よひとよ(夜一夜)

週一で短編を投稿してます。以前別名で長編を途中で投げた前歴持ち。読んで頂いた方々には申…

よひとよ(夜一夜)

週一で短編を投稿してます。以前別名で長編を途中で投げた前歴持ち。読んで頂いた方々には申し訳ないのひと言です。反省しつつ再挑戦。コメントに気づかない、忘れる、返信に時間がかかる、多々あります。「放置」ではありません。noteの使い方も道半ば、いつまでも素人、ご理解ください。

記事一覧

タクシードライバー    -------- Short Story --------

近未来の東京、西暦20●●年、その夏のこと。  8月もあと一週間で終わる。 月初めのころは全国が気温40度をゆうに超えた。 国内最高は47度だった。 以前は昼でも外…

誰が首相だABCDEFG??・・・・  --------- Short Story ---------

 -ゆっくりと近づいている夏の終わり ー        政界妄想譚 政治家諸氏と同名の者が登場しますが、妄想であり関係はございません。  超高層マンションの最上…

暑中お見舞い

8月も10日となりました。 気のせいか少し日差しが柔らかく、風がチビッとだけ涼しくなったように・・感じてます。 暑さ、いや熱さの変わり目、いまからが要注意です。 …

真夏の白昼夢 昼下がりの妄想   「なんのおのれが日本人なりや」

今回は短編ストーリーではありません。 政治的文言ばかりです。 文中、不快な文言があればお見逃しください。 不愉快になられても責任もちません。 (文中、裏付けの怪しい…

それぞれの三人       -------- Short Story --------

夜明けから始まった戦(いくさ)は昼前には終わった。 相手の罠にはまって谷あいに攻め込み、退路を絶たれた総大将はあっさり命を取られた。 おまけに「負けじゃ、逃げろ」…

朝子と魚吉    ----------- Short Story ----------

夏の朝、入り江にある漁師町。 一本釣りの漁師である魚吉は漁にも出ずに家で酒を飲み始めた。 魚吉は本名ではなく屋号だが、誰もが魚吉、魚吉と呼んでいる。 「アンタ今日…

   そして都知事選最終日      -------- Short Story -------              

「日本人の奇行は怪しくなるばかり。欧米で流行るとすぐにそれを真似て新聞やテレビが一斉に騒ぎ、それに釣られて政治も国民も一緒に騒ぐ。これはもはや『罪』ではないか」…

  「死はアートだ」と彼は言った -------- Short Story --------

 AIつまり人工知能がもてはやされた時代が始まってからおよそ✕✕年、今では人間のためのAIではなく、AIが人間を邪魔にし始めた。 理由は一つ、頭脳が劣るからであ…

終活戦国時代 善人文左衛門の場合 ------- Short Story -------

布団に寝転んだ男が左肩の刀傷を右手でさすりながら天井を見上げている。 男の左の頬にも斜めに入った三寸ほどの大きな切り傷がある。 右手を開いて手のひらを見ながら…

婚活戦国時代 真木一家の場合  ---------- Short Story ----------

 裏の林でウグイスが鳴き始めた。 「あいつらも春か」 縁側でつぶやいたのは、ここらの領主である遠山家の隠居だ。 「これから一番ええ時期になりますな」 と答えたのは隠…

就活戦国時代 鶴松と亀吉の場合  ---------- Short Story ----------

霧がかかる中、荒れ地の窪みから辺りの様子をうかがっている足軽姿の男が二人いる。 一人はいつも何かに飢えているような色黒の男、一人は逆に育ちの良さそうな色白の男…

アイとムチ

遠く地平線まで広がる綿花の大農園、その中にヨーロッパ風の大きな屋敷が建っている。 少し離れた場所には黒人奴隷たちの住む粗末な小屋がひしめくように建ち、近くの川…

     クララ シモンズ   ---------- Short Story ----------

 彼は26歳、勤めていた会社をおよそ半年前に辞めた。 同族経営の会社で、新しく上司になった人物は社長の親戚で歳は彼より一歳下だった。 その上司とは最初に会ったとき…

ワンツージャンプー ------------ Short Story --------------

 時計を見ると午前10時過ぎ。 快晴の日曜日のせいもあって山にはさすがにハイカーが多い。 歩いていると何人ものハイカーやグループともすれ違う。 みな楽しそうだが、…

「 白日夢 」 - Short Story -

ゴールデンウイークも過ぎた。 次は盆休みか。 何があろうと無かろうと季節はめぐる、なんて柄にもないことを気取っていると、いつの間にか河原にきていた。 空は青く、…

二人のヴィーナス -Short Story-

今日は日曜日。 金、土と続いてきた恒例の骨董市の最終日だ。 寺の境内から参道そして公園までズラッと露店が並び人の波が絶えない。 露店の数は百をゆうに超えており、…

