大谷八千代

物語とエッセイ、イラスト。”複雑なことを童話のように表現したい”。難しい言葉を使わずに…

大谷八千代

物語とエッセイ、イラスト。”複雑なことを童話のように表現したい”。難しい言葉を使わずに、子どもにも大人にも響く文章を書きたいと思っています。2020年度千葉日報社主催「第62回千葉児童文学賞受賞」https://ootani-yatiyo.jimdofree.com/

記事一覧

【詩】翼をもがないでくれ。足を折らせてくれよ。

私の翼をもがないでくれ。 私が飛んでいこうとするとき、あなたは必ず、翼を奪った。 「お前なんかに出来るはずない」 呪詛の言葉で、翼を重い鉛に変えた。 私の頭の中に入…

大谷八千代
16時間前
29

やっぱ書くの好きだなあ。時間があると書いちゃうわ

31

浮かんだ言葉をただ書く

流れる。流れる。気持ち。川。流す。何でも。何でも流す。一緒に流す。時に立ち止まる。口ごもる。ゴモラとソドム。ゴモラの子供たちは踊る。ソドムの子どもたちの上で踊る…

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創作大賞の中間選考を通過しました。「閉鎖病棟の窓から青空を見てた」というエッセイです。誰もに響く話じゃなくても、誰かの心に深く届くように書いたエッセイ。見つけていただいたことに、胸が熱くなっている。矢のように飛んでいけ、私のエッセイ。

大谷八千代
12日前
68

八千代の文字ラジオ9/16

こんばんは。大谷八千代です。 ラジオのように、一発録り書き直しなしの一筆書きでお送りする文字ラジオ。三連休の最終日の夜、皆様、いかがお過ごしでしょうか。 りーり…

大谷八千代
2週間前
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友達は最後に私に何を言いたかったのかな

私には、umi no otoさんという友達がいる。 noteで知り合った友達だ。 とてもいい絵を描く。 umi no otoさんは、去年の夏、9月12日に亡くなってしまった。 がんの闘病の末…

大谷八千代
2週間前
95

八千代の文字ラジオ8/24

こんばんは。大谷八千代です。 ラジオのように、一発録り書き直しなしの一筆書きでお送りする文字ラジオ。今宵は、きなこ色のメイと共にお送りします。 今日は、初の試み二…

大谷八千代
1か月前
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八千代の文字ラジオ8/23

こんばんは。大谷八千代です。 先月にこそっと始めた今宵の文字ラジオ。 ラジオの収録のように、一発録り書き直しなしの一筆書きでお送りする、文学的な、あまりに文学的な…

大谷八千代
1か月前
35

夏の海ひねもすのたりのたりかな

大谷八千代
1か月前
41

今宵の八千代ラジオ

こんばんは。大谷八千代です。 …スタエフでラジオ収録するみたいに、文字で書けないかなと思いついただけなんです。 最初、「今宵の文字ラジオ」ってタイトルにしたんです…

大谷八千代
2か月前
38

元ガーデン雑誌編集者が、自宅に草の庭をつくりながら、思うこと

わたしは、今、自宅に「草の庭」をつくっている。 昭和の劇作家、寺山修司は、「書を捨てよ町へ出よう」と言ったが、令和の今日、私は、パソコンを閉じて、庭に出る。 …

大谷八千代
2か月前
98

創作大賞応募作【閉鎖病棟から青空を見ていた】を紹介いただきました

自分にとことん向き合って書いた、「閉鎖病棟から青空を見ていた」が、紹介されました。創作大賞応募作です。#創作大賞 #エッセイ部門の急上昇にものったので 、想像したよ…

大谷八千代
3か月前
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閉鎖病棟の窓から、青空を見てた

つい、かっこつけた文を書いてしまう。 賢く思われようとする心。 教えたがろうとする心。 慰めてもらおうとする心。 全部バレバレ。 本当は、ちゃんと、伝えたいことがあ…

