ブチ@大学教員

社会科学分野の研究をしている大学教員(専任)です。まだまだ20代のひよっこです→30代…

ブチ@大学教員

社会科学分野の研究をしている大学教員(専任)です。まだまだ20代のひよっこです→30代に突入しました。 自分自身の経験や日常で思ったことについて、マイペースに投稿していきます。 大学教員公募、学振、受験がメインです。 twitter: @buchi_lecture

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  • 大学教員公募関連

    これまで書いてきた大学教員公募に関連する記事をまとめています。 更新頻度は不定期です。

記事一覧

固定された記事

大学教員になるためにすべきこと:公募の書類作成、面接、模擬授業に向けて(更新用)※2023年4月3日更新

 私が執筆した中で最も閲覧数が伸びているのは、大学・研究関連の記事です。大学教員公募に関する有料記事へのアクセスも伸びています。ご購入いただいた方、感謝申し上げ…

【大学教員公募】お荷物教員から公募のニーズを考える

こんにちは。書きたいことが溜まる一方ですっかり筆が止まっておりました。 仕事が充実しているゆえです。ありがたい限りです。 はじめに 今回このテーマで記事を書きま…

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大学教員の給料の話(良さそうか、悪そうか、ザックリ知りたい方へ)

新年度になりました。気づけばフォローしてくださっている方も200名を超え、驚くばかりです・・・。今年度も細々と更新していきますのでよろしくお願いいたします。 今回…

【大学教員公募・若手向け】重宝される人・煙たがられる人

 しばらく冬の静けさが漂っていたJrec-inにも春が訪れつつあるようで、2024年度採用に向けた公募がちらほらと出てきました。今年こそはと意気込む公募戦士の方、今年から…

【大学教員公募】採用されなかった友人の話

 2023年になり、初の記事です。ひと月に4,5記事をめどに書いていましたが、1月はついに何も書かず仕舞いでした。入試・地獄の祭典(採点)・依頼原稿・研究で雁字搦めに…

2022年まとめ・お礼

 気づけば年の瀬、あと数時間で2022年も終わりです。noteのアカウントは以前からあったのですが、本格的に記事を書き始めたのは今年の3月からでした。大学教員公募に関す…

【大学教員公募】大学の先生になるには?公募のプロセスや段階別の心構え

 「大学教員になるには」「大学の先生になるには」といったテーマの記事が増えつつある中で、改めてこのような記事を書く必要はないのかもしれません。一方、他の方が書く…

【大学教員公募・雑文】就職先の確保は重要だが自分を安売りすべきではない

 最近、急激に寒くなってきた。冷たい風が身体に突き刺さる。職場から駅に向かう道中、温かい缶コーヒーを買い、ふと思い出に浸る。  今では自販機の前で悩むことはない…

【雑文】ゼミ問題で大炎上した帝京大学某教授について思うこと

 久々に記事を書く。書きたいネタは色々とあるのだが、学務や論文に追われて時間がない。余裕ができたわけではないのだが、このテーマについては風化させたくないし、何か…

【休止中】大学教員公募書類の添削・コメント・大学研究、面接対策等

 先日、私の記事を読んでくださっている方からtwitter経由で依頼がありました。画像のものです。掲載は、勿論本人の承諾済みです。  曰く、現在公募に挑戦しているとこ…

【大学教員公募】大学側のニーズをどう読み取るか、具体例を使って考える

 これまで、いくつかの記事で、独りよがりな(=自己アピールだらけの)書類は避けるべき、大学研究を怠らぬよう、といった類のことを書いてきた。本記事では、これらにつ…

【大学教員公募】選考を通過しない人の特徴

 最近、研究者間の対面での交流がようやく復活しつつあり、私と同世代(20代、30代前半)の若手と語り合う機会が増えてきました。結婚や子育てといった研究外の話からアカ…

【若手の方へ】研究者の道と恋愛

研究者の道を目指す・博士課程に進む人向けの記事を見ると、大方、「研究以外のものを捨てる覚悟を持て」的な脅し文句を見つける。 ・同級生が人並みの給料をもらって出世…

「あの人は天才だから、優秀だから…」に対する違和感

学振特別研究員の審査結果が開示された。数年前を思い出す。私はDC1は不採択、翌年のDC2で採択された。酸いも甘いも味わった。twitter上では前途有望な若手らの一喜一憂…

【大学教員公募】記事の需要について考える(フォロワー100人ありがとうございます)

まともに記事を書き始めて半年ほどが経過し、気付けば100名もの方にフォローされていました。 拙い記事を読んでいただき、大変嬉しいです。ありがとうございます。 同時に…

【大学教員公募・学振】採用されなければ意味がない

大学教員公募や学振DC/PDで、なんとも微妙な評価が下ることがある。 「面接に呼ばれたが落選だった」「不採用Aだった」というものだ。これらをどのように捉えるべきだろう…

