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4つの価値観〜デンマークの学校
帰国して早2週間。
デンマークのNordstjerneskolen Gribskovには、2016年以降、ほぼ毎年通うように訪れてたのだけど、今年ほど、胸に刻まれた経験になったのは、初めてかもしれない。
今回で4回目となる短期留学体験のために、美山町の中学生3名を引率して渡航。最終日まで結構暇かもなんて思ってたけど、結局毎日学校に通い、デンマークから美山へのメッセージビデオを現地で制作したり、
農地保全するならまず固定概念を捨てるべき?
ほぼほぼ田植え終了。
デンマークの田んぼも、地元だけでのお田植え祭になりましたが、なんとか国旗を作る段取りも完了。
あとは、今週、この田んぼの一部を利用して美山小学校5年生の田植え体験を残すのみ。
僕らの田んぼは、畑や小麦になってるところを入れたら2町歩分あり、この和泉地区における農地の2割ほどをまかなっている。
それも無農薬有機栽培でだ。
これは自然環境保護の観点から見ても有意義だと思う
地域振興という名前に惑わされない意志の強い活動を
過疎に向かう地域を元気にするために、いろんやり方や方向性がある。
例えば地場産業を活性化し経済効果を上げて雇用などを生み出すやり方、もしくは地域の文化的価値を掘り起こし価値を上げ、住民の地域への誇りを喚起することで定住、移住を促すやり方など。
どんなやり方であれ、「どんな町にしたいのか」という目標を多くの住民が共有し、そのために必要な人材のターゲットを絞り込み、呼び込んだり生み出したりするのが必須
今、改めて「教育」を社会の手にとり戻す
僕たちNPO森の教育プロジェクトが以前から継続している、デンマークと美山町との国際交流で、不定期に行ってきた英会話教室で、美山の小、中学生たちが学校帰りに自発的にここに集まっては、英語での会話を楽しむ機会となっている。
このメンバーから先日、3月末に予定されているデンマークプチ留学体験に行く子がとうとう決まった。
このプチ留学は、2019年に始まり、20年以降、新型コロナウィルス感染拡大によって
『ネオニコ系農薬 人への影響は?〜報道特集』を見て思うこと。
『ネオニコ系農薬 人への影響は?〜報道特集』
偏向報道なのか、どうなのか。
この映像を見た人が判断してほしい。
日々、田んぼに入り土を直接いじり、雑草をはじめとした生き物に触れる僕には、化学合成品である農薬がなんとなくじわじわといろいろなところに影響を与えているようにも感じるのだが。
この10年で、美山の川から多くの雑魚も減ったようにも感じる。それは素人に毛の生えた程度のなんちゃって農家の戯
朝日新聞特集「いま子どもたちは」の取材を受けて
2022年6月19日(日曜版)に始まって4日間。
朝日新聞全国版 教育欄での特集「いま子どもたちは」に美山での僕らの活動が連載された。
長期にわたる綿密な取材を受けての連載なんだけど、限られた文字数で記者の方はさぞや苦労された事かと思う。
記事が出るたびに、Facebookで投稿した内容を備忘録的にここにまとめておこうと思う。
今回感じたのは、こうした新聞というメディアの果たすべき役割は、記事に
なんでも行政に頼らず、最初は自分たちでやって見た方が良いのでは? というお話し
先日、NPO森の教育プロジェクトでアレンジした、デンマークについてのシンポジウムを奈良県三宅町で開催させていただいた。
〜ヒュッゲの国デンマークに学ぶ〜
と題して、デンマークの社会システムや教育理念や哲学、また地域の子どもたちへの取り組みかたなど、小国でありながら、様々な世界一を持つ国のその秘密を学ぼうというものだ。
他の自治体が注目する活動に2016年以降、美山でずっと僕らが培ってきたデンマ
「教育で持続可能な社会をつくる」〜NPO 森の教育プロジェクトが目指す、未来のまちづくり(その2)
4.未来の田舎はどうあるべきか今、日本にある田舎と呼ばれる里山、里海と呼ばれる中山間地は、豊かな地域環境をを有しながらも、地方自治そのものが維持困難に陥っているところが少なくない。
そうした田舎はこれまで、都会に対しての脇役でしかなかった。
近年、その魅力にスポットが当てられ、都会から田舎の環境を見直す動きも起こっては来ているが、田舎に住むものとしての実感は、正直、焼け石に水の状況は変わらないと感
