妻と雑音

平成3年生まれ。変態音楽とカルト映画をこよなく愛する偏物。実態は平穏な毎日を求めるクリ…

妻と雑音

平成3年生まれ。変態音楽とカルト映画をこよなく愛する偏物。実態は平穏な毎日を求めるクリスチャン。 現在3つ年下の妻と新婚中。

マガジン

  • 極私的名盤だらだら

    僕の主観で選んだ名盤たちを特に決まりを設けずにだらだら書きます

  • 妻と日常

    夫婦に関するエッセイ。 主に雑記です。

  • ノイズミュージック

    音楽の過剰表現。 耳障りを楽しむための読み物を提供いたします。

最近の記事

ファンタスティック・エクスプロージョン「帰ってきたファンタスティック・エクスプロージョン」

80年代から90年代にかけて活動したクリエイター集団 “京浜兄弟社” に在籍していた永田一直と、彼が主催するTRANSONIC RECORDSに所属する鈴木隆弘(SUZUKISKI)による昭和ハウスユニット。 永田一直は笑いとシリアス、CoolとFoolの均衡をギリギリで保つ天才です。 TRANSONIC RECORDSのサブレーベルであるZero Gravityでは純度の高い電子音楽を展開し、本人名義の作品では現代音楽を思わせるキレの良いノイズを鳴らします。 また、テクノ

    • Señor Coconut And His Orchestra『Yellow Fever!』

      僕は毎日音楽を聴きますが、その日の調子に合わせて適したものをチョイスします。 明るい気分の時に明るい音楽を聴く。 暗い気分の時に暗い音楽を聴く。 明るい気分になりたくて明るい音楽を聴く。 暗い気分の時には聴けない暗い音楽を聴く。 その時々で欲する音楽は変わりますが、自分が求めた音楽をピッタリと選べた時に音楽の価値を見出すことができます。 僕は個人的には暗い音楽が好きで、気付けばそういったアルバムばかり買ってしまう。 所謂厨二病なのか、闇の方が魅了的に感じてしまうらしい。 事

      • Die Daraus Und Die Marinas『Blumen Und Narzissen』

        遅咲きの人は努力の人。 早咲きの人は才能の人。 色々経験して苦渋を啜った方が人間の深みが生まれる、何ていうのは才能の無い人の感覚だろう。 残念ながら僕を含めて殆どの人が努力をしないと何にもなれない。 才能のある人は自分の成功を簡単なように語ってしまうので、聞いてる凡人は『僕にも出来るかも』と身の丈に合わない成果を夢見て破滅する。 多分殆どの役者とバンドマンがそうだ。 売れる人は売れるし売れない人は売れない。 きっと、ずっと。 例えば、タレントの中山秀征は14歳の時に『3

        • ATA TAK

          前回の投稿の最後 https://note.com/tsumatozatsuon/n/n7674cc2a432c 空腹に負けて投げ出してしまいましたが、 お恥ずかしながら帰って参りました。 以後無いように気をつけますので、今後とも【妻と雑音】を何卒宜しくお願い申しあげます。 勿論冗談です。 空腹で投げ出し訳ではなく、ATA TAKに関しては重要な内容だったので分けて投稿したかっただけです。 Der Plan(バンド)が主催するATA TAK(レーベル)については同時に

        ファンタスティック・エクスプロージョン「帰ってきたファンタスティック・エクスプロージョン」

        マガジン

        • 極私的名盤だらだら
          10本
        • 妻と日常
          31本
        • ノイズミュージック
          5本

        記事

          Der Plan『Geri Reig』

          このコラムもなかなか計画通りに更新できている。 今までに投稿したゲルニカ、ボアダムス、アーント・サリーと言えば、僕にとっては懐かしい思い出の音楽。 勿論リアルタイムではなく、2010年辺りに勝手に出逢って夢中になった音楽。 誰とも共有できない思い出。 2010年ですから真っ当にAKB48とかにハマっていれば、板野友美がどうなり篠田麻里子がああなり言えたわけですがね。 『最近俺もボアダムスの「god from anal」聴いたんだけどさー』みたいな涙サプライズ発言をしてくれる友

          Der Plan『Geri Reig』

          Aunt Sally 『Aunt Sally』

          誰か分からない人の名で朝の挨拶をされ、駆け足でこっちに来いと言われ、自分がいかにくだらない人間かを知らされ、空腹を満たす食事を振る舞われる。 朝から言葉に翻弄されて、見も心も置き去りに。 極私的に、とは言うものの、このコラムを書くに当たっては多少の責任はある。 なので紹介するCDを聴き直すところから始めている。 アーント・サリーの1st『アーント・サリー』だ。 昨日から繰り返し4回程聴き返しているが、聴く度にボーカル Phewの言葉と態度に冷たくあしらわれる。 真剣に聴

          Aunt Sally 『Aunt Sally』

          BOREDOMS 『POP TATARI』

          昨日のゲルニカの投稿で自覚しました。 「こんなので良ければどんだけでも書ける」 僕は音楽が好きで、話すのが好きで、好き音楽を話すことがやっぱり好きで。 でも、好き放題をやり切れる人間は少ない気がする。 結局はエネルギーなのよ。 大地を蹴散らして時速180㎞でぶっ飛ばせるのも才能とそのまま1800000000㎞先まで走り抜けるエネルギーが欲しい。 そんな奴はいない? いや、います。 今日は日本一パワフルでサイケデリックな原始人たちについて書こうと思う。 Boredomsの

