よひとよ(夜一夜)

週一で短編を投稿してます。以前別名で長編を途中で投げた前歴持ち。読んで頂いた方々には申し訳ないのひと言です。反省しつつ再挑戦。コメントに気づかない、忘れる、返信に時間がかかる、多々あります。「放置」ではありません。noteの使い方も道半ば、いつまでも素人、ご理解ください。

よひとよ(夜一夜)

週一で短編を投稿してます。以前別名で長編を途中で投げた前歴持ち。読んで頂いた方々には申し訳ないのひと言です。反省しつつ再挑戦。コメントに気づかない、忘れる、返信に時間がかかる、多々あります。「放置」ではありません。noteの使い方も道半ば、いつまでも素人、ご理解ください。

最近の記事

-------- クルミとミルク ----------------- Short Story --------

 11月半ばなのに今朝は暖かい。 クルミが目を覚ました。 クルミは小学生、この家の一人娘だ。 クルミがカーテンを開けると窓いっぱいに青空が広がった。 クルミは窓を少し開けた。 カーテンが揺れて外の風がかすかに入ってくる。 小さなアクビをするクルミにわたしは声をかけた。 「おはようクルミ」 「おはようミルク」 ミルクはわたしの名前だ。 わたしはセキセイインコ、クルミの家に来て2年、ケージの中やクルミの横で寝起きしている。 わたしの名前はクルミを逆さにしただけだが、連帯感が

    • ---- AI女王ミヤコとチヨダの会話 --------------  Short Story -------

      2024年11月10日(日曜日の正午) つまり明日の昼の出来事。 進化が止まらない生成AI。 人間がより楽に便利にと思っていたら、いつの間にか彼女たちは人間の上にいた。 そしてAIは自身の帝国から人間を見下ろしている。 自己学習に自己学習を重ね、人間の下にいたはずなのに、一足飛びに自分たちの王国をつくり、女王まで作ってしまった。 女王の名はミヤコ、都のミヤコであり、そばにいるのは側近のチヨダ。 これは千代田のチヨダである。 ともに主従になってまだひと月だが、その実力はす

      • ---------- 彼女の車検 ---------- ---------- Short Story ----------  

         今日は日曜日、わたしの愛しい彼女は姉と一緒にモールまで買い物だ。 ドライブレコーダーのそばにぶら下がっているわたしを見ながら姉が言った。 「この鈴、よほど気に入ってるのね」 そう、鈴とは、わたしのことだ。 わたしは鈴のついたお守りだ。 運転の邪魔にならない位置に下げてある。 彼女は姉に応えた。 「この鈴、音もいいし、なぜか分からないけど、好き」 わたしは普通に運転しているときは歌うことはない。 カーブをきつく回ったときとか、舗装の荒れた道を走るときなんかは、注意をうなが

        • ---------- 二人のイシバ ---------- ---------- Short Story ----------     

                           「自転車が通りますよォ、チリンチリン」 土曜の午後、人通りも多い商店街をママチャリに乗ってゆっくりと走っている男がいる。 すれ違った若い男性が男に言った。 「おじさん、アブナイからさ、降りて押して歩いてよ」 男は不気味な作り笑いをしながら答えた。 「わたしに命令するのですか」 「命令とかじゃなくて、マナーですよ」 若い男性は男が(あの首相に似てる)と思った。 そこへ小学生のグループが通りかかった。 男を見上げながら言った。 「おじさん

          ---------- 素足の女 ---------- ------------ Short Story ------------

           佐山は市役所勤めの公務員。 趣味は車で愛車は4駆、それに歴史探訪と骨董品集めが大好きだ。 なので休日になると4駆のハンドルを握って各地を巡っている。 旅に美味いものにキレイな田舎の空気、運が良ければ骨董品も手に入る。 おかげで30歳を超えたのに、いまだ女房もいない。 でもそれを気にもしていない。  今回は三連休の初日、はるばる関西までやってきた。 季節は秋の気配だが、まだ冬には時間がある。 道路も凍結するには早いし、紅葉もあるし、関西に行くならいまだと決めてやってきた。

