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真咲ともか
2023年3月3日 07:09
その日は朝から花粉がひどかった。薬を飲んでいたのに鼻水が一時間止まらずに酷い目にあった。日中は目が痒くて仕方ない。目の痒みは終わることがなかった。 今日は急ぎの仕事はないから早く帰ろうと思っていた。 その日は午後少しだけ雨が降り黄砂か花粉が車にベッシリ張りついていた。その日の私担当の送迎車を見た時は唖然とした。まさか車がそんなことになっているとは思わなかった。
2023年2月3日 06:52
「今日、運転大丈夫ですか?」リーダーが聞く。なんでも、遠くに住んでいる利用者の家の方は雪が降って大変だったらしい。 でも私が今から送迎に行く予定のルートは雪がパラつきだしたくらいで道は凍っていなさそうだった。 「無理なら代わりますよ?」リーダーは優しい。だから私は大丈夫だと言った。「どちらかといえば不安なのは今度の販売場所ですよ(笑)ほら、職員みんなあの辺詳しくな
2022年12月7日 07:15
ある日の夕方リーダーから「コーヒー飲みますか?入れますよ。」と言われた。 「お願いします。」と私は言った。その提案に驚いた。 コロナ禍になり私の職場はコーヒーやお茶をいれないし、飲まないからだ。 前の職場は私がお茶やコーヒーを入れることがよくありどのコップが誰のか、誰がブラックか砂糖を入れるかを把握したものだが転職してからは覚える必要がなかった。 「仕事が終わった
2022年11月18日 07:09
明日はポスティング作業だ。ポスティング作業担当の私は前日のうちに割り振りをする。 とはいってもどのエリアを誰がやるかは大体決まっている。休みが出た場合ややむを得ずできない人がいる場合に私は調整する役目だ。だから私はある程度好きな配布場所を選べる立場でもある。 私はシフト表を見た。休みの職員を確認する。…リーダーだ。リーダーが休みだ。私は、ガーン、となった。
2022年9月26日 07:24
私の職場は鍵が閉めにくい。鍵を持つ同僚がよく施錠で苦戦するのをこの一年半ずっと見てきた。 鍵を持つ同僚は何人かいてだから新人の私に鍵を渡そうという動きにはならなかった。ところが、だ。ある土曜日、私はイベント販売の仕事になった。私と共に販売になる職員も鍵は持っていなかった。 ついに、鍵の開け閉めを行わなければいけない日がやってきた。 だが、私は呑気だった。その同
2022年7月23日 06:48
利用者に顔を噛まれた日私は連絡帳に状況を書いた。 保護者は連絡帳を見てからすぐに施設に電話をくれた。 「申し訳ありません。傷はどんな感じですか?」「一日も早く治ることを願っています。冷やしていただいて、もしひどいようでしたら通院お願いします。申し訳ありません。」 そんな風に言っていた。 その利用者に噛まれるのは私は初めてではなくて私以外もよく噛まれていてだけど保護者
2022年7月18日 07:18
その日は雨が降っていた。 夕方、私が送迎から戻ってくるとお客様が来ていた。どうしよう、と思った。お客様の車の停車位置の関係で送迎車を狭い場所からバックしないと駐車できなかった。 玄関からキョロキョロ中を覗くがたまたま職員が見当たらない。 再びどうしよう、と思ったらお客様がもうすぐ帰ることが分かった。玄関に近づいてきたのだ。 私はハザードをつけ 停車し車の外
2022年5月28日 07:15
その日は朝から利用者が不穏な様子でリーダーは朝から個別対応だった。攻撃的な言動が続いたようだからどんなに神経をすり減らしたことだろう。 お昼も13:30頃だったしちゃっちゃと食べなきゃいけないし食べた気はしなかっただろう。 その日の夕方私は個室で一人作業をしていた。 送迎から戻ったリーダーが扇風機を抱えて歩いていた為各部屋に出すのかと思っていた。扇風機を用
2022年5月17日 07:20
その日は雨が降っていた。毎週月曜日は利用者のお昼をみんなで歩いて買いに行く。それは雨でも変わらない。 出発時は小雨だったが段々雨足が強まっていった。スーパーまでは徒歩30分。次第にみんな無口になる。 私は利用者AさんとBさんと一緒に歩いた。Aさんは歩くスピードが速く、Bさんはゆっくりだ。Aさんは時々チラッと後ろを見てBさんを待つ。そんな二人を見ていると微笑ましか
2022年5月11日 07:26
販売出勤の次の日月曜日は雨が降っていた。 たまたまその日は送迎後に納品を頼まれ買い物も頼まれた。さらに、その日は資材を取りに行きがてら、下請け作業のミスを報告に行かなくてはいけない。雨の中だとちょっと面倒くさい。 その日は担当者不在で代理の方にミスの件を伝えると「それだけの量の作業があればミスもありますよね。」「他の施設もけっこうミスがありましたよ。」と言ってくれた。
2022年4月16日 06:55
施設長が「あの作業は職員何人必要なの?」と急に聞いた。 私は咄嗟で焦った。「…私、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん…………で、5人…?」すると、同僚のAさんが私を見て無言でコクリ、と頷いた。施設長からは死角だった。「5人です!」私はハッキリ言った。 ありがたかったしときめいた。 こうしてさり気なく助けてくれる男性って素敵だよね。
2022年3月13日 06:48
利用者が「私は悪魔なんだよ。」と言った。だから私は「なんでそう思うの?」と聞いた。 「だって、人を傷つけて泣かせちゃうし、みんなに怒られるんだもん。」 「ん~でも、〇〇さんもしも悪魔だったら、傷ついて泣かないんじゃない?〇〇さんだって、誰かの言葉や行動に傷ついたら泣いちゃうじゃない?」 「そうだね。泣くね。」 「人間だよ。大丈夫。〇〇さんは自分に正直なだけだよ。私は〇〇
2022年3月11日 07:18
人手不足だとか初めての業務だとか施設長の指示に従っただとか 自分なりの考えの元動いた結果なのだがこの一週間ちょこちょこ失敗し ちょこちょこあれこれ言われ少しずつ少しずつ心が重くなった。 昨日の帰り道自分の車に乗り込んだ瞬間無性に泣けてきた。力不足で情けないとか迷惑かけて申し訳ないとか理解されない惨めさとか なんともいえない怒りとかが重なって重なった。
2022年2月12日 07:54
一日オンライン研修の日。その日は職員の休みが多かった。 私は利用者に朝の挨拶をする間もなく研修準備に取りかかった。「パソコンすぐに立ち上がらないから、もう準備に入っていいですよ。ここの仕事はやっておきますから。」「部屋はブレーカー落ちない程度に暖房つけておきましたから。」リーダーがそう言ってくれた。 私は気持ち早めにパソコンがある部屋へ向かった。 パソコンを立