カンヌ映画祭2024日記 Day5
18日、土曜日。6時起床からの、ルーティンを経て、上映へ。本日も晴れ。気持ちいい。
8時半から、コンペのヨルゴス・ランティモス監督新作『Kind of Kindness』(扉写真/Copyright Searchlight Pictures)。これは、既に『憐みの3章』というタイトルで日本の公開が決まっているのですね。50分ほどの短編3本からなり、2時間45分。しかし全く時間を忘れる面白さで、僕は3本目が終わった時に、4本目無いの?と思ったくらい。3つの異なる物語を、同じ俳優が演じている。エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、ジェシー・プレモンス。その中でもメインになるのは、ジェシー・プレモンスか。全く異なる3つの顔を見せてくれる。そしてもちろん、エマ・ストーンは素晴らしい。
奇怪な物語の連作で、表面通りに面白さを受け取っていいのか、現代人への警鐘と深読みすべきなのか、極上の鑑賞後感を堪能できる。例えが古くて恥ずかしいけど、「トワライト・ゾーン」を思い出す。日本公開もあるし、何も知らなければ知らないほど楽しめるので、内容については書かないでおこう。
11時半から、マーケットの「アジアン・プロデューサーズ・ネットワーク(APN)」のプレゼン企画を傍聴する。スタジオ4℃さんやバンダイナムコさんを含むアジアのプロデューサーたちが自社IPをプレゼンする場。みなさんプレゼンが巧みで素晴らしい。
13時に終了し、いったんホテルに戻り、急きょ見なければならないことになった作品をオンラインで見始める。時間足りず、いったん中断。
15時から、メイン会場でコンペのジャ・ジャンクー監督新作『Caught By the Tide』。21世紀に入ってからの中国を、前半は庶民たちによる歌謡やカラオケや踊りや爆音EDMなどで繋いでいく音楽映画の趣で振り返り、後半は2022年のパンデミック中国に舞台を移し、この20年余りをジャ・ジャンクー特有のスケール感で綴っていく。時代をまたぐラブストーリーであり、都市と雄大な山河を進むロードムービーでもある。ジャ・ジャンクーの広大な空間の捉え方を、久しぶりに堪能。
17時から、APNの企画の一環である、アジアと南米のプロデューサーの懇親イベントに参加する。まずは、アピチャッポンの『メモリア』を共同製作した台湾とコロンビアのプロデューサーが登壇して、ケーススタディ的トーク。それから懇親ドリンク。僕は次があるので、18時半に座を辞する。
19時に移動し、ある日本の映画会社の方から招待を受けたディナーに参加すべく、集合場所へ。車で移動し、素晴らしい立地のレストラン。まともな食事をするのは3日振りなので、それだけで泣きそうなところに、こんなに素敵な料理を頂いて、感涙にむせぶ。写真は、極上ラムの1品…。
『ぼくのお日さま』が「ある視点」部門に出品されている奥山大史監督も来られていたので、記念写真を。いよいよ明日がワールドプレミア。大盛況を祈ります!
宿に戻り、0時半。パソコンに向かって昼に中断していたオンライン作品見るものの、完全に寝落ち。パソコンの前で気付くと2時。慌ててベッドに入る。
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