大谷八千代
3か月前
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露の恋歌

露 暁けぬれば 儚くならむ ぼくだけど 覚めることなき 夏萩への恋 萩 重いのね あとを残さぬ 露だから 落ちた恋ゆえ 覚めなきゃ冷める

大谷八千代
3か月前
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てるてる頭の天使てんこちゃん①

てんこちゃんは、てるてる坊主頭の天使です。 なぜ、髪の毛がないの? それはね。 夜に貸しているから。 実は、 てんこちゃんの髪の毛はとってもきれいな夜色なんだ。カ…

大谷八千代
3か月前
35

うちの庭は、草の庭。
月見草の灯る庭。

大谷八千代
3か月前
50
【詩】翼をもがないでくれ。足を折らせてくれよ。

【詩】翼をもがないでくれ。足を折らせてくれよ。

私の翼をもがないでくれ。
私が飛んでいこうとするとき、あなたは必ず、翼を奪った。
「お前なんかに出来るはずない」
呪詛の言葉で、翼を重い鉛に変えた。
私の頭の中に入ってきて、柔らかい心をぐちゃぐちゃにした。
いつしか、私の声なのか、あなたの声なのか、わからなくなってしまった。
私は、あなたを殺したくはなかった。
その優しさに甘えて、あなたは、どれほど、私を傷つけただろう。
私は、あなたが思うほど、

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やっぱ書くの好きだなあ。時間があると書いちゃうわ

浮かんだ言葉をただ書く

浮かんだ言葉をただ書く

流れる。流れる。気持ち。川。流す。何でも。何でも流す。一緒に流す。時に立ち止まる。口ごもる。ゴモラとソドム。ゴモラの子供たちは踊る。ソドムの子どもたちの上で踊る。笑う太陽。月はうつむく。うつむいた先に小舟。小舟漕ぐは、子熊。子熊と子リス。リスは子熊の足をくるくるとのぼる。のぼる月。おどる月。太古の音。遠くに聞こえる。急に近くなった。泣く子もだまる。月を見ようじゃないか。今宵の月は、青い。

創作大賞の中間選考を通過しました。「閉鎖病棟の窓から青空を見てた」というエッセイです。誰もに響く話じゃなくても、誰かの心に深く届くように書いたエッセイ。見つけていただいたことに、胸が熱くなっている。矢のように飛んでいけ、私のエッセイ。

八千代の文字ラジオ9/16

八千代の文字ラジオ9/16

こんばんは。大谷八千代です。
ラジオのように、一発録り書き直しなしの一筆書きでお送りする文字ラジオ。三連休の最終日の夜、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

りーりーりーりー
り、り、り、り、り、り
りいりいい、りいいいい

いきなりすみません。耳を澄まして、庭の虫の音を聞いて、言葉にしようと思ったのですが、うまくいかないですね。書けないです。虫の音すら書けない。難しい。言葉にするのはこれほど難しい

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友達は最後に私に何を言いたかったのかな

友達は最後に私に何を言いたかったのかな

私には、umi no otoさんという友達がいる。
noteで知り合った友達だ。
とてもいい絵を描く。

umi no otoさんは、去年の夏、9月12日に亡くなってしまった。
がんの闘病の末だった。

私がumi no otoさんを過去形の友達と書かない理由は、今でも、ちょくちょく会っているからだ。心なのか脳なのかわからないけど、とにかくそこらへんで。

元々頻繁に会える距離にいたわけじゃないか

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八千代の文字ラジオ8/24

八千代の文字ラジオ8/24

こんばんは。大谷八千代です。
ラジオのように、一発録り書き直しなしの一筆書きでお送りする文字ラジオ。今宵は、きなこ色のメイと共にお送りします。
今日は、初の試み二夜連続Part2の収録です。
昨日の整理をしましょう。
文学とは、芸術だ。
芸術とは、美を創作・表現する活動だ。
つまり、文学とは、言葉で、美を創作・表現する活動、または作品だ。
じゃあ、美って何だ?
ここまでで、力尽きちゃった。
par

