木村祥一郎 / 木村石鹸

木村石鹸の代表取締役社長。1995年大学時代の仲間数名とIT会社。以来18年間、商品開…

木村祥一郎 / 木村石鹸

木村石鹸の代表取締役社長。1995年大学時代の仲間数名とIT会社。以来18年間、商品開発やマーケティングなどを担当。2013年6月にIT会社取締役を退任し、家業である木村石鹸工業株式会社へ。2016年9月、4代目社長に就任。最近「12/JU-NI」というシャンプーを発売しました!

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うちの社員は、ほんまに凄いんやぞ

「なぁ、うちの社員は凄いんやぞ」 親父がそう自慢してくる度に、僕は心の中で「こんな地方の小さい会社に凄いやつがいるわけないやん」と小馬鹿にしてました。 親父は石鹸会社の社長です。社員数名。典型的な地方の零細メーカー。社長といっても、親父自身が製造もやるし営業もやる。いつも作業着を着て、油でどろどろになるまで働いてました。 (20代の頃の親父) 僕にはその姿はものすごく格好悪く見えたんです。そういう姿に憧れて、父と同じ道を歩みたい、と思う人もいるのかもしれませんが、僕は

    • チロル堂の「まほう」の素晴らしさ

      チロル堂は、奈良生駒でスタートした駄菓子屋です。2022年のグッドデザイン大賞も受賞しているので、名前は知っているという人も多いかもしれません。このチロル堂の仕組みや立付けが、ほんとに素晴らしいので、一人でも多くの人に知って貰ったほうがいいなと思って、大した力にはなれないかもしれないですが、このnoteを書いてます。 チロル堂は色んな子供たちが集う駄菓子屋なのですが、「まほうの駄菓子屋」と称してます。何が「まほう」なのか。この「まほう」が素晴らしい仕組みなのです。 チロル

      • 自分の思い通りにいかないことより、何かを強制・強要される方が辛い

        人は「自分の思い通り」にいかないことに憤りを感じるのではなく、誰かから何かしらを強要され、自身の自由度が狭まることの方にこそ恐怖を感じるし、憤りを覚えるものなのではないかなと思います。 だから、別に自分がしたい仕事ができてなくても、与えられた仕事には、ちゃんと取り組めるし、取り組んでいるうちにだんだん面白く感じられてくる。 でも、たとえば、当日の朝に上司から「緊急なんやけど、これこれを今日〇時までやっといてくれ」と半ば強制的にお願いされる時には、憤りを感じたり、やる気を挫

        • 商品開発では当事者の覚悟も大事

          この記事で初めて知ったんですが、今発売している12/JU-NIのヘアミルク、社内アンケートの評価はあまり高くなかったみたいです。 もし仮に、社内のアンケート評価が良くないからという理由で、もう少し評価上がるように改良しよう、少なくとも過半数ぐらいは良い評価になるようにしよう、平均点を上げないと、なんてことをやってたら、どうだったのかな、今のヘアミルクみたいな商品が出来てたのかな?って思うんです。 商品化の時に、大事なことは、当事者がその商品に納得できてるか、自信を持ててる

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          それでも今回はクラファンを選択した

          実は、新商品のリリースにクラファンを使うのは、もうやらないつもりでした。僕らは12/JU-NIシャンプーで初めてMakuakeを使わせてもらい、それで自社ブランド事業の展開が大きく飛躍しました。なので、Makuakeには凄く感謝しています。 ただ、昨今のクラファンの盛り上がりや活用を見ていて、もう自分達としてはあまりこういうプラットホームを使うべきではないではないか。そんな風に考えてました。理由は色々です。自分達のメリット、デメリットみたい話もあれば、ここまでクラファンが普

          それでも今回はクラファンを選択した

          会社の論理と個人の幸せは対立するか?

          昔、ある人からこんなことを言われたんです。 当時は、こんな風に言われても明確に違うと反論することは出来ませんでした。会社経験も人生経験も豊富な先輩に「会社はこういうもんだ」と言われたら、何も言い返せなかったんですね。凄く違和感はあったんですが。 経営がない会社に経営をインストールした 木村石鹸に戻ってきた時は、僕は完全に「会社」を立て直す、というモードだったので、最初は個人の思惑とか好き嫌いとかは基本聞き入れず、とにかく「経営」を優先させようと考えていたんです。社員のこ

          会社の論理と個人の幸せは対立するか?

          ちいさな会社のおおらかな経営

          すんません。宣伝で恐縮ですが、実は、本を書きました。9月27日発売です。 今週末、9月28日、29日に100周年イベントを僕らの三重県伊賀市の工場「IGA STUDIO PROJECT」で開催しますが、そちらでも冊数は限られますが販売しますので、もし100周年イベントに行くって方はそちらで検討頂いても構いません。 この本に収録されている文章は、元々ブログやnoteで発信していたものを下敷にしています。正直なところ、本にするつもりは全くありませんでした。僕は、けっこう影響を

          ちいさな会社のおおらかな経営

          エフェクチューション的な何か

          先日、ネットラジオでとても面白い話を聞きました。 (そのラジオ番組が何だったかわからなくて、URL貼れないのです。すいません) 浜松に京丸園という13代続く農家があります。 ここの鈴木厚志社長は、若い頃は「俺は強い農業をつくるんだ」と情熱を燃やしてたそうです。そのためにはもっと農業を工業化して、生産量を増やしていく必要がある。そんな風に思ってた。ところが人を募集しても全然来ない。 工業化・効率化を進めるにも、機械を操作する人はいる。でも、そういう人が来てくれない。どうし

