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大学院生です。日常のふとした時に思ったことや本、旅を中心に書いていきます。よろしくお願…

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大学院生です。日常のふとした時に思ったことや本、旅を中心に書いていきます。よろしくお願いします。

マガジン

  • 書評未満

  • 哲学未満

  • 短編未満

    短編というには短い文章がまとまっています。

記事一覧

分かってしまったら、分かり合えない。#哲学未満3

分かってしまったら、分かり合えない。 相手を分析していたはずなのに、その特徴が先行し、あとから総合的判断をしてしまう。 相手の中にあるものを見出そうとしていたのに…

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7日前
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シャボン玉#短編未満6

あなたは、シャボン玉みたいだね。周りに流されながら、それに上手く乗ってしまう。ふわふわと。捕まえようにも捕まえられない。捕まえた。そう思ったら、いなくなってしま…

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10日前

『世界の適切な保存』永井玲衣 講談社#書評未満1

ただ、目の前に、存在しているだけ。 私たちは、ただ存在しているものに対して、なぜ?と問いはじめる。 問うてしまったら、最後。その問いの渦から抜け出すことはできない…

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13日前
1

能動的な音、受動的な音#2哲学未満

カランからん、からん。 夏らしい音が聞こえた。音は僕が作った。この音は夏じゃなくたって作れる。けれど、夏だからこそやりたいんだ、そう思った。 アイスコーヒーは、…

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2週間前
2

僕は意識を保有しているけど、あなたは持っているのだろうか?#哲学未満1

意識とは何か?と考えた時、人間にしか意識はないのかという問いへと進んでいく。どうやら意識は意識自体を意識可能である何かであるらしい。私は考えたので、それが存在す…

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2週間前
3

月を見ると思い出す#短編未満5

今やっている習慣は、いつから行っているのだろうか。鏡の前でリップを塗りながら、思い出してみた。 元カノにプレゼントとしてもらったリップクリーム。別れたときに元カ…

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2週間前
3

ダイエットをするように #短編未満4

言葉は何のためにあるのかと問われたとき、何と答えるだろうか?多くの人は他者とコミュニケーションを図るために言葉が生まれたと答えるが、現代科学は内省するためである…

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3週間前
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2020年という病

 2020年という後遺症を今なお引きづっている。コロナによって自分と社会の受難の年だった。  グラントは、種の絶滅に対してシニカルにかつ冷静に受け止めた。恐竜が絶滅…

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1か月前
10

旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満3

旅をする。いつもと違う在り方で。 再帰代名詞って自己を対象にするんだよ、受動態とはわけが違う。 コーヒーを浴びるように飲む生活が嫌になって、移動をしようとした。 …

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1か月前
2

旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満2

旅をする。いつもと違う在り方で。 突き出しで出されたキャベツが固い。 前の恋人との思い出の場所に再訪する。僕の半分と彼女の半分を持った人を待つことができなかった。…

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1か月前
2

旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満1

旅をする。いつもと違う在り方で。 サラダ記念日にふさわしいのはマカロニサラダだと語る彼。 ブランドしか着ないんだと言って、いつもユニクロばかり着るあの人。 高い…

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1か月前
5

人生に価値が無いとしたら、我々は生を諦めるか。

以下の文章は学術的な知見に基づかないため、誤解を招く可能性があります。自己判断の上で、お読みください。 私は経済学史を勉強している。古典派経済学特に、アダムスミ…

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1年前
5

書評『slowdown減速する素晴らしき世界 』ダニー・ドーリング

『slowdown減速する素晴らしき世界』 ダニー・ドーリング スローダウンのイメージはどのようなものだろうか。スローな生活や丁寧な暮らしなど、都市の競争社会から離れた…

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2年前
5

翠とオーバーヒート

 何を書けばいいのだろうか。いつも思う。noteを書くことを決めて、noteを開く。他人の文章を読みながらネタを探す。正確には違う。  書きたいことは決まっている。自分…

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2年前
5

とりあえず、とりあえず

書き始める。とりあえず、書いてから内容は考えることにした。noteでなくても良かった。でも、noteを開いてしまったから書くしかない。書くだけ書いてみる、まとまりがなか…

