひかれて突然に逝ってしまった。

彼と仲のよかった友達は、私を含めて3人いた。私たち3人は、彼のお葬式以降も何かと彼の家に行き、お線香をあげ、彼のお母さんとY君のことを語りあった

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