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「全部みる」シリーズのすべて~または私達は如何にして映画の光を信じて作品を観ようと思ったか~
はじめに
私たちがこの企画を始めたのは「何かを達成したい」という気持ちからであります。
例えば、金熊賞の作品を全部観た人はどれくらいいるでしょうか。
それを達成できれば私たちはもう一段上へと登っていけると思うのであります。
ここでは映画祭や映画賞で受賞した作品を全制覇することを目的とし、評価とレビュー、対談を交えて一記事とします。
この企画が何かの役に立てば幸いです。
メンバー
〇おい
ディアオ・イーナン監督『薄氷の殺人』ビビッドな中国ノワール
<作品情報>
<作品評価>
85点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
おいしい水
好きっていう結論以外思い浮かばないです。
今でもなにがすごいのか未だに分からないんです。ストーリーはよくあるファムファタルものですし、特徴的な撮り方とかそういうわけでもないですし。なんでしょう。
やはり監督の計算し尽くされたストーリーテリング、何気ないけどこれまた計算され尽くした撮影と美術、
カリン・ペーター・ネッツアー監督『私の、息子』風変わりなルーマニア映画
<作品情報>
<作品評価>
85点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
おいしい水
原題「Child's Pose(胎児の姿勢)」が示すのは公式サイトによると「子どもが母親の胎内で丸まっている姿勢。親が子を育む愛情が、実は子どもを窒息させていること、親が子供の人格形成に傷跡をあたえているという、現代社会の抱える普遍的なテーマ」を示しているそうです。
ベルリン映画祭ってやっぱ
アンソニー・ミンゲラ監督『イングリッシュ・ペイシェント』壮大なラブストーリー
<作品情報>
<作品評価>
55点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆
<短評>
おいしい水
スケールの壮大さは認めますが、「はぁ…だから何なんすか…」としか思えなかったです。
全てが淡々と薄味で進んでいくのがつまらないんですよね。美しいシーンもあるがいかんせん薄味すぎて印象に残りません。
ジュリエット・ビノシュのキャラクターの必要性が分からなかったです。いてもいなくても変わらなくな
ピーター・ボグダノヴィッチ監督『ラスト・ショー』アメリカン・ニューシネマの名作
<作品情報>
<作品評価>
60点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆
<短評>
おいしい水
思ったよりずっといい作品でした。ボグダノヴィッチ監督らしい叙情的な演出が光る秀作です。
アカデミー賞を受賞した二人は確かに美味しい役どころです。街のボス的なサム、高校生と不倫するルース。サニーとデュエーンというタイプの違うイケメン、ジェイシーという狡猾な女性という描き分けができています。
寂
熊井啓監督『海と毒薬』骨太な社会派サスペンス
<作品情報>
<作品評価>
75点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆
<短評>
おいしい水
若き日の渡辺謙がW主演でやっぱりカッコいいな〜
医学における倫理観をめぐる対立、医学部長をめぐる争いとか最近見た『白い巨塔』に似てるなと思いました。しかしそっちで善良で正直な医者を演じていた田村高廣がこっちでは正反対の役でそこも興味深いです。
手術室の床にはる水、そこに落ちるガーゼなどケレン
スティーブン・ソダーバーグ監督『セックスと嘘とビデオテープ』風変わりなヒューマンドラマ
<作品情報>
<作品評価>
65点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆
<短評>
おいしい水
非常に奇妙で風変わりな作品、まるでヨーロッパ映画とアメリカ映画を折衷したような感じです。
セックスレスな夫婦と夫と不倫してる妻の妹、そこに夫のかつての親友が入り込むことで波紋が広がります。
夫と妹がマジクソすぎてイライラしたんですが、最後はまあそうなるわなと。収まるべきところに収まった感じで
デヴィッド・リンチ監督『ワイルド・アット・ハート』変人だらけのロードムービー
<作品情報>
<作品評価>
70点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆
<短評>
おいしい水
デヴィッド・リンチ監督×ニコラス・ケイジ×ローラ・ダーン×ウィレム・デフォーという時点で好きに決まってます。
母親を演じたローラ・ダーンの実際の母であるダイアン・ラッドもアカデミー賞助演女優賞にノミネートされただけあって強烈でした。
男女の逃避行もので割とすいすい話は進んでいくのですが、出会
ボブ・フォッシー監督『オール・ザット・ジャズ』めくるめく自伝的名作
<作品情報>
<作品評価>
60点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆
<短評>
おいしい水
自らの死期を悟ったボブ・フォッシーが命を削るようにつくった自伝的作品です。単純なミュージカルではなく、自らの過去を振り返る幻想のような形でミュージカルシーンが挟まれます。
やはりミュージカル出身監督だけあり、迫力あるミュージカルシーンは文句のつけようがないほどきらびやかで独創的です。
ロイ・
ジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ノンストップ活劇大作!
<作品情報>
<作品評価>
95点(100点満点)
オススメ度 ★★★★★
<短評>
おいしい水
人殺しながら行って帰ってくるだけなのになんでこんなに面白いんだろう?
映画の面白さってこうですよね。『バーフバリ』に近いものを感じました。美術、キャスト、演出、全てが素晴らしすぎます。
前作みてないですし、一回見ただけじゃ細かいところまで語れないですね!!とにかく面白かったです!!
吉原
黒沢清監督『スパイの妻』真実はどこに?緊迫感あふれるサスペンス
<作品情報>
<作品評価>
80点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
おいしい水
銀獅子賞とか抜きにして普通に映画としてめちゃくちゃ面白い!お見事!いや、ほんとにあっという間でした。
戦争の話ではありますが、夫婦の疑心暗鬼合戦がとにかくおもしろいです。とはいえ黒沢清にしては独特のホラー演出はあまりみられなかったのですが、セリフの間や沈黙、カメラワークが素晴らしく、全体に終
ロバート・アルトマン監督『ショート・カッツ』全てが繋がっていく群像劇
<作品情報>
<作品評価>
65点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆
<短評>
おいしい水
長い!ロバート・アルトマンはあまり合わないかもしれません。物語がどうこうというよりも長くて飽きてしまいました。
10組の夫婦を断片的に描き、微妙に重なっていくという脚本はすごいと思います。しかもジャック・レモン、ジュリアン・ムーア、フランシス・マクドーマンドなど主役級のキャストで。
その中で
ヤスミラ・ジュバニッチ監督『サラエボの花』ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が残した傷跡
<作品情報>
<作品評価>
75点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
おいしい水
大傑作『アイダよ、何処へ?』の監督ということで期待していました。そしてその期待に違わぬ秀作でした。とてもいい。
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が残した傷跡を切実に描いています。シングルマザーの女性と娘を描いたシンプルな作品ですが、深い傷跡を観客にも残します。
内戦ものは辛くてあまり観ないのです
ジョン・シュレシンジャー監督『真夜中のカーボーイ』都会の孤独を描いたニューシネマ
<作品情報>
<作品評価>
80点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
おいしい水
素晴らしい!これは映画としてすごく面白く、そして革新的です。もろアメリカン・ニューシネマのこの作品がアカデミー作品賞とれたという事実が驚きしかないですね。
時系列関係なく、というか未来に起こるかもしれないことまでごちゃまぜにしたフラッシュバックの編集の迫力が凄いです。多くを言葉では説明しない