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八千代の文字ラジオ8/23

八千代の文字ラジオ8/23

こんばんは。大谷八千代です。
先月にこそっと始めた今宵の文字ラジオ。
ラジオの収録のように、一発録り書き直しなしの一筆書きでお送りする、文学的な、あまりに文学的なラジオ。虫の音をBGMに、千葉の海町よりお送りしております。

芥川龍之介のは「文芸的な、余りに文芸的な」ですけどね。「文学的な、あまりに文学的な」なんておおげさなこと書いちゃったから、「文学」ってそもそもなんだっけ?と気になってきちゃい

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夏の海ひねもすのたりのたりかな

今宵の八千代ラジオ

今宵の八千代ラジオ

こんばんは。大谷八千代です。
…スタエフでラジオ収録するみたいに、文字で書けないかなと思いついただけなんです。
最初、「今宵の文字ラジオ」ってタイトルにしたんですけど、「ラジオ」って言葉が放つ「どんな面白いこと書いてくれるの?」みたいな期待に勝手に押しつぶされそうになってやめました。
八千代のやるラジオならこんなもんかと思ってもらえると思うので、「今宵の八千代ラジオ」でいきたいと思います。
とはい

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元ガーデン雑誌編集者が、自宅に草の庭をつくりながら、思うこと

元ガーデン雑誌編集者が、自宅に草の庭をつくりながら、思うこと


わたしは、今、自宅に「草の庭」をつくっている。

昭和の劇作家、寺山修司は、「書を捨てよ町へ出よう」と言ったが、令和の今日、私は、パソコンを閉じて、庭に出る。

茂り過ぎた草を抜く。根が張っていて中々抜けない。地球との綱引きになる。踏ん張る。紅潮する。やっと抜けた。

根元に、もぞもぞダンゴ虫。
わっせわっせと大慌てで逃げ出すミミズ。
ミミズをつつこうと電柱にとまったのは、モズかな?
ひなたぼっ

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創作大賞応募作【閉鎖病棟から青空を見ていた】を紹介いただきました

創作大賞応募作【閉鎖病棟から青空を見ていた】を紹介いただきました

自分にとことん向き合って書いた、「閉鎖病棟から青空を見ていた」が、紹介されました。創作大賞応募作です。#創作大賞 #エッセイ部門の急上昇にものったので 、想像したより、多くの方に読んでいただきました。

「閉鎖病棟」という言葉から、「暗い話でいやだな」「自分とは関係ない」と思った方もいるかもしれませんが、「青空」が象徴するように、「絶望」だけではありません。何となくの生きづらさや虚しさ、苦しみを感じ

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閉鎖病棟の窓から、青空を見てた

閉鎖病棟の窓から、青空を見てた

つい、かっこつけた文を書いてしまう。
賢く思われようとする心。
教えたがろうとする心。
慰めてもらおうとする心。
全部バレバレ。

本当は、ちゃんと、伝えたいことがあるんだ。

私は、心をひどく痛めたことがある。
「詰んだ」「ドロップアウト」「負け組」。
そんな風に言う人もいた。
「あの人は、もうおしまいだね」と。
直接言われなくても、言われているような感じがした。

それでも、私は、回復した。

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露の恋歌

露の恋歌



暁けぬれば
儚くならむ
ぼくだけど
覚めることなき
夏萩への恋



重いのね
あとを残さぬ
露だから
落ちた恋ゆえ
覚めなきゃ冷める

てるてる頭の天使てんこちゃん①

てるてる頭の天使てんこちゃん①

てんこちゃんは、てるてる坊主頭の天使です。
なぜ、髪の毛がないの?

それはね。
夜に貸しているから。

実は、
てんこちゃんの髪の毛はとってもきれいな夜色なんだ。カラスの濡羽色とも言う。

夜はね。
とっても貪欲なんだ。
何もかも欲しがる。

特に最近、それが強まってる。
この前なんか、黒猫が黒をとられて、白猫になってたし、虎もシマシマをとられたそうだよ。本は文字がぜんぶ消えて真っ白。

みんな

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