          エフェクチューション的な何か

          何も分からないところから始めても

          前職時代は「やったことないこと」ばかりやらないといけない状況でした。 創業メンバーの誰一人、社員として会社で働いた経験がなかったので、仕事の進め方とか基礎的なことを何も知らなかったのです。 これは本当の話ですが、初めてお仕事を頂いた時に発注先の会社さんから「請求書下さい」と言われて、その時初めて請求書というものの存在や必要性を知ったぐらいです。(そんなの社会人経験なくても知ってて当たり前、一般常識だろうと思うかもしれません。言葉の意味は勿論知ってたんですが、でも、本当によく

          何も分からないところから始めても

          木村石鹸は創立100周年を迎えました

          本日、2024年4月1日、木村石鹸は創業100年を迎えることができました。 加えて、木村石鹸のちょっと変わった制度の一つ「親孝行強化月間」も25年目を迎えました。今日はしかも、今年の新卒2名の入社式もあり、めでたいことずくしの4月1日です。 天気も良くて、春らしい陽気に包まれたこんな日、こんな素晴らしいタイミングが重なったのは、木村石鹸という会社の持つ「幸運」だなぁと思います。 今日は久々に朝礼をしました。コロナ前までは、毎週月朝は八尾本社の1Fに集まって朝礼をやっていた

          木村石鹸は創立100周年を迎えました

          すっきりするまでコミュニケーション

          チームとか部門が分かれて、業務や役割の専門性が高まって、役割が分かれてるくると、ちょくちょく出てくるのが、「中途半端なコミュニケーション」による問題です。 例えば、こんなことはないでしょうか。 商品開発の部隊と、それを販売する営業部隊があるとします。 ある商品を販売してく中で、営業はお客さんから色んなクレームを受けます。その中で、どうしても改善して欲しい問題、物理的に改善できなくはないので次の商品リニューアル時には改善して欲しい問題が見つかりました。 営業は商品開発部隊に

          すっきりするまでコミュニケーション

          ブランドづくりをしながら悶々と考えたことを取りとめもなく書いておく

          日々ブランドづくりに取り組み、ブランドとは何にかとか、どうすればブランドになるのかとか悶々と考えてます。まだきちんと整理もできてないし、まとまってもないですが、現時点で思うところを一旦言葉にしておきます。 

          ¥300

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          ネガティブな声、批判者、後ろ向きな人の必要性

          新しい取り組みにネガティブな人や、批判していくる人にどう対応したらいいのか、どう扱ったらよいのか。そんな質問をよく受けます。 前提としては、ケースバイケースだろうと思うし、こうすれば良い、みたいな唯一の解決策なんて便利なものはない、とは思うんですが、僕自身はこんな風に考えるようにしてます。 まず、極端な状況を考えて見るんですね。 誰もネガティブな人がいない、批判一切なし、全員賛同、みたいな状況はどうなのか。これってどう考えても健全じゃないなと思うんです。 言いたいけど言え

          ネガティブな声、批判者、後ろ向きな人の必要性

          映画「桐島、部活やめるってよ」はすばらしい青春映画

          (2013年2月に別のブログに書いたものを一部加筆修正して転載しました。) 観てよかったー。これはなんともいえない感動だ。しかし、この感動をきちんと説明するのは難しい。わかりやすく胸にジーンと来るようなストレートな「感動」ではないからだ。これは、明らかに新しいタイプの青春映画なんだと思う。青春が持つ空虚さや孤独を実に巧みに描くことに成功している。観てて何度も息が詰まりそうになった。今、青春映画が成立するとすれば、こういう形でしか成立しえないのではないかと思う。 以下、完全

          映画「桐島、部活やめるってよ」はすばらしい青春映画

          会社をたのしむ。らしさを追求する。

          前職時代、2007年に経営メンバーに送ったメールがでてきた。 創業から10年以上経ち、少しづつ事業も大きくなり、社員も増え、組織づくりも進めて、「ちゃんとした会社」(という妄想)になろうと色々試行錯誤、模索してた時。 読み返しても、なんちゅう青臭さなんだろうとは思うんです。自分は「変な人」だ「変わった人」でありたいと願ってる凡人みたいな感じですかね。そもそもメール長すぎやろと思います。ストレングスファインダーの「内省」資質強めの人の特徴ですかね。 でも、まぁ青臭いけど、今も考

          会社をたのしむ。らしさを追求する。

          マネジャーとプレイヤーの分離~マネジメントは誰が担うのか?

          プレーイングマネジャー問題ってのがあると思います。 マネジメントを担う人間が、プレイヤーとしても優秀で、プレイヤーとしても活躍する。そうすると、本来、マネジメントに使うべき時間が取れなくなるという問題です。 前職でもその問題にぶち当たりました。 ベンチャーだったということもあり、創業期は社長も含めて全員がプレイヤーです。創業期なんてそもそも人数も少ないし、マネジャーなんか要らないわけです。 ところが、人が増えてきたり、対外的な仕事も今までのノリでは通用しないようなシビアなも

          マネジャーとプレイヤーの分離~マネジメントは誰が担うのか?