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エッセイ

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ノンフィクション、実録エピソードです。生きづらさ、自己肯定感、悩みが中心。
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#子育てママ

私は段取りができない

私は段取りができない

 ああ。今日という日が来てしまった。夏至? 満月? 大祓? どれも違う。本日21日は、クラウドファンディングで購入したサウナチケットの有効期限だったのだ。

 私は段取りができない。前の記事で「私は料理ができない」と書いたが、じゃあ一体私にできることってなんだろう? 少なくとも息はできる。排泄もできる。……これ以上はやめておこう。ただでさえ〇毛ヘア(夫から「ネットで陰〇とか書かないで!」と頼まれた

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クソな現実は酒と夢小説でふきとばせ

クソな現実は酒と夢小説でふきとばせ

【趣味全開】二次創作の長編を完結させるという偉業

ある夢小説サイトの、長編作品が完結した。ジャンルはH×H(界隈では「狩人」とぼかします)で、相手は私の最推しであるイルミ(界隈では「📍」と呼ばれます)である。

それは完結まで数年かかった超大作で、たぶん文字数にすると10万文字くらい。本当にすごいことだ。

二次創作サイトで読める長編作品には、圧倒的に未完結の方が多い。小学生の頃から布団の中で

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家の前に痰が吐かれるんだが……

家の前に痰が吐かれるんだが……

 家の前に痰が吐かれるようになってから、3ヶ月が過ぎた。

 そいつは朝に現れる。長男と夫が家を出る7時半には吐かれていない。保育園に長女と次女を連れて行く時間帯になると、必ず家の前に泡立った白いヤツが鎮座している。初めは1ヶ月おき、そして1週間おきになった。

 その度に、エントランスにいるマンションの管理人さんに掃除を依頼する。彼は愚痴を言うと必ず「僕が勤務してた前のマンションなんてね、他人の

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ベランダで一日を始めてみたら、いつもの朝が激変した

ベランダで一日を始めてみたら、いつもの朝が激変した

ワーキングマザーにとって最もHPが削られる時間帯は、平日の朝だ。

事件は母親が起きた瞬間から始まる。リビングではYouTubeを観ている娘や、隠れてゲームをやっていた息子が出現する。未就学児は「スカートじゃないと嫌だ(保育園ではNGだってば)」「牛乳が飲みたい(もれなく零す)」など、身勝手な要求のコンボを繰り出してくる。こちらは「始業時間あるいは会議の時間」というタイムアタックが、時限爆弾のよう

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「何も学ばない」を学んでみる

「何も学ばない」を学んでみる

「また出たよ、1月恒例のお題が……」

そう思った人も多いのではないだろうか。今回の「今年学べたいこと」のように、「今年こそ」系は1月には多く見かける。

少しだけ思い返してほしい。果たして「今年学びたいこと」に掲げたことが、「今年学べたこと」として、年末に振り返ることができただろうか。

私の経験から話すと、ほぼない。
1月に立てた目標なんて、きれいさっぱり忘れているからだ。

じゃあ、目標を立

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【その悩み、あの画家と一緒です】ルソー、モネ、ゴーギャンの「つらみ」を徹底解析!

【その悩み、あの画家と一緒です】ルソー、モネ、ゴーギャンの「つらみ」を徹底解析!

今でこそ巨匠で知られる画家たちも、私たち一般人と似た悩みを抱えていた。例えば、以下のように。

・モネとルノワールは貧乏で、お金のために好きな絵ばかり描けない境遇を嘆いた
・フェルメールは副業で絵を描き、本業と十四人の育児をしながら時間をひねり出していた
・ゴッホは片思いと失恋を繰り返しては、落ち込んで仕事が全く手につかなくなっていた

確かに、彼らは絵で悩んだこともあった。けれど、それと同じくら

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【エッセイ】育児と仕事に疲れたママ、アートと恋と酒で癒される。モリゾやゴッホ、ロートレックと驚きの共通点

【エッセイ】育児と仕事に疲れたママ、アートと恋と酒で癒される。モリゾやゴッホ、ロートレックと驚きの共通点

(1)ママのときめき。もしもの世界と、モリゾの慕情 おそらく誰もが旅行へ出かけて、
「もし、自分がここに住んでいたら、どんな暮らしをしているだろう」と、想像を膨らませたことがあるんじゃないだろうか。

 それは、ドイツの車窓で目に入ってきた、一面の雪景色に埋もれた、世界に忘れられたかのような一軒家が目に入った時かもしれない。あるいは、日本のど田舎で、どの家からも離れた場所に、箱庭のような小学校を見

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【エッセイ】1000人に1人の難病

【エッセイ】1000人に1人の難病

あれは長男が五歳になった、夏の終わり。彼の闘病生活が三年目を迎えた頃だった。小児科外来の待合室で、長男の名前が呼ばれた。スマホで動物の動画を観続ける長男を引きずるようにして、私は診察室へ入っていった。白い壁、白いベッド、白衣を着た初老の先生。毎度おなじみの光景だ。前触れなく急変する長男の体調とは正反対で、心休まる場所だった。そのはずだった。

私たちが腰掛けると、先生はにこやかに長男へ尋ねた。

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