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桜に魂をもってかれそうだ・・・

ため息が出るほど美しい桜風景を見ていると、必ず思い出す話がある。ある人が吉野の桜に圧倒され目を奪われているうちに、気づくと桜林の奥深くに迷い込んでいた。その時、その人は「このままさらに奥深くに誘われ、もうこの世には戻れないのかも知れない」と思ったという。

その感覚が、自分もすごくよくわかる。「魂をもってかれそうだ」としか表現できないその感覚を。

そんな、あやしげな美しさを漂わせる桜風景を、ほんの束の間で終わらせるのは何とももったいなく、いつまでも手元に残しておきたいと思う。

だから、何枚も何枚も写真を撮る。しかし、なかなか満足のいく写真が取れない。所詮無理なのはわかっているのに、それでも撮って、撮って、撮り続ける。そして、最後には撮り疲れてあきらめる。

そんなことを、いったい自分は毎年続ければ気が済むのだろう。自分は既に、魂の一部を桜にもっていかれてしまったのかも知れない。

                (写真は「usadanu.eh」より)


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