大学教員になるためにすべきこと:公募の書類作成、面接、模擬授業に向けて(更新用)※2023年4月3日更新

大学教員になるためにすべきこと:公募の書類作成、面接、模擬授業に向けて(更新用)※2023年4月3日更新

 私が執筆した中で最も閲覧数が伸びているのは、大学・研究関連の記事です。大学教員公募に関する有料記事へのアクセスも伸びています。ご購入いただいた方、感謝申し上げます。
 本記事は、1か月に1度くらいを目途に更新しつつ、私が執筆してきた大学教員公募、学振、研究関連の記事の道案内的な役割を目指すものです。トップに固定しているのは、こうした理由からです。
 最後の部分では、私が公募戦線で戦うにあたり、特

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【大学教員公募】お荷物教員から公募のニーズを考える

【大学教員公募】お荷物教員から公募のニーズを考える

こんにちは。書きたいことが溜まる一方ですっかり筆が止まっておりました。
仕事が充実しているゆえです。ありがたい限りです。

はじめに

今回このテーマで記事を書きますのは、最近、(失礼を承知の上ですが)おそらくどこにでもいるであろう、「お荷物教員」が目について仕方ないからです。半分憂さ晴らしです(笑)。その方への恨み辛み批判はともかく、面白いことにお荷物教員への批判の目と、入職される方への期待は密

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大学教員の給料の話(良さそうか、悪そうか、ザックリ知りたい方へ)

大学教員の給料の話(良さそうか、悪そうか、ザックリ知りたい方へ)

新年度になりました。気づけばフォローしてくださっている方も200名を超え、驚くばかりです・・・。今年度も細々と更新していきますのでよろしくお願いいたします。

今回はお金の話です。国公立大学の教員の場合、給料は、基本的に公務員の給与体系に準ずると言われています。そもそも給与規定が公開されていますので、着任先で自分がいくらもらえるのかは大体察しがつきます。一方、私立大学の教員の場合、募集要項には「本

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【大学教員公募・若手向け】重宝される人・煙たがられる人

【大学教員公募・若手向け】重宝される人・煙たがられる人

 しばらく冬の静けさが漂っていたJrec-inにも春が訪れつつあるようで、2024年度採用に向けた公募がちらほらと出てきました。今年こそはと意気込む公募戦士の方、今年からいざ出陣と鼻息荒い若手の方、現所属に辟易として移籍を目論む方など、様々かと思います。今回は、特に若手の同輩向けに、教員公募においてどのような人物が重宝されるのかを記事にしてみます。

 本記事で書く内容は、公募においてしばしば求め

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【大学教員公募】採用されなかった友人の話

【大学教員公募】採用されなかった友人の話

 2023年になり、初の記事です。ひと月に4,5記事をめどに書いていましたが、1月はついに何も書かず仕舞いでした。入試・地獄の祭典(採点)・依頼原稿・研究で雁字搦めになっており、ほかの方々の記事を読む時間すらありませんでした。

 一息ついたわけではないのですが、このままだと記事を全然書けなくなるので何か書き残すべく、本記事を書いています。暗いタイトルですが。
 ある友人から頻繁に大学教員公募の相

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2022年まとめ・お礼

2022年まとめ・お礼

 気づけば年の瀬、あと数時間で2022年も終わりです。noteのアカウントは以前からあったのですが、本格的に記事を書き始めたのは今年の3月からでした。大学教員公募に関する記事をはじめ、大学教員の実態や学振などについて、思うがままに書いてきました。
 記事を書くって、純粋に楽しいですね。論文とはまた違う、自由に書くことの気楽さ・楽しさを味わっています。ある記事にはスキがたくさんつき、さらに一部はNe

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【大学教員公募】大学の先生になるには?公募のプロセスや段階別の心構え

【大学教員公募】大学の先生になるには?公募のプロセスや段階別の心構え

 「大学教員になるには」「大学の先生になるには」といったテーマの記事が増えつつある中で、改めてこのような記事を書く必要はないのかもしれません。一方、他の方が書く記事と私自身の経験とにズレを感じることもあります。大学の人事など一つとして同じものはないので当然です。そう考えてみると、他の方が述べているものと異なる私の経験にも、具体例の一つを提示するという点である程度意味があり、共通部分について再三語る

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【大学教員公募・雑文】就職先の確保は重要だが自分を安売りすべきではない

【大学教員公募・雑文】就職先の確保は重要だが自分を安売りすべきではない

 最近、急激に寒くなってきた。冷たい風が身体に突き刺さる。職場から駅に向かう道中、温かい缶コーヒーを買い、ふと思い出に浸る。
 今では自販機の前で悩むことはない。しかし、2年前、3年前は立場も状況も全く違った。お金に余裕はなく、ジュース一本買うにも悩んだ時期だった。研究室から帰る時、30m先に自販機を見つけ、1週間分の生活費とジュース代を天秤にかけながら自販機まで歩き、立ち止まって数秒悩み何も買わ

