碇邦生(九州大学ビジネス・スクールQBS/合同会社ATDI)

九州大学ビジネス・スクール(QBS)の教員&大学発シンクタンクATDI代表。(主なトピ…

碇邦生(九州大学ビジネス・スクールQBS/合同会社ATDI)

九州大学ビジネス・スクール(QBS)の教員&大学発シンクタンクATDI代表。(主なトピック:採用や育成等の人材マネジメント、新規事業開発など)※日経電子版キーオピニオンリーダー ※コメント返信は原則控えています。質問はTwitter(@IkariOita)へお願いします。

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記事一覧

【推薦メッセージ紹介】中小企業経営者のための組織創造リーダー塾

組織作りで競争力を高めた経営者からの推薦メッセージ Q. 経営者が企業競争力を高めるために組織作りに注力することの重要性について、どのように考えますか? 組織変革…

【講師紹介】中小企業経営者のための組織創造リーダー塾

【第1回】ビジョンから「強い組織」を作る経営者のマインドとは? 印刷会社の3代目として埼玉県に生まれる 大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現 アクセンチュ…

女性役員の外注から社内育成へのストーリーを如何に構築するか?

増える社外取締役の女性比率 日本企業の女性活躍推進の課題というと、従業員数は増えたものの、組織内の重要なポジションに就く女性の割合が低いことだ。多くの女性従業員…

アナログなデジタルネイティブ世代は、将来の国際競争で戦える人材に育つのか

仕事で使うデジタルと遊びで使うデジタルは違う 今の20代前半よりも若い世代は、デジタルネイティブと呼ばれることがある。生まれたときからスマートフォンがあり、SNSに…

技術系職種はダイバーシティで生産性の飛躍的向上が見込める

増やせ技術系女性社員 働き方の多様化が広まる中で、これまで男性が当然だと思われていたような職種での女性の活躍が増えている。タクシーやバスの運転手、運輸業に建設業…

生成AIで変わる企業研修のあり方

AIで可能になった人材育成の新たな試み 日経COMEMOの8-9月のお題企画で「#AIで可能になったこと」で記事が募集されている。Chat GPT を皮切りに、生成AIが急速に普及す…

外国人労働者の育成は製造業シニア人材の新たな活躍のフィールド

外国人労働者の日本での長期キャリアを推進する 日本の人手不足を補う対策として、外国人労働者の受け入れは年々増えている。特に、派遣元として東南アジアへの期待は大き…

就活のAI活用以前に、ESと面接はそもそも精度の低い選考ツール

AIでよく見せようとする学生と本質を知りたい企業 生成AIの普及は私たちの生活を大きく変えている。生成AIが普及を始めた当初、まずは学校教育での混乱が起きた。学生が課…

急速に増える外国人労働者に現場のマネジメントは変化に追いつけるのか?

人口減少で深刻化する人手不足 日本の人口減少に伴い、労働人口が減る中で不足する労働力の供給源として外国人労働者に期待が集まっている。残念なことに、日本の少子化対…

最低賃金をあげるなら抜本的な上限対策もセットでしよう

最低賃金引上げは誰のため? 長らく日本の賃金は上がらないと言われ続けてきたが、ここ数年、最低賃金の引き上げは積極的だ。2024年度の最低賃金を全国平均で50円引き上げ…

中小企業は社長のコミットで人材獲得が変わる

苦労して採用しても、すぐに退職する中小企業の採用事情 人手不足は深刻な問題だ。特に、地方の中小企業にとっては人材を採用したくても、求職者との接点を持つだけでも一…

男性の育児参加を受け入れられない、変わらない現場

男性の育児参加で「子育てしやすい体制」作り 2015年前後から「働き方改革」が全国的に普及する中で、大きな変革の1つだ男性の育児休暇取得だ。これまで、男性の育児参加…

「安い人件費の追いかけっこ戦略」にどこまで依存するのか?できるのか?

「安い人件費の追いかけっこをいつまで続ける気なんだろうな」 小見出しの言葉は、10年以上前、インドネシアの日系現地法人の調査をしているときに某大手製造業の現地法人…

世界競争力の「大艦巨砲主義」の見直し

スイスの有力ビジネススクールであるIMDが2024年の世界競争力ランキングを発表した。シンガポールが4年ぶりに首位となり、一方の日本は38位と3年連続で順位を落とした。調…

いつまで「日本人は英語が苦手」を押し通すのか?