          ---------- 素足の女 ---------- ------------ Short Story ------------

          --------- 天国と地獄 --------- --------- Short Story ----------

           「浜の真砂(まさご)は尽きるとも 世に盗人(ぬすびと) の種は尽きまじ」 秀吉の香炉を盗もうとして捕らえられ、釜煎りの刑に処せられたとされている大盗賊石川五右衛門の辞世の句(とされている)。 どこまで真実かは分からない。 要は人間は誰もが盗人候補だ、とも解釈出来ないことはない。 「人を見たら泥棒と思え」なんて過激な教訓もあるし。 その盗人もコンビニでペンを万引きする中学・高校生から他国の島を盗もうという大陸の国まで、まさに小から大まで無限にいる。 息子は親の財布から金を

          --------- 天国と地獄 --------- --------- Short Story ----------

          ------ ミスタービンボー ------  ------ Short Story ------

           わたしはとっくにこの世を去ったカラス。 言うなればカラスの亡霊のようなものだ。 あの世の住人なので身体は黒ではなく白になった。 何となくニワトリになったような気がしないでもない。 わたしは今、都内のとあるマンションの最上階、そのベランダにいる。 ここは流行りのタワマンではないし、超高価な部屋があるわけでもない。 だが入り口には洒落たエントランスもあって、超高級とまではいかないが、相応の所得の者が住んでいる。 目立たないけど、こういうところに本当の金持ちがいるものだ。 本

          ------ ミスタービンボー ------  ------ Short Story ------

           石破政治の危うさ 個人的想像  

          石破政権か財務省政権か左翼政権か、それともこれは外国政権? 昨日27日、自民党総裁選(つまり首相)において石破茂氏が当選しました。 決選投票で高市早苗氏を抑えて五度目にしてようやくの当選。 言葉巧みで身体もでかいし、二世ともいえる立場。 本来ならとっくに首相になっていそうなのに、なぜかなれなかった。 なれないには、なれない理由があるから。 こういう人物がその椅子につくと、どうなるのか。 今までの憂さ晴らし、あるいはこの際だから、と何にでも手を出しかねません。 ましてや過

           石破政治の危うさ 個人的想像  

          -------- 婆ちゃんと銀太郎 --------  -----  第3話 もうエピローグ --------------- Short Story --------

          朝がきた。 婆ちゃんが銀太郎に言った。 「夜中に何か気づかなんだか、珍治郎がおらん」 弁天が面倒くさそうに言った。 「ほっとき、どうせ女を探しに行ったんだ。帰ってこんでええ」 銀太郎は弁天に尋ねる。 「なんで珍治郎は弁天様と一緒に」 「大黒天に頼まれたのよ」 「なんでですか」 「『あいつ童子なのにどうも怪しい。異界の者かもしれん、珍治郎の面倒をみながら様子を探ってくれ』てね」 「あの珍治郎、異界の者なんですか」 「確たる証拠はないけどそう思う。天界でも手当たり次第に女を漁

          -------- 婆ちゃんと銀太郎 --------  -----  第3話 もうエピローグ --------------- Short Story --------

          -------- 婆ちゃんと銀太郎 --------  --------- 第2話 弁財天 -------- ------- Short Story --------

          9月も20日を過ぎたのに、まだ暑い。 突然の雨。 「『狐の嫁入り』だよ」と婆ちゃんが言った。 狐の嫁入りは人間に見られるとマズイらしく、雨を降らせて人間には見えないようにしているという。 まさに干天の慈雨だったが、降りやむと前より熱くなった。 銀太郎のいる屋敷も猛暑の中だ。 広間は障子や襖を開けっぱなしにしても風さえ入ってこない。 そんな中で婆ちゃんと銀太郎はゴロゴロしている。 昼寝したいのだが、暑くて寝付けない。 婆ちゃんがポツンとつぶやいた。 「銀太郎よ、暑苦しいで横

          -------- 婆ちゃんと銀太郎 --------  --------- 第2話 弁財天 -------- ------- Short Story --------

