記事一覧
エッセイ|星に向かって
最近は、大学の成果展に向けての制作で、午後はずっと大学で作業をしている。
工作室にこもりきりだと、外の空気を吸いたくなって、よく大学周りを散歩する。
外を歩いていると、秋の涼しい空気が頬を撫でて、気持ちがいい。
大学に延長届を出して、日が暮れるまで作業をした後、ひと段落ついたため、すっかり暗くなった外に出た。
やはり空気が爽やかで澄んでいて、とても気持ちがいい。
田舎にある僕の大学のキャ
森山大道に感じる深み
巨匠は若い頃から自分の仕事に無我夢中で貪るようにのめり込んでいるものなのだろう。そしていつか理屈で捉えられないものも捉えることができる目を手に入れることができる。それは、とても魅力的だ。おれも自由に豊かに世界を見たいし、感じたい。森山大道は、それができているのだろう。芸術に自分がなみなみならぬ魅力を感じるのも、そこに理屈では掬い取りきれないたくさんの感覚があって、そこは世界の深淵の門のような、踏み
もっとみる吉祥寺駅のプラットホームにて
ジャンバーのポケットに入れていたホットレモンのペットボトルの蓋が緩かったみたいだ。ポケットに突っ込んだ左手から生ぬるい液体を感じた。だんだんジャンバーが湿ってきて残念に思う。
今、電車が通り過ぎた、と錯覚するくらい強くて冷たい風が頬を打つ。無意識に足踏みをしてみる。あんなに帰りたくなかった自分の家に早く帰りたいと思ってしまっていた。私は電車が来るまであと五分くらい待たなければならなかった。私の