【ぶんぶくちゃいな】香港の叫びを忘れない:「理大囲城」から「時代革命」、そして台湾

【ぶんぶくちゃいな】香港の叫びを忘れない:「理大囲城」から「時代革命」、そして台湾

「中国ニュースクリップ」でもご紹介した通り、10月14日まで行われていた山形国際ドキュメンタリー映画祭のコンペティション部門で、2019年に香港で起きた一連のデモの大きな山場となった、香港理工大学包囲事件を描いた「理大囲城」が大賞にあたる「ロバート&フランシス・フラハティ賞」を受賞した。 今年は同映画祭がオンライン上映としてくれたおかげで、わたしも自宅にいながらにしてやっとこの「理大囲城」を観ることができた。 理工大学包囲事件は2019年に香港で吹き荒れたデモの嵐とそれに

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映画「パルプ・フィクション」レビュー

映画「パルプ・フィクション」レビュー

パルプ・フィクション(原題:Pulp Fiction) 第47回カンヌ国際映画祭パルム・ドール 第67回 アカデミー脚本賞 第52回ゴールデングローブ賞 脚本賞 など <監督> クエンティン・タランティーノ <出演> ジョン・トラボルタ サミュエル・L・ジャクソン ユマ・サーマン ハーヴェイ・カイテル ティム・ロス アマンダ・プラマー ブルース・ウィリス など <公開> 1994年10月14日(米国) 1994年10月8日(日本) ■紹介文 この作品を紹介する段

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聞こえる音、聞こえない音。「ドライブ・マイ・カー」、濱口竜介監督
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聞こえる音、聞こえない音。「ドライブ・マイ・カー」、濱口竜介監督

 イタリアで日本の映画はしばしば「静」の美と捉えられる。  日本の映画が実際に全てそうというわけではないけれど、特に映画祭に出品されるような映画は確かに、特に、音の少ない、(そしてしばしば全体のテンポがゆったりした)作品が多いように思う。そしてそれは、それを「美」と認識できる人にとっては圧倒的な「美」であり、不慣れな人にとっては不安と戸惑いを招く。  …Baby, you can drive my car♪   村上春樹原作で「Drive My Car」というと、ビートル

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【TIFF作品紹介③】〜闘う母親の思い〜
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【TIFF作品紹介③】〜闘う母親の思い〜

第34回東京国際映画祭の「コンペティション部門」に選出された計15本の作品を、7回にわけて紹介していく企画✍️ 3回目となる今回は、闘う母親の思いを描いた2本の作品を取り上げ、それぞれの注目ポイントについて語っていきますよ🌟 ①『市民』 ②『もうひとりのトム』 ①『市民』 最初に紹介するのは、第74回カンヌ国際映画祭のある視点部門でCourage Prize賞を受賞した『市民』という作品です! [作品解説] 組織犯罪に巻き込まれて行方不明になった娘の行方を捜すシエロ

シャンタル・アケルマン『ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン』ジャンヌ・ディエルマンの生をめぐって
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シャンタル・アケルマン『ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン』ジャンヌ・ディエルマンの生をめぐって

本作は、物語ること、共有することのアイデンティティの損失を軸に、蓄積する不安やストレスが惹き起こす閉塞性に囚われる女性の三日間を描く。 1 ジャンヌ・ディエルマン(以下ジャンヌ)は編み物をしようと、そのときの気分に応じるものとしてラジオをつけたのだが、流れだした『エリーゼのために』は、終始、ジャンヌのためのメロディであり、映画それ自体に活かされることはなかった。つまり『エリーゼのために』は機械に落とし込まれた多様性の一端に過ぎず、必要に応じ、そして与えられた時間にだけ機能

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映画「タクシードライバー」レビュー

映画「タクシードライバー」レビュー

タクシードライバー(原題: Taxi Driver) 第29回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品 <監督> マーティン・スコセッシ <出演> ロバート・デ・ニーロ  シビル・シェパード  ジョディ・フォスター など <音楽> バーナード・ハーマン <公開> 1976年2月(米国) 1976年9月(日本) ■紹介文 これは主人公トラヴィス・ビックルの危うい精神を描いた映画。 トラヴィスの顔や身体は映るし、彼のいない場面もあるので、完全なる一人称ではないが、

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Farid Bentoumi『Red Soil』赤い大地は不正の証拠
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Farid Bentoumi『Red Soil』赤い大地は不正の証拠

カンヌ・レーベル選出作品。父親のコネで彼が労組代表を務める工場で産業看護師として働き始めたヌールが工場の不法投棄に気付く話。『エリン・ブロコビッチ』や『Dark Waters』と比べている人もいたが、本作品の主人公は弁護士ではなく産業看護師なので、分けるならそれらの前段階に相当し、普通なら冒頭で描けちゃうことにドラマを(無理矢理)見出していく構造になっている。そのため、内容が90分とは思えないほど薄い。問題を調査/告発するかしないか、という対立は従業員の仕事を守るべく沈黙を選

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【PODCAST】その33前編 「不穏と奇跡が映り込んでいる映画『ドライブ・マイ・カー』」

【PODCAST】その33前編 「不穏と奇跡が映り込んでいる映画『ドライブ・マイ・カー』」

はい、『映画雑談 その33』は、『寝ても覚めても』の濱口竜介監督が村上春樹の原作を映画化した『ドライブ・マイ・カー』です!昭和的アイデンティティを持つおっさんの心の旅を不穏さと不安定さで描く物語。カンヌ4冠を奪取!音楽は石橋さんです。 ※『映画雑談』では皆様からのお便りをより強力にお待ちする為にメールアドレスを開設致しました。もちろん、今まで通りコメント欄にコメント頂いても大丈夫ですが、「長めのおたよりを出したい。」、「人に言えない悩みを聞いて欲しい。」などと言う方は是非こ

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心の闇にいくつもの現実が交錯、『ドライブ・マイ・カー』

心の闇にいくつもの現実が交錯、『ドライブ・マイ・カー』

こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです! 濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(2021)を観てきました。3時間ということで覚悟して行きましたが、意識が飛ぶこともなく見入ってしまいました。見終わって、3時間必要な作品だったな、とも感じています。 映画公式サイトで、『Hollywood Reporter』(米国の映画雑誌/ウェブ)が本作をロードムービーと表現していたのですが、若者が旅に出て成長するのとちがって、中年は旅に出ても苦悩するしかない、そんな人生の(ほろ

長い夜を生き延びるために、映画「ドライブ・マイ・カー」
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長い夜を生き延びるために、映画「ドライブ・マイ・カー」

並べられた幾つかの偶然と必然によって、生き残った者と死者に人は選り分けられてしまう。人と人の間に、分けるための線が引かれる。一本の線が。 それが宿命と呼ばれるものなのかどうなのかはわからない。宿命という言葉以外に、その事柄に相応しい呼び名が存在しているのかもしれない。しかし、それをどのように呼ぶことにするのか思い悩むことも、あるいは、そうした呼び名を用いることを忌み嫌い避けようとすることも、殆ど意味の無い事柄にしかすぎない。 なぜなら、それが宿命であろうが、なかろうが、人

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