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#学問への愛を語ろう

一語の宇宙 | 簿記 | bookkeeping

一語の宇宙 | 簿記 | bookkeeping

「簿記」のことを英語では「bookkeeping」という。

 よく言われた「簿記」の語源に次のようなものがある。

「bookkeeping」、「ブックキーピーング」、、、「ボッキー」、→「ぼき」。
これが日本語の「簿記」という言葉になったとか。
しかし、これは嘘っぽい。事実ではないらしい。

 現代の簿記は
「複式簿記」(double entry bookkeeping)と呼ばれる。
 簡単に

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一語の宇宙 | doubt (疑う)

一語の宇宙 | doubt (疑う)

doubt [ダウト]。「疑う」という意味。
この単語については、私がnoteをはじめてすぐの頃にも書いたことがある。

ドイツ語を学習しているときに、
zwei [ツヴァイ](「2」という意味)と
zweifeln [ツヴァイフェルン](「疑う」)というつづりが似ているな、と思った。

その時に英語の
double[ダブル]と
doubt[ダウト]が関係あることに気がついた。調べたら、この2つの

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一語の宇宙 | 再帰代名詞 | themself / themselves

一語の宇宙 | 再帰代名詞 | themself / themselves



英語をはじめとするヨーロッパ系の言語を学ぶとき、初期の段階で丸暗記しなくてはならないことがある。

「人称代名詞」は繰り返し出てくるので、きちんと覚えておかないと、学習が遅々として進まなくなる。

英語を学びはじめたとき、誰でも
「アイ・マイ・ミー」と暗記したはずだ。

「主格、所有格、目的格、所有代名詞、再帰代名詞」の順番に並べて復習してみよう。

人称変化

所有格と再帰代名詞

一応全部

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一語の宇宙(10) | curvy(ボッキュボン)

一語の宇宙(10) | curvy(ボッキュボン)

「curvy」(カーヴィ)とは、curve(カーヴ、曲線)の形容詞で、「曲がりくねった」という意味。
とくに、女性に対して使うと「曲線美の~、ボッキュボン」(谷間とクビレがある)という意味合いになる。

 長い単語ではないし、わりと良く聞く表現なので覚えておくといいかもしれない。

 とかいっても、私のようにもっぱら日本国内で、主に書籍から英語を学んでいると、「curvy」という単語にはあまり出会

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一語の宇宙(9) | 夏至 | summer solstice

一語の宇宙(9) | 夏至 | summer solstice

今年は6月21日(金)が夏至。

「summer solstice 」とは「夏至」のこと。
「winter solstice」と言えば「冬至」のこと。
だから、「solstice」に対応する日本語は「至」(し)。

「至」とは、太陽が赤道から北、または南にもっとも離れた時のことを意味する。

「sol」(太陽)と動詞「sistere」(静止する)を語源にしている。

私はたまに、「equinox」

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一語の宇宙(7) | work

一語の宇宙(7) | work

workという単語は、名詞として用いられる時と、動詞として使われる時がある。

名詞としてのwork

まずは、名詞としてのworkから。

辞書には、たくさんの語義が並ぶが、「仕事」という意味と「作品」という意味を覚えておけば、英語の試験ではOKだ。

「仕事」という意味では「不可算名詞」(数えられない名詞、複数形がない)、「作品」という意味では「可算名詞」(数えられる名詞)。

可算名詞と不可

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一語の宇宙(2) | sibling

一語の宇宙(2) | sibling

 中学生の頃、「英語には日本語の『兄弟(きょうだい)』にあたる単語はありません」と教わった。

 今では、ジェンダーに関する意識が高まったこともあり、兄弟ではなく「きょうだい」と表記されることもあるが、一般的に「兄弟はいらっしゃいますか?」と聞かれれば、「姉がいます」「妹がいます」と答える場合もある。

 日本語の「きょうだい」は、(広義では)男の兄弟だけでなく、姉妹、兄妹、姉弟なども含まれる。

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一語の宇宙(1) | term

一語の宇宙(1) | term

 ちょっと気分転換してみたくて、新しいマガジンを作ってみました。
 シリーズ化するかは未定ですが、1記事1単語を取り上げていくつもりです。
 今回は「term」という単語について、思い付くことを書きます。
#一語の宇宙
#term

term[ターム]という単語を辞書で調べると様々な意味が載っています。

「言葉」「期間」「時間」「間柄」など、たくさん訳語があります。
termという言葉に対応

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語学エッセイ | 冠詞について

語学エッセイ | 冠詞について


英語の冠詞 | 日本語の助詞

 英語を学習し始めてすぐに学ぶのが「冠詞」である。
 「This is a pen.」 や「This is an apple.」のような文。初学者でさえ、「a」「an」という不定冠詞を知っている。しかし、1つのものと2つ以上のものとを文法的には区別しない日本語話者にとっては、「a, an」のような冠詞なんて必要ないのではないか?、という疑問を持つ。 

 たしかに

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ИНК教養講座 | 日本人のための英語発音入門(ネイティブの発音へ)

ИНК教養講座 | 日本人のための英語発音入門(ネイティブの発音へ)

 今日、こんなツイートを見かけた。

 英語と日本語の発音は違うところが多いのだが、工夫次第でnativeの発音に近づくことができる。

 今日は極めて実践的な発音練習をしてみよう❗❗

asshole (あっ、そう~)

英語が話されている国では「あっ、そう~」は、あまり言わないほうが良いだろう。意味は「お尻の穴」「嫌なヤツ」。

Come here. (神谷、かみや!)

意味は「こっちに来て

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byとnear | 似た者同士の微妙な違いについて

byとnear | 似た者同士の微妙な違いについて


(1) 似た者同士の差異

 どんなに似ていても、違うモノである以上必ず違うところがあるはず。まったく同じモノだとしたら、別々のモノが存在している意味がない。どんなに微妙な差異であったとしても、差異があるから両者とも生き残っているのだろう。

 ふと「near」と「by」の違いが気になった。日本語では、nearには「~の近くに」、byには「~のそばに」という訳語が当てられているが、2つの単語の違

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言語学を学ぶ⑥ | 特別編 | エッセイ | 象は鼻が長い

言語学を学ぶ⑥ | 特別編 | エッセイ | 象は鼻が長い

 誰からも期待されていない、シリーズ「言語学を学ぶ」。
 第6回目のこの記事は、三上章(著)「象は鼻が長い」(くろしお出版)のタイトルを拝借して、エッセイ風に書いてみたい。

象は鼻が長い

 日本語を学ぶ外国人から、「『象は鼻が長い』という文の主語は何か?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか?
 「象は」を主語ととらえる人も、「鼻が」を主語ととらえる人もいるかもしれない。あるいは、日本語

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