どっかの誰か

ゆるりゆるりのどっかの小娘。 一応都内でマスコミ関連のお仕事してます。約1ヶ月の休職を…

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ゆるりゆるりのどっかの小娘。 一応都内でマスコミ関連のお仕事してます。約1ヶ月の休職を経て復帰。何の変哲もない思考のメモ代わり。 よろしくです。

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寂しさと隣り合わせの四半世紀~あとがき~

ふつうの家族ってなんだろう。 人生の節々で、そんなことを考えていた。 社会人になって一年、ほんの僅かな休職期間中の暇つぶしにと思って始めたこの企画、予想以上に色…

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共犯

眩しい。 白いセメントで固められた堤防から、曇り空にも関わらず嫌というほど強く太陽の力を感じる。熱も光も。小雨の隙間を薄日が揺らぐ。 堤防から見下ろした海はどこ…

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正しい別れ方

かつての恋人が住んでいた街。 別れた、それを行かない理由にするのは癪で、いらない未練をたらたら引きずりながらこの1年で何度か訪れた。ばったり会う可能性は十分にあっ…

どっかの誰か
2週間前
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今日の夜に限って。

運が良い、と思うのに、今日ばかりは1年に1回あるかないかの運の悪さ具合を発揮している。 平日のど真ん中で取った有休は、朝から自分のための時間に使うのと、弾丸実家に…

どっかの誰か
1か月前
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日曜の夜

夏のじめじめした空気が肌にまとわりつく不快感とともに、私の機嫌も不穏な空気をまとい、一向に軽やかになる気配はない。話せば話すほど距離が遠のくのを感じながら、また…

どっかの誰か
1か月前
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『書くこと』を仕事にするということ

新年度、マスコミ・広告・出版業界には多くの『書くこと』を好む新入社員が集まる。 一概に『書くこと』と言ってもその幅はとても広い。 例えば新聞記者やライターはあり…

どっかの誰か
3か月前
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意味のないこと。そもそも意味っているのかな。

パソコンを開く。先日急に思い立って応募しようとした出版社主催の新人賞に向けた文章を進めようとするが、こういう締切間近な時に限って私の頭は別の言葉を並べ立てて吐き…

どっかの誰か
4か月前
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分からないことだらけの世界。

多分もう、会うことのない彼のことを考える。 何故あんなにも執着していたのか。何故あんなにも好きだと感じていたのか。何故あんなにも尽くせたのか。 分からないことだら…

どっかの誰か
4か月前
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【紀行】福島浜通りの旅〜復興とは、「忘れない」ことなのか?請戸小学校編〜

5年前に福島を訪れた時はまだ常磐線が冨岡駅までしか繋がっておらず、隣の夜ノ森駅から先は立ち入ることができなかった。 そこから月日が流れ、常磐線も全線開通した今の…

どっかの誰か
6か月前
10

【紀行】福島浜通りの旅〜復興とは、元通りの姿に戻すことなのか?伝承館編〜

5年前に福島を訪れた時はまだ常磐線が冨岡駅までしか繋がっておらず、隣の夜ノ森駅から先は立ち入ることができなかった。 そこから月日が流れ、常磐線も全線開通した今の…

どっかの誰か
8か月前
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【読書日記】『傲慢と善良』自己嫌悪と不甲斐なさに溺れた週末

「結婚する前に絶対読んでください」という既婚者からの熱弁どこの本屋に行っても必ず最も目立つ位置に陳列されていると言っても過言ではない程、おそらく誰もが目にしたこ…

どっかの誰か
8か月前
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【LIGHTHOUSE視聴レポ】自戒と学びについて

Netflixで配信中の、星野源さんとオードリーの若林さん出演のトーク番組『LIGHTHOUSE』をイッキ見してしまった。 別にどちらのタレントも特段好きという訳でもなく、ただ…

どっかの誰か
10か月前
9

【生き様】に惚れ、勇気をもらい、見せてゆく。

5年前に別れてしまった人と会った翌日、ポレポレ東中野で上映中の『ミャンマー・ダイアリーズ』を観てきた。 2021年2月にミャンマーで起きたクーデター直後の様子を収めた…

どっかの誰か
11か月前
10

母との最後の晩餐、ワインデキャンタを2人で嗜む。そして仕事の話をする。

色々とあり、一人暮らしを再開した。 ▼色々 出戻り娘を快く迎え入れてくれた母と、「もう一緒に住むことはないかもね」とくすぐったい気持ちで笑い合いながら、地元の小…

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PRパーソンは嫌われがちだが、誰かを救う仕事はしていたい

ドキュメンタリー映像作家 久保田徹さんと、ロヒンギャ人権活動家 長谷川留理華さんの対談イベント『POLARIS Ⅵ』に参加。 ちょうど、本当に狙ったんじゃないかと疑ってし…

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学生時代に作っていた雑誌が、社会人になった今でも一番好きな雑誌。

