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定期的に読み返すnoteたち

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本当に意思決定が必要なことって、実は少ないかもしれない

先日、こばかなさんと意思決定の話をした。その話のまとめメモ。

意思決定の遅さや、先延ばしに巻き込まれて、チャンスを逃すケースが非常に多い。私生活でも仕事でも。

でも、実は意思決定で悩むケースは、この世にはほとんど無いんじゃないかなと思う。多くの場合、物事の選択はざっくり「ポリシーの問題」「セオリー」「不変の法則」の3種類のレイヤーに分類できるのではないかと思う。あらゆる意思決定をこの3レイヤー

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哲学的であること、考えすぎていること

哲学的であること、考えすぎていること

哲学的であるということと、考えすぎているということの境目はどこにあるのでしょうか。前者は深くなっていきますが、後者はこじれていきます。哲学的であれば何かを理解するために考えますが、考え過ぎていれば悩むために考えます。決めようとせず考え続けることに心地よさを覚えるかどうか。疑問に興奮する人間は哲学的です。

考えすぎている人は疑問が投げかけられた時に浮かない表情をします。疑問に対しおもしろいですねと

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劣等感が怖くて、勝負から逃げ続けてしまうあなたへ

劣等感が怖くて、勝負から逃げ続けてしまうあなたへ

囲碁や将棋の勝負では「棋譜の奉納」が行われることがある。

勝者と敗者が共に作り上げた真剣勝負の軌跡を、神聖なものとして神に奉じるのだ。

僕はいままで、勝負では「勝つ」ことが最高の価値だと思っていた。だから勝者のみが讃えられるのを当たり前の光景として受け入れてきた。

しかしこの「棋譜の奉納」という所作の存在を知り、「勝負」というものに対する考え方が大きく揺らいだ。

神に奉じられるのは、勝者で

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うちの社員は、ほんまに凄いんやぞ

うちの社員は、ほんまに凄いんやぞ

「なぁ、うちの社員は凄いんやぞ」

親父がそう自慢してくる度に、僕は心の中で「こんな地方の小さい会社に凄いやつがいるわけないやん」と小馬鹿にしてました。

親父は石鹸会社の社長です。社員数名。典型的な地方の零細メーカー。社長といっても、親父自身が製造もやるし営業もやる。いつも作業着を着て、油でどろどろになるまで働いてました。

(20代の頃の親父)

僕にはその姿はものすごく格好悪く見えたんです。

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放任と成長の幸福論

放任と成長の幸福論

アランの「幸福論」という本がある。僕は普段本を読んで泣きそうになることはあんまりないのだけれど、実はこの本はこれまでにないくらい感情がこみ上げた本だった。

その理由は少し特殊だ。というのも、いつしか実家の本棚に眠ってあった岩波文庫のかなり古いものを見つけて東京に持っていったのだが、読み進めてみると赤線がたくさん引かれてあることに気がついた。

僕は次第に理解した。それは、母が僕を産み育てている時

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「強者の理論」にはもううんざりなんだよ

「強者の理論」にはもううんざりなんだよ

努力が足りない。
熱意が足りない。
本当にやりたいと思うのであれば出来るはず。
こんな言葉が飛び交う世の中にうんざりする。

最初に言っておくと、「どれだけ努力したって夢は叶わない」的な話をしたいわけではない。
何かを出来なかった人を盲目的に追い詰めて傷付ける人が少しでもこの世から減ってほしいと思ってこれを書いている。

私は京大出身だ。兄は東大出身だ。ちなみに二人とも現役で合格した。

と言うと

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社会の憎悪を超える武器としての無知〜レペゼン地球セクハラ騒動を軸に〜

社会の憎悪を超える武器としての無知〜レペゼン地球セクハラ騒動を軸に〜

レペゼン地球炎上問題数ヶ月前、レペゼン地球という音楽グループがセクハラ騒動で大炎上したことがあった。私もこの件については一通り目にしてとても差別的だと思ったし、炎上後もどんどん煽っていくスタイルに嫌悪感を覚えた。ドーム公演が中止になったと聞いたときには正直「ざまぁ」とスッキリした。