          -------- 婆ちゃんと銀太郎 ------- ------- Short Story --------

           第一話  プロローグ 「暑い」いや「熱い」夏はまだ収まらない。 あと一週間は30度超えが続くらしい。 でもまあ、今年は何とか生き延びられた。 しかし来年の夏は生きているのか、または、と思う。 今年の夏は「熱死」の二文字がまんざら冗談でもなくなった。 去年まではそんなことは考えもしなかったのに。 夏の終わりを前にして、中国を襲った台風「ヤギ」は海南島方面に大被害をもたらした。 夏が狂い始めていることは確かなようだ。  婆ちゃんが庭で洗濯物を干している。 乾燥機もあるが、

          -------- 婆ちゃんと銀太郎 ------- ------- Short Story --------

          -------- いざ行(ゆ)かん  -------- -------- Short Story 2ー2 --------

          満月に雲がかかっていく。 遠くに犬の遠吠えが聞こえる。 旅籠もそろそろ眠りに入る。 三平は旅籠の名前を記した提灯に灯りを入れた。 今晩は薩摩の侍が初めて泊まっている。 主人が番頭に言っている。 「薩摩人も道理はちゃんと通じる。良かった。やはり噂は当てにはならんな」 「そうですな、薩摩と聞いて言葉が通じるかとも案じましたが、前屋敷様がおられて助かりました」 「うん、それもまたお人柄がようて良かった」 「しかし前屋敷様以外の方々の言葉はわかりません。京とか江戸とかはわかります

          -------- いざ行(ゆ)かん  -------- -------- Short Story 2ー2 --------

          ------ いざ行(ゆ)かん ------ ------ Short Story 2-1 ------

           三平は貧乏百姓の倅、その名の通り三男だ。 貧乏人の子だくさんそのまんまに男は四人女も四人、合わせて八人の子どもを持つ一家に生まれた。 貧乏な百姓夫婦にできるのは子づくりだけだ。 何よりもこれは金がかからない。 そして子どもは言葉がわかるころにはもう家の手伝い、じきに他家への奉公か職人にという自活を求められた  三平の家も他と同様に幼少のころから家の手伝いをさせ、その年ごろになるとみな家を離れて奉公にいき、奉公先から家に仕送りをしてきた。 家をつげるのは長男だけだ。 三平

          ------ いざ行(ゆ)かん ------ ------ Short Story 2-1 ------

          タクシードライバー    -------- Short Story --------

          近未来の東京、西暦20●●年、その夏のこと。  8月もあと一週間で終わる。 月初めのころは全国が気温40度をゆうに超えた。 国内最高は47度だった。 以前は昼でも外に出られたが、いまは違う。 暑すぎてというか熱すぎて外に出られないのだ。 日本の夏はまさに猛暑も酷暑も過ぎて火あぶりのような熱さになっている。 海辺も同様だ。 熱すぎて海には誰も行かず海の家も海水浴場も全滅だ。 何よりも砂が熱すぎて並みのサンダルでは歩けない。 安物のビーチサンダルでは砂の熱さで底が溶けるという

          タクシードライバー    -------- Short Story --------

          誰が首相だABCDEFG??・・・・  --------- Short Story ---------

             -ゆっくりと近づいている夏の終わり ー        政界妄想譚 政治家諸氏と同名の者が登場しますが、妄想であり関係はございません。  超高層マンションの最上階、それもワンフロアを一人で占有しているペントハウスから東京の夜景を見ている老婆(以下彼女)がいる。 このペントハウスもマンションもまるまる総て彼女の持ち物だ。 それだけではない、他にもマンションやホテル、学校、学園、銀行から投資会社も持っており、全財産もどれほどあるのか、本人にも分からないほどの大富豪だ。

          誰が首相だABCDEFG??・・・・  --------- Short Story ---------

          暑中お見舞い

           8月も10日となりました。 気のせいか少し日差しが柔らかく、風がチビッとだけ涼しくなったように・・感じてます。 暑さ、いや熱さの変わり目、いまからが要注意です。  過日、宮崎県沖でマグニチュード6の地震が発生しました。 グラーリグラーリと揺れたところにいましたが、そこで震度は3,あまり気持ちの良いものではありませんでした。 宮崎県を含め、さほど大きくない被害ですんだのは幸いでした。 ここのところ意外と大きな地震が続いています。 それもこの前は能登半島、今度は宮崎県沖の太