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【雑文】ゼミ問題で大炎上した帝京大学某教授について思うこと

【雑文】ゼミ問題で大炎上した帝京大学某教授について思うこと

 久々に記事を書く。書きたいネタは色々とあるのだが、学務や論文に追われて時間がない。余裕ができたわけではないのだが、このテーマについては風化させたくないし、何か書かねば腹の虫も収まらない。一大学教員の目線から、某教授を非難したい。というか、感じたことを率直に書く。

 事案の概要は以下の通り。某教授がゼミ生を募集していたところ、聖奈さんという名の男子学生が応募した。某教授は彼を女子学生と思い込み、

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【休止中】大学教員公募書類の添削・コメント・大学研究、面接対策等

【休止中】大学教員公募書類の添削・コメント・大学研究、面接対策等

 先日、私の記事を読んでくださっている方からtwitter経由で依頼がありました。画像のものです。掲載は、勿論本人の承諾済みです。

 曰く、現在公募に挑戦しているところだが、書類にアドバイスをくれる人がいない。目を通してコメントしてほしい、とのこと。
 私の記事を読む中で、添削してほしいと思ってくださったようです。ありがたいことです。喜んでご対応させていただきました。

 大学教員公募書類につい

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【大学教員公募】大学側のニーズをどう読み取るか、具体例を使って考える

【大学教員公募】大学側のニーズをどう読み取るか、具体例を使って考える

 これまで、いくつかの記事で、独りよがりな(=自己アピールだらけの)書類は避けるべき、大学研究を怠らぬよう、といった類のことを書いてきた。本記事では、これらについてもう少し具体的に掘り下げて考える。
 公募戦線で戦い疲れて書類を使い回している人と、精魂つぎ込んで書類を作成し面接準備をしている人との差は、大学側のニーズをどれだけ理解しているかといったところに表れる。本記事もあくまで私の主観にすぎない

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【大学教員公募】選考を通過しない人の特徴

【大学教員公募】選考を通過しない人の特徴

 最近、研究者間の対面での交流がようやく復活しつつあり、私と同世代(20代、30代前半)の若手と語り合う機会が増えてきました。結婚や子育てといった研究外の話からアカデミックな話まで、色々なことを話しますが、一番盛り上がるネタはやはり大学教員公募に関する話でしょうか。採用から1~3年ほどしか経っていない、あるいは公募戦線真っ最中の人がほとんどである若手ならではの話題だと思います。
 話していれば、悲

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【若手の方へ】研究者の道と恋愛

【若手の方へ】研究者の道と恋愛

研究者の道を目指す・博士課程に進む人向けの記事を見ると、大方、「研究以外のものを捨てる覚悟を持て」的な脅し文句を見つける。

・同級生が人並みの給料をもらって出世していく中、むしろお金を払う側の学生を続けていかなければならない
・結婚はあきらめた方が良い
・ポストは保証されていない
・孤独
等々。

間違いではない。が、個人的には、捨てて捨てて研究者を目指すよりも、欲しいもの全て手に入れて研究者に

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「あの人は天才だから、優秀だから…」に対する違和感

「あの人は天才だから、優秀だから…」に対する違和感

学振特別研究員の審査結果が開示された。数年前を思い出す。私はDC1は不採択、翌年のDC2で採択された。酸いも甘いも味わった。twitter上では前途有望な若手らの一喜一憂の図を見ることができ、懐かしい気持ちになる。

私がDC1に不採択だった一方で、無事採択された同輩を見て、「ああ、彼・彼女は優秀だからな、天才だからな」という気持ちになったし、実際に祝福半分妬み半分でそのような会話をしていた。
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【大学教員公募】記事の需要について考える(フォロワー100人ありがとうございます)

【大学教員公募】記事の需要について考える(フォロワー100人ありがとうございます)

まともに記事を書き始めて半年ほどが経過し、気付けば100名もの方にフォローされていました。
拙い記事を読んでいただき、大変嬉しいです。ありがとうございます。
同時に、アクセス数や有料記事の売り上げ等から、どのような記事に需要があるのかも見えてきました。本記事では、そのようなデータを眺めた雑感を、書ける範囲で綴ります。

1.売り上げについて

noteの規約上、これを公開するわけにはいきません。が

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【大学教員公募・学振】採用されなければ意味がない

【大学教員公募・学振】採用されなければ意味がない

大学教員公募や学振DC/PDで、なんとも微妙な評価が下ることがある。
「面接に呼ばれたが落選だった」「不採用Aだった」というものだ。これらをどのように捉えるべきだろうか。難しい問題である。

私は、学振DC1に落選した。(M2にしては珍しく)外国語で執筆したファースト論文や学会報告の実績もあり、自信満々だったのだが見事に打ち砕かれた。結果は不採用Aだった。不採用Aというのは、不採用者のうち上位20

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