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対話の場・実践レポート

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実際に行っているワークショップ・戦略的な話し合いのレポートをこちらにまとめています。
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#ワークショップ

「ただいま」といえる場所は、人生にいくつあってもいい

「ただいま」といえる場所は、人生にいくつあってもいい

「おかえり」「ただいま」

各地で、仕事の目的地よりちょっと足を伸ばして寄るまちがあります。そこにある居酒屋で、マスターや常連が笑顔で私に向かって「おっ、おかえり」と言いながら、中ジョッキを掲げます。そしたら、私は「ただいま」と言うんです。そこには、なんとも、くすぐったいような、幸せがあります。

私は仕事が全国で、こういう場所がいくつかあります。地域によって違って、商店街、居酒屋、本屋、肉屋、新

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対話のための映画「もりのこえん」をつくりました

対話のための映画「もりのこえん」をつくりました

新しい映画をつくりました。それは新作というだけではなく、「対話用映画」という、ジャンルとして新しい映画だと思います。

視聴後に、全員で対話の場をもつことを前提に作られた映画です。子どもが置かれた環境や、里山でのまちづくり、人と自然の共生について、多様な利害関係者が深い対話をするためのワークショップ進行表、問いかけのスライドも提供します。

また、「上映会」を自らオーガナイズするというのは、自分の

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内から外へと共にはたらく|「指導」から「見守り」へ

内から外へと共にはたらく|「指導」から「見守り」へ

気づけばもう2023も1ヶ月。今年の仕事の方向性と目標を考えるきっかけとなった仕事があったので、そのことについてふりかえります。

2023年明け、最初の大仕事はこちら。

主催は公益財団法人札幌国際プラザ。その伴走役として、一般社団法人サステナビリティダイアログのチームで参加しました。チームの皆さんに心から感謝です。



今回は、小学校6年生と参加型リーダーシップと、観察に基づく社会デザイン

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「しつけ」から「見守り」へ|”宇宙船地球号ミッション”でこどもたちが置かれている環境を変えたい

「しつけ」から「見守り」へ|”宇宙船地球号ミッション”でこどもたちが置かれている環境を変えたい


宇宙船地球号ミッション🌏⚡️🚀そんなミッションのもと、科学コミュニケーション、対話、デザイン思考などを2日間で横断的に体験を通じて学ぶ、小学生向けゲーム型ワークショップが、「宇宙船地球号ミッション!」です。

はじまり〜いま
この事業は、最初、2019年、札幌市事業としてはじまりました。「コロナの環境下でも、子どもたちが主体になって楽しくつながりながら、SDGs・環境について学べないか。」

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親子の生き方・はたらき方の選択肢をひらく学びの場を共につくる/高崎市PTA連合会

親子の生き方・はたらき方の選択肢をひらく学びの場を共につくる/高崎市PTA連合会

高崎市PTA連合会でのワークショップでした。アツかった…!(いろんな意味で

会場はなつかしい中央公民館。小中学生のときに、となりの少年科学館によく来てました。はじめてプラネタリウムを見た場所。こういうふうに帰ってくることは想像していませんでした。

今回、市内各中学校のPTAから50名ほどの保護者の方が参加しました。

目的は、子どもたちの生き方・はたらき方の選択肢を広げるために、保護者の私たち

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どっさりラボってなんだよ

どっさりラボってなんだよ

今調べてびっくりしたんですがもう10年前、自分が若手公務員だった時に、「関東自主研サミット」という取組に参加して、衝撃を受けたことがあります。

自分にとっては、それは、「自主的な勉強会をがんばる公務員が全国各地でつながって、グッドプラクティスを交換するための機会」でした。ほんとにびっくりワクワクした。こんな素敵な人たちが、工夫して賢く変化を起こしているんだ。いろんな人のストーリーを聞いてみて、な

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今こそ暮らしにアートを取り戻す時だ

今こそ暮らしにアートを取り戻す時だ

昨年参加させていただいたアーツ前橋「Artist in School」事業が、学校の先生向けの報告書になりました。写真はねいくん、文章は西ちゃんです。ぜひご覧くださいね。

人間が日々の「なんとなく繰り返す振る舞い」は、それらが意図を持って鍛錬されるとき、違った呼び方をされる。

体の動きは、ダンスになる。
呼吸は、ヨガになる。
お茶の一杯は、茶道になる。
話し合いは、ダイアログになる。

それら

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市民の声をつないでつくる地域の未来。「どっさりラボ」に来ませんか。