日本人が英語を話せないのは言語として違い過ぎるから? オンライン英会話大手のレアジョブが、日本人の英語スピーキング能力に関する調査を発表した。同社が開発するAIを…

ゲームを人材育成に生かす研修設計とは

相性が良いようで悪い人材育成とゲーム 1983年7月に任天堂からファミリーコンピューターが発売されてから40年が経ち、テレビゲームに対する社会的な評価も大きく変わって…

【推薦メッセージ紹介】中小企業経営者のための組織創造リーダー塾

【推薦メッセージ紹介】中小企業経営者のための組織創造リーダー塾

組織作りで競争力を高めた経営者からの推薦メッセージ

Q. 経営者が企業競争力を高めるために組織作りに注力することの重要性について、どのように考えますか?

組織変革を考えるのであれば、このような勉強会に経営者と人事部長の2人がセットで参加することが望ましいです。そうすることで、目線が合い、実行力のある変革プランを考えることができます。
まず大前提として、組織作りをしようということは事業を成長させ

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【講師紹介】中小企業経営者のための組織創造リーダー塾

【講師紹介】中小企業経営者のための組織創造リーダー塾

【第1回】ビジョンから「強い組織」を作る経営者のマインドとは?

印刷会社の3代目として埼玉県に生まれる
大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現 アクセンチュア)入社。
家業に従事した後、1999年に妻と英治出版をさいたま市で創業。2000年から匿名組合契約を活用したプロジェクト型出版「ブックファンド」のサービス開始。2002年、本社を渋谷区に移転。2004年に韓国に初の日系出版社「Eiji

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女性役員の外注から社内育成へのストーリーを如何に構築するか?

増える社外取締役の女性比率

日本企業の女性活躍推進の課題というと、従業員数は増えたものの、組織内の重要なポジションに就く女性の割合が低いことだ。多くの女性従業員にとって、社内でのポジションを上げ、自己実現の場として適切な環境整備ができている企業は少ない。

そのような中、諸外国にも引けを取らないのが社外取締役の女性比率だ。日本経済新聞の記事によると33.2%となり、約3人に1人は女性となっている

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アナログなデジタルネイティブ世代は、将来の国際競争で戦える人材に育つのか

仕事で使うデジタルと遊びで使うデジタルは違う

今の20代前半よりも若い世代は、デジタルネイティブと呼ばれることがある。生まれたときからスマートフォンがあり、SNSに慣れ親しんだ世代だ。デジタルネイティブという言葉の響きには、インターネットやSNSが当たり前の世代のため、常にデジタルツールに触れ、一見するとそのまま仕事でもDXの担い手となってくれそうな期待感もある言葉だ。しかし、大学教員として実際

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技術系職種はダイバーシティで生産性の飛躍的向上が見込める

増やせ技術系女性社員

働き方の多様化が広まる中で、これまで男性が当然だと思われていたような職種での女性の活躍が増えている。タクシーやバスの運転手、運輸業に建設業など、現場で女性の職人を目にする機会も増えてきた。

まだまだ全体の割合で言えば一部なのだろうが、このような女性の活躍フィールドの拡大は進んでいる。日経新聞の記事では、九州電力が「脱・男社会」を目指して、技術系女性の比率を高める取り組みが

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生成AIで変わる企業研修のあり方

AIで可能になった人材育成の新たな試み

日経COMEMOの8-9月のお題企画で「#AIで可能になったこと」で記事が募集されている。Chat GPT を皮切りに、生成AIが急速に普及する中で、ありとあらゆる分野で生成AIの活用が進んでいる。これほどのインパクトのあるテクノロジーの進化は、電子メールの普及以来ではないかと思われるほどのインパクトの大きさだ。
それこそ、「#AIで可能になったこと」は公

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外国人労働者の育成は製造業シニア人材の新たな活躍のフィールド

外国人労働者の日本での長期キャリアを推進する

日本の人手不足を補う対策として、外国人労働者の受け入れは年々増えている。特に、派遣元として東南アジアへの期待は大きく、とりわけベトナムからの渡航者は多い。その多くは技能実習や特定技能などの制度を利用して来日するが、労働力不足を補うためにはできるだけ長く日本に滞在し、定着してもらうことも考える必要がある。
主目的が教育であることから、滞在期間と労働条件

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就活のAI活用以前に、ESと面接はそもそも精度の低い選考ツール

AIでよく見せようとする学生と本質を知りたい企業

生成AIの普及は私たちの生活を大きく変えている。生成AIが普及を始めた当初、まずは学校教育での混乱が起きた。学生が課題やレポートを作成するのに生成AIを使ってしまい、学びにならないという問題だ。既存の教育方法では、生成AIで楽をする学生に対処できなくなってしまった。
加えて、生成AIの性能が上がるのにあわせて、出来栄えを見抜くこともできなくなって

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急速に増える外国人労働者に現場のマネジメントは変化に追いつけるのか?