『BACKPACKER』 学生時代に両足どっぷり浸かって授業もそっちのけで、ひたすら思考と書くことに時間を費やしていた。執念に近い。おかげで毎年必修授業を落として、引退後…

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寂しさと隣り合わせの四半世紀~あとがき~

寂しさと隣り合わせの四半世紀~あとがき~

ふつうの家族ってなんだろう。
人生の節々で、そんなことを考えていた。

社会人になって一年、ほんの僅かな休職期間中の暇つぶしにと思って始めたこの企画、予想以上に色んなことを思い出す時間となった。

正直、保育園や小学生の頃のことなんて曖昧な記憶だし、大学生の時に家出していたこともつい最近まで忘れていた。そういう性格なのだ、昔から。嫌なこと苦しいことはすぐに忘れてしまう。

それでも正体不明の寂しさ

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共犯

共犯

眩しい。
白いセメントで固められた堤防から、曇り空にも関わらず嫌というほど強く太陽の力を感じる。熱も光も。小雨の隙間を薄日が揺らぐ。

堤防から見下ろした海はどこまでも広くて、あたりは波の音と鳥のさえずりだけに包まれている。人が生活しなくなってから13年が経ったこの地域は自然でいっぱいなのに、その原因は震えるくらい人工的だった。

どうして私はひとりで生きられないの。自分の世話すらまともにできない

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正しい別れ方

かつての恋人が住んでいた街。
別れた、それを行かない理由にするのは癪で、いらない未練をたらたら引きずりながらこの1年で何度か訪れた。ばったり会う可能性は十分にあったものの、これまで上手い具合にやり過ごしてきた。

もうかつての恋人のもとには戻らずに済むだろう、そう思ってふらっと出向いた矢先、あの人に連れていかれた店であの人に出くわした。私が好きだったシャツに、お気に入りのトートバッグを肩から下げた

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今日の夜に限って。

運が良い、と思うのに、今日ばかりは1年に1回あるかないかの運の悪さ具合を発揮している。

平日のど真ん中で取った有休は、朝から自分のための時間に使うのと、弾丸実家に帰り、母と散歩しながら思いつきでカラオケに入って夜は久しぶりに親子ふたりで料理をして専門店で買った美味しいチーズを食べるなどする、とても良い優雅な1日になる、はずだった。

ダラダラしすぎた私は電車で人混みに揺られて帰るのが億劫になり、

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日曜の夜

日曜の夜

夏のじめじめした空気が肌にまとわりつく不快感とともに、私の機嫌も不穏な空気をまとい、一向に軽やかになる気配はない。話せば話すほど距離が遠のくのを感じながら、また引きつった笑顔で相槌を打つ。

価値観の違い、視座の違い、好みの違い、色々あるけれど、そのどれもが今から埋めることは難しくて、25年間、30年間それぞれが歩んで築いてきた己の土台は、しっかりと踏み固められている。

幸せ、と声に出すと、防音

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『書くこと』を仕事にするということ

新年度、マスコミ・広告・出版業界には多くの『書くこと』を好む新入社員が集まる。

一概に『書くこと』と言ってもその幅はとても広い。
例えば新聞記者やライターはありのままを報道として限られた紙面や字数の中で伝える要点整理能力、さらには日刊(webの場合もあるが)というスピードが重要視される一方で、広告代理店のコピーライターは一つのお題に対して、日常的に接している何かからほんの僅かでも手がかりを得られ

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意味のないこと。そもそも意味っているのかな。

パソコンを開く。先日急に思い立って応募しようとした出版社主催の新人賞に向けた文章を進めようとするが、こういう締切間近な時に限って私の頭は別の言葉を並べ立てて吐き出そうとする。

なんてこった。厄介だ。

昨日、会社の同僚と飲みに行ったら、
「君のチームは口を開けば恋愛の話をしているね」
と、言われた。
きっと彼は、「君のチームは全員女性だからみんな恋愛の話が大好きで、女子会みたいな雑談を繰り広げて

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分からないことだらけの世界。

多分もう、会うことのない彼のことを考える。
何故あんなにも執着していたのか。何故あんなにも好きだと感じていたのか。何故あんなにも尽くせたのか。
分からないことだらけだ。

分からないと言えば、この世は分からないことで溢れている。
例えば、久しぶりの知り合いが急に投資話を持ち出してきたり。
例えば、おとなしく敷かれたレールの上を歩いていると思っていた高校の同級生が役者の卵になっていたり。
例えば、渋

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【紀行】福島浜通りの旅〜復興とは、「忘れない」ことなのか?請戸小学校編〜

【紀行】福島浜通りの旅〜復興とは、「忘れない」ことなのか?請戸小学校編〜

5年前に福島を訪れた時はまだ常磐線が冨岡駅までしか繋がっておらず、隣の夜ノ森駅から先は立ち入ることができなかった。

そこから月日が流れ、常磐線も全線開通した今の福島を見ようと思い、常磐線をひたすら北上する旅を決行した。

奇跡の学校「震災遺構・浪江町立請戸小学校」
なぜ全員が無事避難できたのか?福島県浪江町に、東日本大震災による地震・津波の被害を大きく受けたにも関わらず、生徒・教員を含め全員が無

