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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co…
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2019年7月の記事一覧

『佐野洋子の「なに食ってんだ」』 佐野洋子 オフィス・ジロチョー

『佐野洋子の「なに食ってんだ」』 佐野洋子 オフィス・ジロチョー

『100万回生きたねこ』を小さい頃に読んでいなくて、私の知る佐野洋子は『ヨーコさんの言葉』や『死ぬ気まんまん』で、その場に迎合するのではなくて、自分の感じたことや考えたことをスバっという豪快な人、という印象。彼女の絵本や小説、エッセイに出てくる食についての本。

中国で暮らしていた時の食べ物、銀座のお寿司、念入りにつくったおせち、おいなりさんといった食べ物だけでなく、石やセーターなど食べ物ではない

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『三つ編み』 レティシア・コロンバニ

『三つ編み』 レティシア・コロンバニ

「どうか、この話が現代のものでありませんように」と祈るように読み始めたこの話はインドの不可触民スミタの話で幕を開ける。彼女は毎日、近隣の村の家を訪ね素手で糞便を集める。お金はもらえない。時折残飯がもらえるだけ。夫は村人の畑のネズミ捕りをする。こちらもお金はもらえない。捕ったネズミを持ち帰り、ごはんのおかずにする。娘にこの仕事を継がせたくない。教育を受けさせたい。

この本は「新井賞」の第10回受賞

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『初ものがたり』宮部みゆき

『初ものがたり』宮部みゆき

江戸の町、夜遅くまで開いている屋台が一つ。稲荷寿司の店だが、蕪を丸ごと使った蕪汁、鰹の刺身、白魚蒲鉾、桜餅、柿羊羹・・・といった旬の料理も供している。もちろん美味い。屋台の親父は何やら訳あり。そこに足を運ぶのは、本所深川一帯を預かる「回向院の旦那」の岡っ引きの茂七。彼が屋台に足を運ぶのは、大体事件に悩んだ時で・・・ はい、もう魅力ポイント満載。その屋台、私も行きたい!その親父、気になる!事件の香り

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『海の見える理髪店』荻原浩

『海の見える理髪店』荻原浩

そういうところ弱いの。せっかく強がってるのにそんなに優しくしないで、みたいな感じで読んだ。いやー職場で連休明けから大変居心地が悪くなっていたんだけど、ポジションが変わりました。席替えして数時間で肩のこわばりが解けていくのがわかって灯りっぱなしだった心身のアラートがひとまず消えた。普通に働けるってなんてありがたいことなんだろう。というわけでサバイブするためにビジネス本を読んだりして左脳モードにになっ

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『パスタぎらい』ヤマザキマリ

『パスタぎらい』ヤマザキマリ

イタリアに暮らし始めて35年。イタリア留学のほか、世界各地を旅したり、住んだりしている『テルマエ・ロマエ』の漫画家ヤマザキマリによる食エッセイ。彼女は貧乏時代にパスタを食べすぎたせいか、パスタが嫌いだという。

彼女が死ぬときに口に突っ込んでもらうよう息子に依頼している(そのくらいおいしい)ポルチーニ茸やイタリアのお義母さんが「今日は寿司にするから食べに来い」と言った時に出てきた寿司の様子、コンビ

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『もしアドラーが上司だったら』 小倉広

『もしアドラーが上司だったら』 小倉広

温かい目で部下を見守り、仕事の仕方を教え、人間的成長までも促してくれる上司。現実世界にいないのならば、私は本の世界に師を求めよう。でも本当はこう言いたい。「ドラさ~ん、本から出てきて~ちょっと私の職場なんとかして~!なんだったらタイムスリップして20代の私に指導してやって~!」

米国でアドラー心理学を学んできた上司が会社に戻ってきた。背が低くて太めの猫型ロボットみたいな憎めない彼の愛称は「ドラさ

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『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』 ちきりん

『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』 ちきりん

5月の連休に久々に海外旅行でベトナムに行って、外国人観光客でも簡単に安全に使えるタクシー配車アプリを使った。『Grab』というマレーシアの起業家が立ち上げたこのサービスはUBERを撤退させ、サービスを拡大し東南アジア各地で展開している。日本より全然進んでいる、もっと海外を見たいな、と思った。学生時代の安旅行からリゾートまで、30年近く、50か国以上を旅するちきりんによる、旅から気づくこと、考えるこ

