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マネーの哲学:「お金」と清く正しく美しく向き合う知性

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全ての物質は時間と共にやがて朽ちる。しかし、増減こそすれど価値まで失わない「お金」は、「複利」と並ぶ人類史上最大の発明品といわれる。 20世紀初頭に「自由貨幣」を提唱したドイツの… もっと読む
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2021年3月の記事一覧

庵野秀明監督と不動産運用

庵野秀明監督と不動産運用

◉切っ掛けは、こちらのツイート。庵野秀明監督が雑誌BRUTUSのインタビューで、不動産運用で『シン・エヴァンゲリオン』の制作費の一部を運用しているという話題。インタビュー自体は去年の話だったのですが、ここに来て掘り起こされたようで。個人的に興味深い内容なので、あれこれツイートしたのですが。反響があったので、大幅に加筆修正して、まとめ直してみました。

持ちビルというのは銀行からの融資の、担保になる

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同調圧力を逆手にとる。「身近な5人の平均年収が自分の年収」を利用する。

同調圧力を逆手にとる。「身近な5人の平均年収が自分の年収」を利用する。

「身近な5人の平均年収が自分の年収」という法則を知ったのは20歳の頃で、タイトルは忘れたけど当時読んでいた本に書いてあった。その頃は地元の塾でバイトしていたから、その言葉の意味が分からなかった。

「身近な5人なんて、大学の友達に決まってるじゃないか。平均取ったら50万とか、多くても100万でしょ。だってバイトなんだから。」

あれから4年たった今、僕は執筆という仕事で飯を食っている。そしてこの「

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ファン500人を抱えると、生きていける。

ファン500人を抱えると、生きていける。

最近、興味深い記事に出会いました。

note編集部の記事に、ゲームジャーナリスト・批評家のJiniさんのnoteが紹介されていました。

Jiniさんを簡単に紹介すると.....

noteでは、定期購読マガジン『ゲームゼミ』を運営されています。月額480円で、ゲーム好きのための本気のゲーム論を語る記事を投稿されています。有料購読者数は、800人を超えています。(2021年3月現在)

つまり、

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お金を使って楽しむことに罪悪感をおぼえていた私へ

お金を使って楽しむことに罪悪感をおぼえていた私へ

25才の1月。
社畜だった私は新卒で勤めた会社を辞め、次の仕事につくまでの間に、なんとなく台湾に遊びに行くことにした。

次の仕事や将来の目標も、何も決まっていない。
お先真っ暗とはまさに今である。

ただ「どうせならゆっくりすれば」という母の助言と、なけなしの退職金が台湾への往復航空券代とぴったりだったから、行ってみることにしただけ。
そんな適当な決断だった。

台湾は、一般的にどういう理解がさ

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「無料」を疑う人

「無料」を疑う人

いま世の中には「無料サービス」が溢れていて、こんな時代がくるなんてすごいことだけど、もちろんそこには無償から利益に結びつく仕組みがある。

それは「無料提供」ということを広告的に狙っていることもあれば、コストを度外視してまず使ってみて欲しいということを地道にやり続けてあとから利益がついきたということもある。

そこで、大切なことなんだけど、

あなたの周りの人に「無料サービスに対してどう思うか」を

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「消費税」と認知バイアス

「消費税」と認知バイアス

認知バイアスとは、人間が共通に持っている、物事を判断する際のくせのようなものです。そのせいで誰もが、特定の物事に対して、同じような判断をし、それはときに非合理です。

このノートでは、消費税が「消費」税に――つまり消費者が払っているように――誰の目にも見えるのは、この認知バイアスのせいだろうということを説明します。

簡単な認知バイアスの例認知バイアスを体感してみましょう。次の質問に直感的にパッと

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〈名言〉

『富は宝を所有することではなく、それを使用するところにある。』

〜ナポレオン・ボナパルト〜

(フランスの軍人・政治家)

宵越しの金はもたねぇ~

宵越しの金はもたねぇ~

昔から親父は財布を持ったことがない。

現金を持ったら持っただけポケットに入れる。お札だろうが、小銭だろうがお構いなしだ。もちろんクレジットカード等のカードも持ったことがない。

子供の時に思った事がある。

何故親父は、財布をもたないのだろう?

時代がそういう時代だったのだと言えば、そうなのかもしれないけれど、そのまま現在に至るまで財布を持つことはない

仕事も真面目にするけど、ギャンブルも大

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生きたお金の使い方/死んだお金の使い方

生きたお金の使い方/死んだお金の使い方

戒めのためにもこの時期改めて言葉にしておこうと思った「お金の話」。今年で5期目を迎えるNue incですが1期目で身を以てお金のことを学びました。お金の使い方には「生きた使い方」と「死んだ使い方」があるということ。

お金を腐らせるという言葉はよく聞きます。でも、実際この意味を想像してみると不思議な言葉です。物理的なお金は腐るわけない。しかし、生物のような表現がされています。でも、本当に腐りました

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英ポンドはなぜ評価されているのか~3つの理由~

英ポンドはなぜ評価されているのか~3つの理由~

ポンド急騰の理由
年初来、金融市場では米金利、米株、そして米ドルのトリプル高が基本的な傾向として続いています。米国経済の力強さに鑑みれば、それ自体、違和感のない動きですが、その中で唯一気を吐いている主要通貨があります。それが英ポンドです。年初2か月間で見るとポンドは対ドルでも+2%以上上昇しています。本稿執筆時点で米ドルで最もリターンの高い主要通貨です。名実ともにEUを離脱したことの悪影響は今後、

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#51 医師が覗き見る「日本社会のイマ」

#51 医師が覗き見る「日本社会のイマ」

数ヶ月前に友人から『現在はバブルと思いませんか?』と言われたのだが、正直、気にもしていなかった。しかし、ここに来て、バブルではないかという議論が噴出してきた。今回は80年代のバブルについて覗き見、ザックリであるのだが、思い出も述べてみる。

元FRBグリーンスパン議長の『バブルは崩壊して初めてバブルとわかる』という言葉が度々繰り返されている。
PBR、PERを持ち出して、過去のバブルに比べて極めて

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