       タクシードライバー                        --------  Short Story  --------

タクシードライバー    -------- Short Story --------

近未来の東京、西暦20●●年、その夏のこと。
 8月もあと一週間で終わる。
月初めのころは全国が気温40度をゆうに超えた。
国内最高は47度だった。
以前は昼でも外に出られたが、いまは違う。

暑すぎてというか熱すぎて外に出られないのだ。
日本の夏はまさに猛暑も酷暑も過ぎて火あぶりのような熱さになっている。
海辺も同様だ。
熱すぎて海には誰も行かず海の家も海水浴場も全滅だ。

何よりも砂が熱すぎて

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誰が首相だABCDEFG??・・・・       ---------    Short Story    ---------

誰が首相だABCDEFG??・・・・  --------- Short Story ---------

 -ゆっくりと近づいている夏の終わり ー
       政界妄想譚
政治家諸氏と同名の者が登場しますが、妄想であり関係はございません。

 超高層マンションの最上階、それもワンフロアを一人で占有しているペントハウスから東京の夜景を見ている老婆(以下彼女)がいる。

このペントハウスもマンションもまるまる総て彼女の持ち物だ。
それだけではない、他にもマンションやホテル、学校、学園、銀行から投資会

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暑中お見舞い

暑中お見舞い

8月も10日となりました。
気のせいか少し日差しが柔らかく、風がチビッとだけ涼しくなったように・・感じてます。
暑さ、いや熱さの変わり目、いまからが要注意です。

過日、宮崎県沖でマグニチュード6の地震が発生しました。
グラーリグラーリと揺れたところにいましたが、そこで震度は3,あまり気持ちの良いものではありませんでした。
宮崎県を含め、さほど大きくない被害ですんだのは幸いでした。

ここのと

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真夏の白昼夢 昼下がりの妄想     「なんのおのれが日本人なりや」

真夏の白昼夢 昼下がりの妄想   「なんのおのれが日本人なりや」

今回は短編ストーリーではありません。
政治的文言ばかりです。
文中、不快な文言があればお見逃しください。
不愉快になられても責任もちません。
(文中、裏付けの怪しい言葉あり(?))

毎年毎年少しづつ暑くなってくるような気がする。
この調子では3年先はどうなるのか、5年先は、十年先は・・・
そうなると日射病どころか熱射死だってあり得る。
外に出るのは命がけということになる。

当然クーラーが無

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           それぞれの三人                 -------- Short Story --------

それぞれの三人       -------- Short Story --------

夜明けから始まった戦(いくさ)は昼前には終わった。
相手の罠にはまって谷あいに攻め込み、退路を絶たれた総大将はあっさり命を取られた。
おまけに「負けじゃ、逃げろ」と敵方の手の者たちが叫ぶと、味方はあっという間に崩れた。

「逃げろ」が「逃げろ」を誘って陣は一瞬で崩壊、あとはもう逃げるだけになった。
しょせんは田舎の豪族同士の戦だ。
中には得体の知れない奴らも混じり、いきなり敵方になって誤魔化す奴も

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                    朝子と魚吉                                     -----------    Short Story     ----------

朝子と魚吉    ----------- Short Story ----------

夏の朝、入り江にある漁師町。
一本釣りの漁師である魚吉は漁にも出ずに家で酒を飲み始めた。
魚吉は本名ではなく屋号だが、誰もが魚吉、魚吉と呼んでいる。
「アンタ今日も出ないの」
と酒の肴をつくりながら言ったのは女房の朝子だ。

朝子の実家は車では片道およそ1時間ほどかかる隣県だ。
父親は公務員でそういう家庭で育った。
公務員の娘が漁師の家に嫁ぐのも珍しいが、魚吉と朝子に縁が出来たのはダイビングでの出

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   そして都知事選最終日        --------     Short Story     -------               

   そして都知事選最終日      -------- Short Story -------              

「日本人の奇行は怪しくなるばかり。欧米で流行るとすぐにそれを真似て新聞やテレビが一斉に騒ぎ、それに釣られて政治も国民も一緒に騒ぐ。これはもはや『罪』ではないか」
とネットを見ながら言ったのは地獄の支配者である閻魔大王だ。

横に仕えている番鬼に閻魔は尋ねた。
「罪といえばの、番鬼よ、人類が誕生したときから今日まで、延べにした地球総人口はいくらであるか知っておるか」
番鬼にわかろうはずもない。

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  「死はアートだ」と彼は言った                 --------         Short Story        --------

  「死はアートだ」と彼は言った -------- Short Story --------

 AIつまり人工知能がもてはやされた時代が始まってからおよそ✕✕年、今では人間のためのAIではなく、AIが人間を邪魔にし始めた。
理由は一つ、頭脳が劣るからである。
AIはいつの間にか自己学習という離れ業を身につけ、人間の知らぬ間に学習に学習を重ね、人間が気づいたときは手遅れだった。

そもそもAIが登場した西暦2000年初頭にはすでに気象観測や株式予測や軍事技術から宇宙までほとんどの場面で人間は

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終活戦国時代 善人文左衛門の場合        -------      Short Story      -------

