よひとよ(夜一夜)
週一で短編を投稿してます。以前別名で長編を途中で投げた前歴持ち。読んで頂いた方々には申し訳ないのひと言です。反省しつつ再挑戦。コメントに気づかない、忘れる、返信に時間がかかる、多々あります。「放置」ではありません。noteの使い方も道半ば、いつまでも素人、ご理解ください。
最近の記事
---------- 素足の女 ---------- ------------ Short Story ------------
佐山は市役所勤めの公務員。 趣味は車で愛車は4駆、それに歴史探訪と骨董品集めが大好きだ。 なので休日になると4駆のハンドルを握って各地を巡っている。 旅に美味いものにキレイな田舎の空気、運が良ければ骨董品も手に入る。 おかげで30歳を超えたのに、いまだ女房もいない。 でもそれを気にもしていない。 今回は三連休の初日、はるばる関西までやってきた。 季節は秋の気配だが、まだ冬には時間がある。 道路も凍結するには早いし、紅葉もあるし、関西に行くならいまだと決めてやってきた。
-------- 婆ちゃんと銀太郎 -------- ----- 第3話 もうエピローグ --------------- Short Story --------
朝がきた。 婆ちゃんが銀太郎に言った。 「夜中に何か気づかなんだか、珍治郎がおらん」 弁天が面倒くさそうに言った。 「ほっとき、どうせ女を探しに行ったんだ。帰ってこんでええ」 銀太郎は弁天に尋ねる。 「なんで珍治郎は弁天様と一緒に」 「大黒天に頼まれたのよ」 「なんでですか」 「『あいつ童子なのにどうも怪しい。異界の者かもしれん、珍治郎の面倒をみながら様子を探ってくれ』てね」 「あの珍治郎、異界の者なんですか」 「確たる証拠はないけどそう思う。天界でも手当たり次第に女を漁
-------- 婆ちゃんと銀太郎 -------- --------- 第2話 弁財天 -------- ------- Short Story --------
9月も20日を過ぎたのに、まだ暑い。 突然の雨。 「『狐の嫁入り』だよ」と婆ちゃんが言った。 狐の嫁入りは人間に見られるとマズイらしく、雨を降らせて人間には見えないようにしているという。 まさに干天の慈雨だったが、降りやむと前より熱くなった。 銀太郎のいる屋敷も猛暑の中だ。 広間は障子や襖を開けっぱなしにしても風さえ入ってこない。 そんな中で婆ちゃんと銀太郎はゴロゴロしている。 昼寝したいのだが、暑くて寝付けない。 婆ちゃんがポツンとつぶやいた。 「銀太郎よ、暑苦しいで横