人口減少で深刻化する人手不足

日本の人口減少に伴い、労働人口が減る中で不足する労働力の供給源として外国人労働者に期待が集まっている。残念なことに、日本の少子化対策の効果が出ているとは言い難い状況が続いている中で、即効性のある代替策としては海外からの労働者に頼らざる得ない現状がある。

その結果、研修制度であるはずの技能実習制度が実質として労働力確保のために使われることになるなどの問題もはらみなが

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最低賃金をあげるなら抜本的な上限対策もセットでしよう

最低賃金引上げは誰のため?

長らく日本の賃金は上がらないと言われ続けてきたが、ここ数年、最低賃金の引き上げは積極的だ。2024年度の最低賃金を全国平均で50円引き上げ時給1054円にするとの目安額を政府は示している。この調子で、2030年代半ばまでに最低賃金を全国平均で1500円にすることを目指すという。
最低賃金の引き上げには、様々な狙いが複雑に絡んでいる。人件費があがることでDXによる生産性

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中小企業は社長のコミットで人材獲得が変わる

苦労して採用しても、すぐに退職する中小企業の採用事情

人手不足は深刻な問題だ。特に、地方の中小企業にとっては人材を採用したくても、求職者との接点を持つだけでも一苦労だ。そもそも、地元の労働市場に求める専門性や能力を持った求職者がいないために大都市圏から移住してもらうことも少なくない。移住を伴う転職となると、またハードルが一段上がる。
加えて、苦労した採用したとしても、職場に馴染んで成果を出し、長

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男性の育児参加を受け入れられない、変わらない現場

男性の育児参加で「子育てしやすい体制」作り

2015年前後から「働き方改革」が全国的に普及する中で、大きな変革の1つだ男性の育児休暇取得だ。これまで、男性の育児参加を増やすことで、女性に偏っていた育児の負担を和らげ、子育てしやすい体制づくりが社会的課題となっている。

男性の育児休暇取得率も、徐々にではあるが高まる傾向にある。男性の取得率は2022年度に17.1%であり、10年前の2012年の1

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「安い人件費の追いかけっこ戦略」にどこまで依存するのか?できるのか?

「安い人件費の追いかけっこ戦略」にどこまで依存するのか?できるのか?

「安い人件費の追いかけっこをいつまで続ける気なんだろうな」

小見出しの言葉は、10年以上前、インドネシアの日系現地法人の調査をしているときに某大手製造業の現地法人社長が話した言葉だ。2010年代、多くの日本企業がインドネシアに生産拠点を新設していた。タイと中国の人件費の高騰と、中韓の反日感情によるカントリーリスクから、生産拠点の脱東アジアが進んだ。そのとき、古くからの親日国家であり、2億人以上の

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世界競争力の「大艦巨砲主義」の見直し

世界競争力の「大艦巨砲主義」の見直し

スイスの有力ビジネススクールであるIMDが2024年の世界競争力ランキングを発表した。シンガポールが4年ぶりに首位となり、一方の日本は38位と3年連続で順位を落とした。調査対象国は67ヶ国で、この調子でいくと来年にはインドに追い抜かれる。内訳では、「国内経済」・「雇用」・「科学インフラ」についての評価は高かったものの「ビジネスの効率性」・「企業環境」・「国際経験」・「機敏性」の評価が著しく低かった

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いつまで「日本人は英語が苦手」を押し通すのか?

いつまで「日本人は英語が苦手」を押し通すのか?

日本人が英語を話せないのは言語として違い過ぎるから?

オンライン英会話大手のレアジョブが、日本人の英語スピーキング能力に関する調査を発表した。同社が開発するAIを使ったスピーキングテストのデータ66万人を活用し、日本のほか非英語圏の77ヶ国・地域が対象の調査だ。その結果、グローバルビジネスで使えるレベル(6段階中上から3番目の「B2」以上)の人は僅か7%にとどまったという。グローバル平均が25%

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ゲームを人材育成に生かす研修設計とは

ゲームを人材育成に生かす研修設計とは

相性が良いようで悪い人材育成とゲーム

1983年7月に任天堂からファミリーコンピューターが発売されてから40年が経ち、テレビゲームに対する社会的な評価も大きく変わってきた。一昔前は「ゲームばかりしているとダメになる」と言われたが、今やテレビゲームは世界的な一大産業に成長し、eスポーツとしてプロ選手も増えている。ゲーム実況者という、新たなエンタメもYoutubeのような動画配信サービスの登場によっ

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