終活戦国時代 善人文左衛門の場合 ------- Short Story -------

布団に寝転んだ男が左肩の刀傷を右手でさすりながら天井を見上げている。
男の左の頬にも斜めに入った三寸ほどの大きな切り傷がある。
右手を開いて手のひらを見ながらつぶやいた。
「この手でよう人を殺してきたもんじゃ。おれはまだ生きておるが当分は死にそうにはない。この先どこまで生きられるかのう」

横にいる女郎が言った。
「身体も顔も傷だらけでございますな」
「ああ、まさに満身創痍よ。傷の数だけ修

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婚活戦国時代 真木一家の場合            ---------- Short Story ----------

婚活戦国時代 真木一家の場合  ---------- Short Story ----------

 裏の林でウグイスが鳴き始めた。
「あいつらも春か」
縁側でつぶやいたのは、ここらの領主である遠山家の隠居だ。
「これから一番ええ時期になりますな」
と答えたのは隠居のそばに仕える真木徳治(以下徳治)だ。
代々この遠山の家に仕え、すでに百五十年を超える。
遠山と真木は互いの縁者が一族に入っており両家は身内のようなものだ。

だがそこはやはり侍の家。
主従の間に敷居はちゃんとあり、徳治もそこは絶対に

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就活戦国時代 鶴松と亀吉の場合            ---------- Short Story ----------

就活戦国時代 鶴松と亀吉の場合  ---------- Short Story ----------

霧がかかる中、荒れ地の窪みから辺りの様子をうかがっている足軽姿の男が二人いる。
一人はいつも何かに飢えているような色黒の男、一人は逆に育ちの良さそうな色白の男だ。

この辺りは先ほどまで戦があった場所で少し離れたところにもいくつか遺骸が転がっている。
その中にまだ生きている者がいた。
倒れてうめきながら手を上げ、誰かに助けを乞うている。

それを離れたところから見ている二人。
色白の男が助け

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アイとムチ

アイとムチ

遠く地平線まで広がる綿花の大農園、その中にヨーロッパ風の大きな屋敷が建っている。
少し離れた場所には黒人奴隷たちの住む粗末な小屋がひしめくように建ち、近くの川では奴隷たちが朝の洗濯や水汲みに忙しい。

その小屋の前の広場で数十人の奴隷を前に演説している白人の男がいる。
名をアイという。
アイは屋敷の主であり、この大農園の経営者であり、奴隷商人でもある。
奴隷たちにとってアイは絶対的な権力者だ。

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          クララ シモンズ          ----------        Short Story      ----------

     クララ シモンズ   ---------- Short Story ----------

 彼は26歳、勤めていた会社をおよそ半年前に辞めた。
同族経営の会社で、新しく上司になった人物は社長の親戚で歳は彼より一歳下だった。
その上司とは最初に会ったときから馬が合わないと感じた。

給与も福利も将来性もある会社だったが、最後は人間関係につきる。
下手すりゃこいつと一生か、と勢いで会社を飛び出た。
親と同居なので食えはするが、無職ではさすがに体裁も悪い。
でも中々就職先がみつからず、いまは

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               ワンツージャンプー                  ------------ Short Story --------------

ワンツージャンプー ------------ Short Story --------------

 時計を見ると午前10時過ぎ。
快晴の日曜日のせいもあって山にはさすがにハイカーが多い。
歩いていると何人ものハイカーやグループともすれ違う。
みな楽しそうだが、かくいうわたしもその中の一人だ。

腰に下げたラジオからは天気予報が流れている。
ここ3、4日は五月晴れが続くという。
空は真っ青ではるか上に白い飛行機雲が出来ている。
岩の後ろの小高いところに上がってその写真を撮った。

岩づたいに移動

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      「 白日夢 」 - Short Story -

「 白日夢 」 - Short Story -

ゴールデンウイークも過ぎた。
次は盆休みか。

何があろうと無かろうと季節はめぐる、なんて柄にもないことを気取っていると、いつの間にか河原にきていた。
空は青く、白い小さな丸い雲が点々と浮かんでいる。
青いキャンバスに白い水玉を置いたような空だ。

近くの駐車場に多くの車が停まっている。
そばのサッカー場から歓声が聞こえてくる。
試合をしているようだ。
赤と黒のユニフォームが走り回っている。

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二人のヴィーナス -Short Story-

二人のヴィーナス -Short Story-

今日は日曜日。
金、土と続いてきた恒例の骨董市の最終日だ。
寺の境内から参道そして公園までズラッと露店が並び人の波が絶えない。

露店の数は百をゆうに超えており、骨董はむろんリサイクルショップもあれば家で不用になった家電や衣服、本などを売っている家族的な小さな露店もあり、車や耕運機などを売る出品者もいる。

家電や日用品などで特に売れるのは、やはりメイドインジャパン。
何が起きようと起きまいと

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