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レコード配信 VOL.54▶︎ 1982年特集

レコード配信 VOL.54▶︎ 1982年特集

2022年5月25日YouTubeプレミア公開分
1. 哀愁のオリエント急行 / Logic System
2. FUNKY FLUSHIN' / 山下達郎
3. Girl in me / EPO
4. 月曜日はシックシック / 三井比佐子
5. ハートがピッピツ / 真鍋ちえみ
6. はにかみ天使 / 吉成香
7. 天使と悪魔(ナンパされたい編) / 伊藤さやか
8. 風になって / 伊藤つかさ

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ゲルニカ 『改造への躍動』

ゲルニカ 『改造への躍動』

まずはこのアルバムから着手しよう。
ゲルニカを一発目に持ってきた理由は単純。

『人気があるから』

極私的にその作品を語ると言っても、やっぱり読んでくれる人が居ないとつまらないので。
そういう意味でも、僕自身はアンダーグラウンドな存在にはなれないしなろうとも思えない。
媚びない、とは人間の欲求を逆らう行為であり無理が生じる。
はみ出し物が排除されるこの世の中ではアングラが深呼吸出来るスペースは喫

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中田を輩出した"渋谷系の遺産”、フューチャーポップのポップな実験性(2008年『「テクノ歌謡」ディスクガイド』)

中田を輩出した"渋谷系の遺産”、フューチャーポップのポップな実験性(2008年『「テクノ歌謡」ディスクガイド』)

音楽ジャンル「フューチャーポップ」に関するコラムページのテキストです。この本はたしかPerfumeが有名になりはじめていたからこそ企画が通ったので、80年代テクノ歌謡から00年代Perfumeまでを線でつなぐことがなんとなく求められたんですよね。それでPerfumeを意識したテキストになっています。なお、タイトルや見出しは編集者がつけたものです。

Perfumeは80年代じゃなくポスト渋谷系

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平成生まれが好きな井上大輔作品 キララとウララ「センチ・メタル・ボーイ」(1984)

(作詞作曲 売野雅勇・井上大輔)
「二億四千万の瞳」の作詞作曲家コンビが同年携わったテクノ歌謡。歌詞も曲も振りも相当斬新で、モールス信号要素(?)も取り入れた作風は中毒性高し。キララの方は小室哲哉3の元嫁だそうです。

テクノ歌謡の金字塔 真鍋ちえみ 不思議・少女 「うんととおく」は最早プログレ

テクノ歌謡の金字塔 真鍋ちえみ 不思議・少女 「うんととおく」は最早プログレ

不思議・少女は1982年8月にリリースされた真鍋ちえみのアルバム
2017年にリマスタリング、 ボーナストラック2曲と初CD化Instrumental5曲収録しリリース

スーパーバイザーに細野晴臣、サウンドプロデュースに清水信之、作詩・作曲に阿久悠、安井かずみ、EPO、大貫妙子、大村憲司、加藤和彦、矢野顕子、プログラマーに松武秀樹、聴かない理由が無い!

このアルバムを知ったのは1986年の夏だ

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初めてYMOのRYDEENを買った時のはなし

初めてYMOのRYDEENを買った時のはなし

確か、小学校5年か6年の時に、YMOのライディーンというシングルレコードを買いました。家にあった、親のステレオのレコードプレーヤーの針を落として曲がスピーカーから聞こえてきた時は、電流が走りましたね。

当時中学生だった、いとこの家に夏休みはよく泊まりに行っていたので、音楽に関してはまちがいなくいとこの影響が大きかったと思います。

いとこは、当時、シーナ&ロケッツ、スネークマンショー、YMOやら

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クラフトワーク(Kraftwerk)を紹介! アウトバーン・電卓など代表曲で音楽界への影響を解説

クラフトワーク(Kraftwerk)を紹介! アウトバーン・電卓など代表曲で音楽界への影響を解説

クラフトワーク(Kraftwerk)は1960年に結成され1970年台から活躍し始めた、ドイツの音楽家集団だ。

テクノ音楽の先駆者であり、クラフトワークが音楽シーンにもたらした衝撃はとんでもない。同世代のはもちろん現代に至るまで、あらゆるミュージシャンがクラフトワークに憧れて曲を作っている。

いわゆるArtist's Artist(アーティストが惚れるアーティスト)の代表格であるビートルズやセ

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11-5.イメージ・シンセサイザー●「企画書」1980年書下ろし

11-5.イメージ・シンセサイザー●「企画書」1980年書下ろし

 人間は死ぬ間際になると、自分の一生が走馬燈のように映像化されて、目の前に現われるのだそうだ。その時、目の前に繰り広げられる映像は、決してムービーではないだろう(ムービーだったら、時間の進行がリアル・タイムなわけでして、自分の一生を見るためには、自分の一生分の時間が必要なわけだから)。おそらくはそれは、極度にスピード・アップされた、早回しの時間映像だろう。人間はいくつもいくつもの個的ドラマを複合的

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PLASTICSヒストリー(再録)

(1)

 1980年の東京は今の倍のスピードで時間を刻んでいた。人も車も流行も。ツービートが16ビートの早口でジョークをまくしたて、『THE MANZAI』の幕間音楽には「TOP SECRET MAN」が流れていた。同年1月に本邦デビューしたPLASTICSが、いち早く米国ツアーを実現し、現地のオーディエンスに絶賛されたニュースを聞いたのは、『11PM』水曜日の今野雄二のコーナーだったと記憶する

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テクノ歌謡→J-POPを結ぶ巨人、小室哲哉の影響が00年代を形成した(2008年『「テクノ歌謡」ディスクガイド』)

テクノ歌謡→J-POPを結ぶ巨人、小室哲哉の影響が00年代を形成した(2008年『「テクノ歌謡」ディスクガイド』)

このディスクガイド本自体が80年代テクノ歌謡と00年代Perfumeをつなげることを目的としており、そういう視点から書いてくださいねという依頼だったと思います。それでテクノ歌謡本だけど、小室哲哉や中田ヤスタカの話になっているのですね。この本向けに書いた文章はどれもわりと気に入ってます。

マーケ手法を確立した、テクノ大衆化の立役者

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テクノ歌謡という言葉

テクノ歌謡という言葉

 80年代前半、“テクノ歌謡”と呼ばれるジャンルが一世を風靡した……とまでは行かないかもしれないが、それなり以上に人気があった。念のために追記すると、当時この言葉は存在せず、後々のバイヤーもしくは好事家が考案したものである。

 『ジェニーはご機嫌ななめ』『ハイスクールララバイ』『Last Pretender』などが代表曲だ。定義は簡単、「シンセサイザーが随所に挿入されている歌謡曲」である。シンセ

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今日の1曲~リサ「私の恋は自由型」編

今日の1曲~リサ「私の恋は自由型」編

 昨夜、結局CDケースをひっくり返して、『テクノ歌謡』シリーズを引っ張り出しました。
今日取り上げるのは隠れ名曲中の名曲、リサの「私の恋は自由型」にしました。
やー、悩みに悩みましたねー。5枚を飛ばし飛ばしながらですが、一応全部チェックしましたよ。

・リサ「私の恋は自由型」 from V.A. 『テクノ歌謡 徳間ジャパン編 あいつはインベーダー』(PCD-1496/ブルース・インターアクションズ

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