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2年前
4

むだい、大学3年生

今日はゆっくりした日を過ごした。久しぶりに土日が休みだから、金曜日にやることを分散できた結果だろう。今後は土日作業を分散させるような予定を立てていかないと心が現…

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2年前
4
分かってしまったら、分かり合えない。#哲学未満3

分かってしまったら、分かり合えない。#哲学未満3

分かってしまったら、分かり合えない。
相手を分析していたはずなのに、その特徴が先行し、あとから総合的判断をしてしまう。
相手の中にあるものを見出そうとしていたのに、相手の中にあるものを取りだして、再度相手に付与してしまう。いつしか、付与した属性だけを考えて相手をその実在と異なる相手として作り上げてしまう。

僕が見ているあなたは、僕が作り出したあなたに過ぎないかもしれない。いつもと違うあなたは、僕

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シャボン玉#短編未満6

シャボン玉#短編未満6

あなたは、シャボン玉みたいだね。周りに流されながら、それに上手く乗ってしまう。ふわふわと。捕まえようにも捕まえられない。捕まえた。そう思ったら、いなくなってしまい、最初から存在していなかったかのように振る舞うから、手のひらに付着した冷たさだけが、確かにそこに、シャボン玉はあったのだと教えてくれる。あー、もう一回捕まえたくなる。

『世界の適切な保存』永井玲衣 講談社#書評未満1

『世界の適切な保存』永井玲衣 講談社#書評未満1

ただ、目の前に、存在しているだけ。
私たちは、ただ存在しているものに対して、なぜ?と問いはじめる。
問うてしまったら、最後。その問いの渦から抜け出すことはできない。
『世界の適切な保存』は、ただ存在しているものへの問いであふれている。その問いは今ある世界の形への疑問だけでなく、なぜ違う世界ではあり得なかったのかという問いへと拡張されていく。
外部の存在物への疑義は、自己もまた存在物であるという気付

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能動的な音、受動的な音#2哲学未満

カランからん、からん。

夏らしい音が聞こえた。音は僕が作った。この音は夏じゃなくたって作れる。けれど、夏だからこそやりたいんだ、そう思った。

アイスコーヒーは、雑味が少ない。それでいて、味が確定していない。ある人は、アイスコーヒーは一晩寝して飲むのが上手いと語る。

世界は音に溢れている。サブスクの音楽だけじゃない。snsを開けば投稿と紐づいた音楽が流れる。学校のチャイム、トラックが曲がる音、

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僕は意識を保有しているけど、あなたは持っているのだろうか?#哲学未満1

僕は意識を保有しているけど、あなたは持っているのだろうか?#哲学未満1

意識とは何か?と考えた時、人間にしか意識はないのかという問いへと進んでいく。どうやら意識は意識自体を意識可能である何かであるらしい。私は考えたので、それが存在するようだ。

人間の身体がアミノ酸によって構成されている。他のアミノ酸で構成されている有機物に意識はないのだろうか。人間は何らかのインプットに対してアウトプットを出力するスイッチかもしれない。では、電気をオン・オフする際にそこに意識は宿らな

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月を見ると思い出す#短編未満5

月を見ると思い出す#短編未満5

今やっている習慣は、いつから行っているのだろうか。鏡の前でリップを塗りながら、思い出してみた。

元カノにプレゼントとしてもらったリップクリーム。別れたときに元カノのものは全部処分したけど、リップクリームだけは使い続けていた。使い終わったあとに、自分で色々試したあと、お気に入りのリップに出会い、元カノのお陰で、この習慣を続けている。

別れたというよりも、彼女はいなくなった。忘れられなくて、彼女の

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ダイエットをするように #短編未満4

言葉は何のためにあるのかと問われたとき、何と答えるだろうか?多くの人は他者とコミュニケーションを図るために言葉が生まれたと答えるが、現代科学は内省するためであると答える。

言葉を使うように強制されたことは一度もないし、言葉を使うことを決心したわけでもない。ただ言葉があって、使うことができる言葉があっただけだった。

「あ、これね。肝機能が悪いね。ダイエットした方が良いよ。体重落とそうか。」
健康

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2020年という病

2020年という病

 2020年という後遺症を今なお引きづっている。コロナによって自分と社会の受難の年だった。

 グラントは、種の絶滅に対してシニカルにかつ冷静に受け止めた。恐竜が絶滅してしまったように、僕らは何ら偶然的に存在し、偶然的に絶滅してしまうだろうと言うことを受け入れた。それは、ヘーゲルなどの哲学者が人間が一つの完成した姿であるとしたことと違い、人類が最高の状態でもなんでもなく、人類を他の種からの特権的位