市民の声をつないでつくる地域の未来。「どっさりラボ」に来ませんか。

このしばらく、寝る間を惜しんで準備を進めているプロジェクトがあります。それが公開になったので、よかったら少し見てください。

こんな感じのなんです。

詳しいことは公式の案内をみてもらうとして、私からのお呼びかけはこうです。

あなたは地方議員さんとお話ししたことありますか。私はあります。ただ、あまり私は「議員」という肩書きを持つ人たちに対して、あまりいい印象を持ってきませんでした。

もちろん全

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市民のものがたりをつなぐ。「みんなの富岡フォト&エピソード展」の裏話(前編)

市民のものがたりをつなぐ。「みんなの富岡フォト&エピソード展」の裏話(前編)

とある地域の観光協会の話が、まったく「にぎわい」や観光客を生み出す気のない取組をしています。

群馬県富岡市。世界遺産・富岡製糸場を擁する、人口5万人ほどの群馬県西部のまちです。そこにある富岡市観光協会が今回のお話。

事実から紹介すると、そのまちでは、2014年の富岡製糸場の世界遺産登録によって、観光客数が爆発的に伸びました。

そしていま、それがジェットコースターを降りているところにあります。

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沖縄の共同売店と、北海道の商店街の話をしよう

沖縄の共同売店と、北海道の商店街の話をしよう

インターローカルの学びの場インターローカルの学びに今関心があります。それは個人同士ではなく、コミュニティー同士が学び合う機会を作ることだと考えています。
いくつかの地域を横断してはたらく中で、「この人たちとあの人たちが大切な話をしたらお互いにとってギフトになるのでは」と思う機会がしょっちゅうあるのがきっかけです。

そこで、今回初めてやってみています。今回は沖縄(うるま市ほか)と北海道(江別市)。

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こたえのないものをともにつくる|アーツ前橋アーティスト・イン・スクール

こたえのないものをともにつくる|アーツ前橋アーティスト・イン・スクール

前橋の高校で二日間にわたってのアート思考と対話の参加型授業をやってきました。

見た目には、体育館で身体や絵を使った遊びをしました。

ねらいは、「こたえのないものをともにつくる」ための練習の仕方を知ること。

みんなで納得できるように、こたえのないものをともにつくろうとする時、“こうすべき”は役に立たない。ひとりひとりの“ほしいもの・したいこと”の積み上げで、納得できるものが生まれる。

そこで

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高校生と、対話と表現をまなぶ|アーツ前橋アーティスト・イン・スクール

高校生と、対話と表現をまなぶ|アーツ前橋アーティスト・イン・スクール

空が広すぎて向こう側まで見えそうだ。

あ、業務日誌です。

前橋市内の高校で、対話と表現を学ぶ場をつくるための打ち合わせでした。夏休み中なので、しずかな校舎。真っ青に突き抜けた空から、教室へ白く光が差し込む。テニスコートから軟式ボールがスコーンと打たれる音が響くと、緑が揺れて、木漏れ日がちらついた。

校舎を歩いて生徒のみんなと会う。和太鼓部のみんなは休憩中だったのに、誰かもわからない私たちの顔

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先が見えない中で、望む変化を共に描く。富岡市×NPO法人DNA「未来の教室」キックオフミーティング

先が見えない中で、望む変化を共に描く。富岡市×NPO法人DNA「未来の教室」キックオフミーティング

富岡市にて、「2020年度富岡市人財育成支援事業」キックオフミーティングが行われました。今回参加したのは、富岡市「まちなかにぎわい課」のみなさんと、NPO法人DNAのメンバーおよびサポーター数名です。

富岡市人財育成支援事業とは、富岡市における授業「未来の教室」をはじめとする一連の取組のことです。2018年度から始まって、今年で3年目。今年の3月までは地域づくり課が所管し、今年の4月からは「まち

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科学による地震予測×共助する暮らし|愛知県東浦町・大学連携ワークショップ

科学による地震予測×共助する暮らし|愛知県東浦町・大学連携ワークショップ

台風、地震による津波、火山の噴火……日本は世界でもトップクラスの自然災害大国です。

特に大地震は死者・行方不明者数が圧倒的に多く、その被害は深刻なものです。2011年の東日本大震災から一気に防災への意識は高まったように感じられますが、「いざ自分たちの暮らす地域に大きな災害が起こったとき、どうすればよいのか」を即答するのは難しいのではないでしょうか。

災害の被害を予測するツールの一つとして、現在

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