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『ターシャとコーギ』 ターシャ・テューダー

『ターシャとコーギ』 ターシャ・テューダー

かわいい、かわいいよ、コーギー。そっかーたれ耳のコーギーもいるんだねえ。赤ちゃんだからかな?うひゃあかわいいねえ、とデレデレになった。図書館を歩いていて目の端にこの本が入ったので戻って取りに行った。かつて実家ではもらってきたコーギーを飼っていた。名前は「もく」で愛称は「もぐちゃん」。彼女はずいぶん前に死んでしまったけれど、散歩中のコーギーを見れば「うわぁ、もぐちゃんいた!」と触りたい気持ちを抑えて

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『私がオバさんになったよ』 ジェーン・スー

『私がオバさんになったよ』 ジェーン・スー

森高千里は仮定法で『私がオバさんになっても』と歌ったけれど、『私がオバさんになったよ』は完了形で、なんなら誰かに向けた報告である。何、このざわざわするタイトル。39歳の私は、未婚で子供もいないし、弟も未婚なので姪っ子や甥っ子もいない。部下もいないし、相対的「年長者・オバさん」ポジションに入らないまま軽薄に時間をすごしてきた。今40になるのがめっちゃ怖い。20歳になるときも30歳になるときも「私、若

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『悲しくてかっこいい人』 イ・ラン

『悲しくてかっこいい人』 イ・ラン

この本を買ったのは、吉祥寺の「百年」。同じ著者のイラストエッセイみたいな本があって、パラパラとめくっていたら面白かったのだ。いつもと同じように「絵ばっかりの本では、すぐ読み終わってしまってコスパが悪い!」と思い、読むのにもう少し時間がかかる彼女のエッセイをレジに持っていった。すぐに口の中で溶けてなくなるチョコレートではなくって、キオスクで売っているのど飴みたいに飴のセロファンをめくっては口に入れて

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『偽装不倫 4』 東村アキコ

『偽装不倫 4』 東村アキコ

月曜の仕事帰り、ごはんを食べビールを飲み、この最新刊を抱えて帰った。ちびまる子ちゃんでいえば、背景に「パアァ・・・」と擬音が浮かび、お花が描かれていたと思う。ああ、家に帰ってブラだけはずしてゴローンして読む!!至福!

つい最近、4月の頭に3巻を読んだので、ずいぶん早い次号。週刊連載なのと、ドラマが今晩7/10から始まるということもあるだろう。カラーなのに東村先生すごいな、大丈夫かな。そんな心配が

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『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』 しいたけ.

『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』 しいたけ.

「うわ~ん、しいたけ.おにいちゃ~ん!あのねあのね」と、子供になってしいたけ.さんの足元に駆け寄ってすりすりしたくなるような本。私はそういうことが素直にできる子供ではなかったのだけれど、そしてしいたけ.さんは私より年下だろうけど、そう思わせてくれるほど、しいたけ.さんの文章は大きくて、優しい。しいたけ.さんも「全部の星座が子供みたいでかわいい」と書いていてくれているのだが、読めばわかる。彼は各星座

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『クレール』 オード・ピコー

『クレール』 オード・ピコー

1800円という価格に「ぐぇっ」となるも、「私は本や漫画のためにお金をけちらない人間でありたい」とレジに持って行った。漫画としては高い。小説なら、なくはない値段。漫画が小説より価値が低いと言っているわけではない。(私が一番好きなメディアは漫画です)私は漫画を読み終えるのが異様に早いので時間に対する費用対効果的な問題。漫画30分で1800円なのか、映画2時間で1900円なのか、小説1週間で1800円

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『自分のアタマで考えよう』 ちきりん

『自分のアタマで考えよう』 ちきりん

「ボーっと生きてんじゃねーよ」というチコちゃんが世間を賑わせていたのは、うっすら自分は「ボーっと生きている」という自覚がある人が多かったからじゃないだろうか。私は「ボーっと生きてきたな」とこの本を読んで思った。

ちきりんさん曰く、「知識」と「思考」は違う。「考える」とはインプットをアウトプットに変換すること、らしい。本を読んで私なりに解釈すると、チコちゃんの番組を毎週ただ見るのは「知識」を増やす

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