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2019年7月の記事一覧
『三つ編み』 レティシア・コロンバニ
「どうか、この話が現代のものでありませんように」と祈るように読み始めたこの話はインドの不可触民スミタの話で幕を開ける。彼女は毎日、近隣の村の家を訪ね素手で糞便を集める。お金はもらえない。時折残飯がもらえるだけ。夫は村人の畑のネズミ捕りをする。こちらもお金はもらえない。捕ったネズミを持ち帰り、ごはんのおかずにする。娘にこの仕事を継がせたくない。教育を受けさせたい。
この本は「新井賞」の第10回受賞
『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』 ちきりん
5月の連休に久々に海外旅行でベトナムに行って、外国人観光客でも簡単に安全に使えるタクシー配車アプリを使った。『Grab』というマレーシアの起業家が立ち上げたこのサービスはUBERを撤退させ、サービスを拡大し東南アジア各地で展開している。日本より全然進んでいる、もっと海外を見たいな、と思った。学生時代の安旅行からリゾートまで、30年近く、50か国以上を旅するちきりんによる、旅から気づくこと、考えるこ
もっとみる『ターシャとコーギ』 ターシャ・テューダー
かわいい、かわいいよ、コーギー。そっかーたれ耳のコーギーもいるんだねえ。赤ちゃんだからかな?うひゃあかわいいねえ、とデレデレになった。図書館を歩いていて目の端にこの本が入ったので戻って取りに行った。かつて実家ではもらってきたコーギーを飼っていた。名前は「もく」で愛称は「もぐちゃん」。彼女はずいぶん前に死んでしまったけれど、散歩中のコーギーを見れば「うわぁ、もぐちゃんいた!」と触りたい気持ちを抑えて
もっとみる『私がオバさんになったよ』 ジェーン・スー
森高千里は仮定法で『私がオバさんになっても』と歌ったけれど、『私がオバさんになったよ』は完了形で、なんなら誰かに向けた報告である。何、このざわざわするタイトル。39歳の私は、未婚で子供もいないし、弟も未婚なので姪っ子や甥っ子もいない。部下もいないし、相対的「年長者・オバさん」ポジションに入らないまま軽薄に時間をすごしてきた。今40になるのがめっちゃ怖い。20歳になるときも30歳になるときも「私、若
もっとみる『悲しくてかっこいい人』 イ・ラン
この本を買ったのは、吉祥寺の「百年」。同じ著者のイラストエッセイみたいな本があって、パラパラとめくっていたら面白かったのだ。いつもと同じように「絵ばっかりの本では、すぐ読み終わってしまってコスパが悪い!」と思い、読むのにもう少し時間がかかる彼女のエッセイをレジに持っていった。すぐに口の中で溶けてなくなるチョコレートではなくって、キオスクで売っているのど飴みたいに飴のセロファンをめくっては口に入れて
もっとみる『自分のアタマで考えよう』 ちきりん
「ボーっと生きてんじゃねーよ」というチコちゃんが世間を賑わせていたのは、うっすら自分は「ボーっと生きている」という自覚がある人が多かったからじゃないだろうか。私は「ボーっと生きてきたな」とこの本を読んで思った。
ちきりんさん曰く、「知識」と「思考」は違う。「考える」とはインプットをアウトプットに変換すること、らしい。本を読んで私なりに解釈すると、チコちゃんの番組を毎週ただ見るのは「知識」を増やす