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一乗谷アラカルト 37

一乗谷アラカルト 37

「一乗谷アラカルト34」に続いて、私の昔のメモ書きから写真家の山口高志氏のお言葉を記したい👇

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「そうあれかし」と人生は。

「そうあれかし」と人生は。

 その日、息子は慟哭しました。

 4歳児の小さな体躯を縮めながら、積もりに積もった思いの丈を絶叫しました。

「おれのジンセイはサイアクだ!!」

 戯言と聞き流すことのできない緊迫した空気を、彼はその身に纏っていました。

「おれ、の、じんせいは、さい、あくだ。」

 彼は同じ台詞を再び言葉にしましたが、嗚咽が混ざって先程よりも細切れに掠れた声でした。その夜、妻は外出していましたから、部屋には

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生きていくうえで全く必要の無い無駄知識 その4

生きていくうえで全く必要の無い無駄知識 その4

前回から1年半ぶりとなりました。
今回も冷たいものでも飲みながら気楽にどうぞ。

キナ臭い・・・

僕が学生の頃は、卒業式の定番といえば蛍の光でした。
ほとんどの人は歌ったり聴いたりしたことがあるかと思います。
1番の終わりは 「あけてぞ今朝は 別れゆく」ですね。

2番まで歌う事はあまり無いかと思いますが、中学生の頃は歌わされた気がします。こちらは「さきくとばかり 歌うなり」で終わります。

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白揚社だよりvol.19 科学読み物研究家・鈴木裕也の書評で読む『イエローストーンのオオカミ』

白揚社だよりvol.19 科学読み物研究家・鈴木裕也の書評で読む『イエローストーンのオオカミ』

一般向けポピュラーサイエンス読み物を読み漁り、書評を書くライター・鈴木裕也さんが選んだ、イチオシの本を紹介するコーナーです

(白揚社の書籍に挟んでいる「白揚社だよりvol.19」からの転載)

荒れ果てた生態系の回復のため放たれた野生のオオカミたちの感動の記録読み終わって本を閉じるときに、これほど満ち足りた気持ちになったことはなかった。まるで、良質な野生動物のドキュメンタリー番組を見終わったとき

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一乗谷アラカルト 34

一乗谷アラカルト 34

  滝

 私の写真は独学我流ですが、多くのプロの写真家さんの著作物を読んだり観たりして、生意気にもその「いいとこ盗り」を自分の学びにしてきました。

 随分昔のことですが、確か写真家の山口高志氏だった思います。インターネットでお書きになっていた記事を私が手書きでメモした紙片が出てきました。(最近、終活の一環としてHDや書き物を整理しています。)

 その一部を紹介させていただきます。氏曰く、

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東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話

東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話

「好きなことで生きていく」ため会社をやめて
「好きなこと」が見つからずに5年がたった。

ウケる。

いや、ウケている場合ではない。

会社員 → 地方移住 → フリー を経て、
はては芸人までやって30代無職にいたる、
色々ためしたけど何もモノになってない感じは、「現実」という名の銃口をぼくの額につきつけている。

こ、これがゲンジツ...

地に足をつけて仕事がんばるか...

と、ならないの

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臓器スリーアウト、人生交代説

臓器スリーアウト、人生交代説

 不穏な表題から不謹慎な話を展開します。

 十数年の臨床経験の中で病を通して多くの人生と死に関わってきた医者の、ひとつの仮説です。
 

 これに尽きます。

 何故か。

 苦しいからです。助からないからです。現代医療の限界です。望まない侵襲的医療によって終わらない苦痛の業火に焼かれていく様は地獄と同義です。こんなはずではなかったと嘆く無責任な家族は患者本人から目を背け、意思疎通の手段を失った

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姉妹の仇討ち(前編)

姉妹の仇討ち(前編)

今回は宮城県に伝わる、姉妹の仇討ちの話を追って、福島県境にある白石市に行ってきました。

皆さんは白石噺と呼ばれる、姉妹の仇討ちのお話をご存じでしょうか?
これ、話としては実によくできた面白い話なのです。
白石を治めた片倉家と白石城のことも含めて書いていきたいと思います。

まずは白石市の位置関係です。

白石には白石城というお城があります。
ここは代々片倉家が治めてきました。片倉家といえば伊達政

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ベテラン翻訳編集者がやっと出会った、超ド級の物語【編集者通信】

ベテラン翻訳編集者がやっと出会った、超ド級の物語【編集者通信】

7月30日に待望の 日本語訳が発売となった、ミン・ジン・リーさんの『パチンコ』。本作はアメリカで100万部突破のベストセラーとなりました。
担当編集者の永嶋俊一郎が、本作についてお話しします。
20年来の翻訳出版担当者に「ついに見つけた!」と思わせた本作の魅力とは...…?

なお、本の話noteでは、9/23(水)12:00まで、第1章・第2章が絶賛特別公開中です! (※公開終了いたしました)

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継続するコツ 第7回 作るとは自分が得意な方法が何を知ること

継続するコツ 第7回 作るとは自分が得意な方法が何を知ること

 前回書こうとしてたら書きそびれて、脱線してしまったので、もう一回書くことにしましょう。継続していくと、こういうことが起きます。作るという行為は、何かの目的のために一目散にやっているわけじゃなくて、作っている最中の自分ってのはその都度変化しているわけです。こうやって書きながらも、毎秒変化している。頭の中にあるものは固まった何かではなく、ウニャウニャと動いてます。それを外に出すと、その都度変化する、

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明日死ぬかもしれないと思って生きること。

明日死ぬかもしれないと思って生きること。

「明日死ぬと思って生きなさい。」

かつての偉人がこんなことを言ったらしい。

今でも、この競争社会を駆け上がった者たちは、同じフレーズを口にする。

このフレーズ、頭ではよく理解できる。

昨日までの人生を悔いなく生きられているかというと、そんなわけがない。なので、今日からの人生はもっと悔いなく生きたいと、いつもそう思う。

けれど、どうしても心では、もやもやとした違和感が生じてしまう。

いく

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お父さんは私のこと大好きなんだって

お父さんは私のこと大好きなんだって

前回の記事を出してから。
いろいろと考えて、あきらめる方法を見つけたいと思ったけど、

(これは私が自分のことを「ここが好きだ!」とはっきり言えるところでとても気に入っている特性なんだけど)

ややこしいから会って話して、わかりやすくぶつかってみることにした。手っ取り早く、結論をだすことにした。 

私は、長く同じことを考えていられない。頭の片隅に置いて、悩み続けることや恐れ続けることはとても得意

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先祖が住んでいた土地に初めて行って来た話

GW終わり、新潟に帰省していました。

最近は新潟駅がどんどん新しくなっていて、少し寂しくもありますが、正直助かる面も多いですね。
昔の新潟駅はやけに階段が多くて、バリアフリーも何もあったものじゃなかったのですが、今の新潟駅なら多分大丈夫。

帰省2日目。
午前中、父とお墓参りに出掛けました。

いやあ、墓地の草がボーボー祭り。

お花など供えてあるお墓は少なく、本当に数える程度。
まあ、我々も普

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