まあ、Twitterの噂も72時間、ということでそのうち忘れていたわけだけど、本日、HUFFPOSTからDJ社長が

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どうせ世界はツラいけど、それでもウチらはギャルをやる "対人支援"の現象学的分析 ファッションデザイナー/YouTuber millnaさん①

どうせ世界はツラいけど、それでもウチらはギャルをやる "対人支援"の現象学的分析 ファッションデザイナー/YouTuber millnaさん①

現在私は、カウンセラーやコーチなど、様々な対人支援者に対するインタビュー調査を個人的に行っている。この記事は、インタビューの分析の過程と結果を、逐次公開していくものである。

ファッションデザイナー/YouTuber millnaさん今回は、ファッションデザイナーの「millna」さんにインタビューを行った。

millnaさんは、ロイター通信や日本テレビの「ズームイン・サタデー!」などの各種メデ

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あなたが正しそうなことを言えるのは、そこに当事者性がないから。

あなたが正しそうなことを言えるのは、そこに当事者性がないから。

※補足:この記事は、特定の人物の政策や政治信条の是非について論じるものではないことをあらかじめ記しておきます。

「おつかれさま」という当たり前先日、内閣総理大臣の職を辞任する意向を表明した安倍首相。病気を理由にした志半ばの退陣にさまざまな声が挙がりました。約8年間という長期政権、計り知れないストレスとの闘いがあったことでしょう。

ですが、ひとつだけ今回の辞任にあたり私がどうしても違和感をもった

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「傷つかない心」の危うさ

「傷つかない心」の危うさ

先日、Twitterで上のような発言が流れてきた。かつて悪口や批判に対して「相手にしなければ影響はない」「気にするのは他人に人生をコントロールされることだ」と表明していたメンタリストDaiGoさんが誹謗中傷に対する徹底抗戦の構えを見せたという、言ってみれば180°の方向転換について指摘するものだ。

「心の強さ」という概念に関しては私たちはまだ知らない部分が多いらしく、一定の持論や自負のある人がそ

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あなたは、あなたが笑う狂気のお陰で生きている

あなたは、あなたが笑う狂気のお陰で生きている

仕事は何ですか、と言われ「社会課題の解決のためにあれやこれやと頑張っています」みたいな話をすると、本当に様々な反応を受ける。
適当に相槌を打つ人もいれば、応援してくれる人もいる、色々な反応があっていいなと思う。

その中でも、一番多いのは「なぜ?」という純粋な疑問な気がする。
わかる、昔の自分だったら、多分そう聞くと思う。
例えば営業をしています、とか保育士をしています、とは全然違って、社会課題に

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「何かやりたい」という未熟な欲求

大学生の時から、暇さえあれば「何かやりたい」と思ってました。「何かやりたい」って「何者かになりたい」みたいに漫然としていて未熟な欲求に思えるんですが、正直に告白すると未だに「何かやりたい」と思ってます。特に、今は育休って言うのか分かりませんが娘が生まれたばかりで、仕事前倒しに終わらせて年内の仕事ほぼ終わって、仕事収めちゃったので、正月開けるまで「やらなくちゃいけない事」はありません、ほぼ。

大学

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“わかりやすさ”という病。 〜グレーゾーンが増える未来に〜

“わかりやすさ”という病。 〜グレーゾーンが増える未来に〜

こんにちは、岡山史興です。

今年の初め、Facebookにこんな投稿をしていました。

それからあっという間に時間が経ち、もう年末。

ようやくの公開となるのですが、なんとなくピンと来る方来ない方、ぜひ少しばかりお付き合いいただけたら幸いですーー。

今回のテーマについて考えるようになったのは、あることに対する悲しさからでした。

それは、

二項対立のチキンレース。

2018年から2019年

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エネルギーがない人が新しいことをはじめる時のコツみたいなやつ

昨日書いたブログが思ったよりもよく読まれました。ありがとうございます。

簡単にいうと「今がこれからの人生で一番若いんだから、今から何か行動するとよくなる可能性ってまだまだあるよ」的な感じです。

で、いろいろな反応を見させていただいたんですが、出てきた話として、「人生詰んだと思っちゃう人は、新しいことをするエネルギーが足りていないため、何も始められないのでは?」という指摘です。

これはその通り

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