          BOREDOMS 『POP TATARI』

          ゲルニカ 『改造への躍動』

          まずはこのアルバムから着手しよう。 ゲルニカを一発目に持ってきた理由は単純。 『人気があるから』 極私的にその作品を語ると言っても、やっぱり読んでくれる人が居ないとつまらないので。 そういう意味でも、僕自身はアンダーグラウンドな存在にはなれないしなろうとも思えない。 媚びない、とは人間の欲求を逆らう行為であり無理が生じる。 はみ出し物が排除されるこの世の中ではアングラが深呼吸出来るスペースは喫煙所よりも狭いだろう。 『人気があるから』と言っても、読者の皆様の周りに「戸川

          ゲルニカ 『改造への躍動』

          極私的名盤だらだら とは

          何に対してもそうなのですが、ちょっとかしこまってしまう性格なんです。 実際の僕を知っている人が聞けば「十分変だよ」と言いたくなるかも知れません。 でも、そうなんです。 その証拠に別のマガジンで「ノイズミュージック」について発信しているのですが、その内容が固いのなんの。 「だから十分変だよ」なのかも知れないけど、やってる本人はそう感じています。 なので、『好きな音楽を好きなように発信しよう』と思います。 そこで【極私的名盤だらだら】です。 ノイズ好きなのも音楽好きが故。

          極私的名盤だらだら とは

          MERZBOW

          前回の投稿ではジャパノイズに於ける最高峰のライブバンド 非常階段に関して投稿しました。 今回はもう一つの最高峰、宅録系ノイズユニットのMerzbowについて触れていきます。 非常階段は関西、Merzbowは東京で1979年にほぼ同時期に活動を開始しました。 この2つのバンドは同じピュアノイズでありながら対極な性質を持ちます。 それは物理的距離だけでなく、冒頭で言った通り生演奏の一瞬にかける点と多重録音で音源の作成に重きをおく点にあります。 Merzbowとは70年代に即興

          マニエリスム

          活動において“鮮度”は非常に重要だ。 音楽家も映画監督もテレビ番組も芸人も、、 なんでも。 『インディーズ時代は良かった』 とか 『80年代の作品は良かった』 とか 『東京進出するまでは良かった』 とか 古参のファンだという自己顕示欲もあるだろうが、基本的には活動する側の鮮度が落ちたということだ。 鮮度はどうやって保たれるのか? 特に意図もなくnoteを書き出した僕には明確な答えなどあるはずもない。 ただ僕は“マンネリ”の語源が気になって調べてみた、それだけの記事だ。

          マニエリスム

          非常階段

          日本のノイズシーンを知る上で非常階段とMerzbowを避けて通ることは出来ない。 彼らが全ての始まりであり、日本がノイズ大国でいられるのはこの両バンドが生涯現役を貫いているからだ。 両者ともに1979年から活動をしているが、その音楽的思考には大きな違いがある。 今回は関西アンダーグラウンドから奇形的に生まれた非常階段について書いていこうと思う。 まず非常階段はライブバンドとしての活動を主軸としている。 元々複数の人間で音を重ねることで起こる音圧や混沌に重きを置いているためス

          非常階段

          有限会社 ボリス・ヴィアン

          妻が「古物商許可書と取得したい」と言い出した。 以前行ったフリーマーケットで味をしめたらしい。 流石に「後にしなさい」と助言した。 “流石に”と言ったのは理由がある。 今年に入ってから始めた妻の習い事、仕事の数は常軌を逸している。 コーチング、着付け、ファッションアドバイザー、グラフィックデザイナー、オーダーワンピースの作成、あずま袋の供給、ステテコの配布、、 全て彼女が2021年から始めたことだ。 さらに古物商になりたい、と言うのは「流石に後にしなさい」となるわけだ

          有限会社 ボリス・ヴィアン

          対応しきれなかった話

          noteの投稿が滞っていた。 その理由は明確だが出来損ないの言い訳だ、と自嘲せざるを得ない。 妻が家を空けていた。 だからnoteを書く気にならなかったのだ。 関係不和が原因でなく、ただ彼女が実家に戻らなければならない用事があった。 滞在期間は6日間。 一見noteを更新するにはうってつけの好条件に思えるが、そうではなかった。 自分でも驚いたが、妻は僕にとって最大の活力源らしい。 仕事には何も支障を来さずに済んだものの、帰宅後の僕は上手く機能しなかった。 ある人が『背骨を

          対応しきれなかった話

          JAPANOISE《序章》

          勤勉眼鏡で七三出っ歯のイメージがなかなか払拭出来なかった日本。 それはビジュアルの悪さだけでなく内気で自己表現が苦手な国民性によるところが大きい。 反発することが苦手で文句を言う勇気がない。 奇抜なファッションをする若者は似たような服装同士で集団を作る。 個性はどこかにカテゴライズされるものでないと不安になる。 そんな日本であるにも関わらず、このノイズミュージックに関しては完璧な先進国であり世界をリードする存在だ。 その音圧と徹底した“無”は他国に類を見ないもので、日本独自

          JAPANOISE《序章》

          一つ屋根の下

          今の職場には片道2時間半かけて新幹線通勤をしている上司がいる。 マイホームで3人の子供と奥様の5人家族。 確か針ネズミを無数に飼っているとも聞いた。 そんな彼もとうとう単身赴任をするそうだ。 奥様に『その方が身体が楽でしょ』と労われて決断したらしい。 僕はこの土地に赴任して半年。 そんな僕に『どこに住めば良いと思う?』と問う彼には『今住んでるところは凄く良いですよ』と言うより他ない。 ここ数日の彼との会話から察するに、僕の一存でその土地への移住を決めてしまったらしい。 仲の

          一つ屋根の下