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【紀行】福島浜通りの旅〜復興とは、元通りの姿に戻すことなのか?伝承館編〜

【紀行】福島浜通りの旅〜復興とは、元通りの姿に戻すことなのか?伝承館編〜

5年前に福島を訪れた時はまだ常磐線が冨岡駅までしか繋がっておらず、隣の夜ノ森駅から先は立ち入ることができなかった。

そこから月日が流れ、常磐線も全線開通した今の福島を見ようと思い、常磐線をひたすら北上する旅を決行した。

福島原子力発電所にほど近い双葉町に、地震や津波、原発被害を後世に伝えるための「東日本大震災・原子力災害伝承館」というものがある。
津波や原子力建屋の爆発映像といった衝撃的な映像

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【読書日記】『傲慢と善良』自己嫌悪と不甲斐なさに溺れた週末

【読書日記】『傲慢と善良』自己嫌悪と不甲斐なさに溺れた週末

「結婚する前に絶対読んでください」という既婚者からの熱弁どこの本屋に行っても必ず最も目立つ位置に陳列されていると言っても過言ではない程、おそらく誰もが目にしたことがあるだろう。
ずっと気になっていたけれど、こんなにもみんなが口を揃えて激推ししている小説を手に取れない天邪鬼な私だったが、社内で唯一、年次の壁を超えてサシ飲みする仲の既婚者である後輩から、「結婚する前に絶対読んでほしい」と熱弁されたこと

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【LIGHTHOUSE視聴レポ】自戒と学びについて

【LIGHTHOUSE視聴レポ】自戒と学びについて

Netflixで配信中の、星野源さんとオードリーの若林さん出演のトーク番組『LIGHTHOUSE』をイッキ見してしまった。

別にどちらのタレントも特段好きという訳でもなく、ただ久しぶりの何も予定のない休日に気になっていた番組を作業傍ら流し見しよう、くらいの気持ちで再生したことを後悔。
思いっきり最後まで画面釘付けで声出して笑いながら観てしまった。

★以下ネタバレも含むので注意★

お二人の人柄

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【生き様】に惚れ、勇気をもらい、見せてゆく。

【生き様】に惚れ、勇気をもらい、見せてゆく。

5年前に別れてしまった人と会った翌日、ポレポレ東中野で上映中の『ミャンマー・ダイアリーズ』を観てきた。
2021年2月にミャンマーで起きたクーデター直後の様子を収めたドキュメンタリー作品だ。

先日行った『せんそうって』にも繋がるが、こうしてキーボードに指を滑らせている今この時も、闘っている人がいる。
頭では分かっているし事実だと認識できているのに、何も出来ない。何もしようとしていない。そんな自分

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母との最後の晩餐、ワインデキャンタを2人で嗜む。そして仕事の話をする。

母との最後の晩餐、ワインデキャンタを2人で嗜む。そして仕事の話をする。

色々とあり、一人暮らしを再開した。
▼色々

出戻り娘を快く迎え入れてくれた母と、「もう一緒に住むことはないかもね」とくすぐったい気持ちで笑い合いながら、地元の小さなレストランへと足を向けた。

社会人になってから、未だに現役バリバリで働いている母と話すのが一層楽しくなった。
時には良きルームメイトとして、時には母として接してもらいながらも、やっぱり社会人の先輩後輩として話している時間も好きだ。

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PRパーソンは嫌われがちだが、誰かを救う仕事はしていたい

PRパーソンは嫌われがちだが、誰かを救う仕事はしていたい

ドキュメンタリー映像作家 久保田徹さんと、ロヒンギャ人権活動家 長谷川留理華さんの対談イベント『POLARIS Ⅵ』に参加。

ちょうど、本当に狙ったんじゃないかと疑ってしまうくらいのタイミングで仕事の電話が入り対応に追われてしまったため、冒頭の久保田さんの自己紹介と最後の質疑応答しか聞けず、肝心の対談を逃してしまったことが悔しすぎるので、これは後日アーカイブで見ることとする。絶対。

ほんの僅か

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学生時代に作っていた雑誌が、社会人になった今でも一番好きな雑誌。

学生時代に作っていた雑誌が、社会人になった今でも一番好きな雑誌。

『BACKPACKER』

学生時代に両足どっぷり浸かって授業もそっちのけで、ひたすら思考と書くことに時間を費やしていた。執念に近い。おかげで毎年必修授業を落として、引退後の卒業間際に単位回収に勤しむ学生生活だった。

先日、後輩が開催していた『celca』というイベントに顔を出してきた。
スペイン語で「近い」を意味する“cerca”と、「自撮り」を意味する“セルカ”を掛け合わせ、色んな国の子供た

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