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旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満3

旅をする。いつもと違う在り方で。
再帰代名詞って自己を対象にするんだよ、受動態とはわけが違う。
コーヒーを浴びるように飲む生活が嫌になって、移動をしようとした。
ずっと目的地につかない方が、安心できる。そんな旅にしたかった。
観光はしない。移動をする。この目標だけを持って、家を出た。
旅をする。いつもと違う在り方で。

旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満2

旅をする。いつもと違う在り方で。
突き出しで出されたキャベツが固い。
前の恋人との思い出の場所に再訪する。僕の半分と彼女の半分を持った人を待つことができなかった。
「だしの味しかしないカレーうどんが好き」
意味不明なことをいう彼女を思い、京都でカレーうどんを食べる。
旅をする。いつもと違う在り方で。

旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満1

旅をする。いつもと違う在り方で。

サラダ記念日にふさわしいのはマカロニサラダだと語る彼。

ブランドしか着ないんだと言って、いつもユニクロばかり着るあの人。

高い物は買えないんだよねと言いながら、iPhoneproでラインをする彼女。

ほろ酔いはジュースと言って、カルーアミルクばかり飲むあの子。

旅をする。いつもと違う在り方で。

人生に価値が無いとしたら、我々は生を諦めるか。

人生に価値が無いとしたら、我々は生を諦めるか。

以下の文章は学術的な知見に基づかないため、誤解を招く可能性があります。自己判断の上で、お読みください。

私は経済学史を勉強している。古典派経済学特に、アダムスミスやマルクスは価値を2つの意味に使い分ける。一つ目は、使用価値である。これは「特定物の効用を表わす」(1)ものである。例えば、ペンの使用価値は書けるという価値である。2つ目は交換価値である。これは、「他の商品と一定の比率で互いに交換しうる

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書評『slowdown減速する素晴らしき世界 』ダニー・ドーリング

書評『slowdown減速する素晴らしき世界 』ダニー・ドーリング

『slowdown減速する素晴らしき世界』 ダニー・ドーリング

スローダウンのイメージはどのようなものだろうか。スローな生活や丁寧な暮らしなど、都市の競争社会から離れた暮らし方で想起されるだろう。若い人はスローな生活を求めて地方に移住しているなど、ニュースに取り上げられることも多い。勿論、本書でも若者がスローな生活をしていることに触れている。しかし、本書で考えられているスローダウンは、上記のスロ

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翠とオーバーヒート

翠とオーバーヒート

 何を書けばいいのだろうか。いつも思う。noteを書くことを決めて、noteを開く。他人の文章を読みながらネタを探す。正確には違う。
 書きたいことは決まっている。自分が書くことがこれでいいのだと思い切るまでに時間が掛かる。ただそれだけなのだろう。フォローしている人のnoteが更新されていた。名古屋に行ったらしい。それも予定も組まずに。計画的無計画らしい。おそらく今自分がやっていることは、彼(彼女

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とりあえず、とりあえず

書き始める。とりあえず、書いてから内容は考えることにした。noteでなくても良かった。でも、noteを開いてしまったから書くしかない。書くだけ書いてみる、まとまりがなかったら?
それでもとりあえず書いて投稿ボタンを押すことが今回の目的。まとまりが無くたっていい。どうせみんな着飾っているだけだから。着飾る必要はない。これはtwitterのように有限性のある媒体ではない。けれども無限性があるとは限らな

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むだい、大学3年生

今日はゆっくりした日を過ごした。久しぶりに土日が休みだから、金曜日にやることを分散できた結果だろう。今後は土日作業を分散させるような予定を立てていかないと心が現象に向かないと日々感じる。

大学3年生になった。なったのではない、成らされたという表現の方が適切かもしれない。自分の意志で選んでいないどうしようもなさに周囲の時計の針だけが先に進んでいる感覚を抱く。自分の時計は止まっているわけではない、た

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