「教育で持続可能な社会をつくる」〜NPO 森の教育プロジェクトが目指す、未来のまちづくり(その1)
2021年4月、特定非営利活動法人 森の教育プロジェクトが、京都府南丹市美山町で発足した。
母体となったのは、2016年以降、有志が集まって活動してきた「美山・森の教育プロジェクト」で、主にぼくの住む町、京都府南丹市美山町とデンマークのヘルシンゲという小さな町との国際交流が軸となってはじまった活動である。
(その2)はこちら
1.はじまりは地元小学校の統廃合そもそもこの活動が始まったのは、当時
子どもファーストで学びの場を実現する、自転車教室の挑戦
僕らのウィーラースクール(自転車教室)は、2004年に神戸で始まって以降、2009年より本格的に、京都府南丹市美山町に本拠を構え、通年のスクールを開催するなど、独自の活動を続けてきており、北は北海道から南は九州、沖縄まで、全国津々浦々の様々な自治体が主催するサイクリングイベントや、自転車教室、また商業イベントなどにも呼んでいただき、その土地の子どもたちへ「自転車の楽しみを伝える」活動を続けている。
もっとみる映画「夢みる小学校」から見える、日本の公教育の限界
今から20年近く前。
実は、ぼくの息子は「きのくに子どもの村学園」という日本におけるオルタナティブ教育の代表例と言ってもいいくらいの、一風どころか、めちゃくちゃ変わってて、かなりとんがってる小・中学校に通っていた。(通ってというか、寮生活が主だった)
その学園にはいくつか姉妹校があり、今年、関東圏から近い山梨県にある「南アルプス子どもの村学園」という学校が舞台となる「夢みる小学校」と題したドキ
「みんなで分かち合う農業」のススメ
2020年春先の、とある昼下がり。
草刈りをしていたぼくのところに、近所の農家のおっちゃんがやって来て、なにやら相談があると声をかけてきた。
「今年もう、しんどぉて、作れへんようになった田んぼが、一枚あんねんけど、それ、来年からあんたにお願いできひんか?」
「え? そうなんすか? うーん…」
(ここから頭の中の自らに問う声)
『おいおい、今、簡単に引き受けていいものか、よく考えろ。
これ以上、
活動を実現し継続させるための組織づくり
そもそもウィーラースクールジャパンは、ちゃんとした組織ではない。
「ちゃんとしてない」とか書くと、なにかと語弊を生みそうだが、これは決していい加減な組織ということではなく、ぼくらの活動は一般的な感覚での組織化の体裁で行っていないということだ。
これについて、詳しく説明していこうと思う。
1.決まった収入源のない活動
ぼくらの活動は、参加者である子どもから、登録料や月謝などのように純粋な参加費な
ちょうど1年前につぶやいたツイートが、面白かったのでまとめてみた。
今、日本中の農家が危機に瀕している。
いや、「危機に瀕して」なんて書くと、アホかと言われそうだが、ぼくは実生活の肌感覚としてそう思うのだから仕方ない。
なぜならぼく自身がその米作農家であり、形も不揃いで飛び地になって点々と点在している10枚以上の田んぼを、日々耕作し、米づくりと農地の保全をしているので、この当事者の感覚をアホかと一蹴するとしたら、そもそもこの国の農業は終わってる。
そんな僕が、昨
子どもの学びを深化させるには、異年齢が集う場が必要
以前行った幼児(3歳児)のキックバイク教室(下記の記事参照)で取り入れた、異年齢交流による学びの場は、僕自身、実際に体験したデンマークの教育現場で近年行われている複数年齢学級を、自転車教室の学びに活用するという実践である。
子どもは子どもの社会の中で過ごすことで、より多くの体験をし、学びが深まること、社会性を培うことが可能になる。
理由はいろいろあるが、同じ年代だけを切り取って学ばせるだけでは、
「自転車教育のひとつの到達点」〜日本で成長したWielerschool(ウィーラースクール)とは
1.北欧から来た子ども向け自転車教室2004年に僕が関わり出し、2007年以降はその主軸となって、総合的な自転車の教育活動を続けている子ども向け自転車教室「Wielerschool(ウィーラースクール)」は、かなり早い段階から一人でもその指導者を増やすための指導教本を持ち、それを全てweb上に一般公開し、日々アップデートしている。
当時、国内では、まだめずらしかった子ども向けに特化した自転車教室