矢田部吉彦

東京国際映画祭で作品選定ディレクターを担当していました。2021年4月よりフリーランス…

矢田部吉彦

東京国際映画祭で作品選定ディレクターを担当していました。2021年4月よりフリーランス。大抵映画のことを考えてますが、ランニングしたり、落語行ったり(自分でやったり)もします。

最近の記事

トロント映画祭2024日記 Day10

14日、土曜日。6時起床。4時間半熟睡して気分は爽快。日本でもこの睡眠時間で行動できたらいいのになあ。そんな海外マジックも、本日が最終日。 実は、今朝は『Russians At War』というウクライナ戦争のドキュメンタリーのチケットを取っていたのだけど、2日前に上映中止を知らせるメールが届いていた。本作については、ウクライナ侵攻戦争中のロシア兵の人間的な側面が描かれているとのことで、ロシアのプロパガンダだと批判する声が上がっていたらしいことを、知人から聞いていた。1回目の

    • トロント映画祭2024日記 Day9

      13日、金曜日。3時間寝て7時45分起床。熟睡したからか、意外にすっきり。速攻でシャワー浴びて、8時15分に外へ。本日も良い天気。日中に20度は越えてきそう。結局映画祭中にコートが必要だったのは中盤の3日間だけだったみたい。やはり9月はなかなか難しい。 9時にセントアンドリュース駅到着。コーヒーとサンドイッチを買って「Scotiabank」シネコンに急ぐという、毎日のルーティン。 本日1本目は、9時15分から、ルカ・グアディアーノ監督新作『Queer』(扉写真/Copyr

      • トロント映画祭2024日記 Day8

        12日、木曜日。5時半に目覚めてしまい、本日はスタートが少し遅いのでもうちょっと寝たいところだったけど、2度寝できる気配が無いので、起床。本日の上映の確認をする。 最初は煩わしいいと思ったトロントのチケットシステムだけれど、慣れてみるとそれなりに便利。マーケット登録者には事前に割り当てられた25枚の無料予約の権利に加え、毎朝8時に当日券にアクセスできる。また、既に予約した25枚のうち、総数を増やさない形で、チケットを別の上映のものと交換することができる。つまり、映画祭が後

        • トロント映画祭2024日記 Day7

          11日、水曜日。4時半就寝で6時半起床。これはもうほとんど徹夜だな。それでも起きられるのだから、時差ボケマジックがまだまだ有効だと、自分を信じ込ませて頑張ろう。 バタバタしながら家を出て、セント・アンドリュース駅の近くのスタバでコーヒーとマフィンサンドを買って、TIFF Lightboxの建物に8時半に到着。8時45分からの関係者向け上映(P&I上映)に、もっと早く駆け付けたかったのだけど、深夜のミーティングを経てからのスケジュールでは、もうこれが精一杯だ。長蛇の列が出来

        トロント映画祭2024日記 Day10

          トロント映画祭2024日記 Day6

          10日、火曜日。5時半起床、即パソコン向かってから7時にシャワー、7時半に外へ。今日は日中に20度を超えるらしいとの予報なので、コートは着ないで出かけてみる。大丈夫そう。晴れ! 8時半からの業務試写(P&I上映)で、カナダのソフィー・ドゥラスプ監督『Shepherds』(扉写真/Copyright Pyramide Distribution)を見るべく、「Scotiabank」シネコンに向かう。到着すると、旧知のカナダ人にばったり会い、何を見るのかと聞かれたので『Shep

          トロント映画祭2024日記 Day6

          トロント映画祭2024日記 Day5

          9日、月曜日。5時50分起床、2時間パソコンに向かって、シャワー浴びて、8時15分に外へ。程よく涼しい感じ。体感は18度くらいかな。 しかし映画祭エリアに着いて、スタバでコーヒーとマフィンサンド買って「Scotiabank」シネコンに向かおうとすると、大粒の雨が降ってきた。うわっ。ちゃんと予報を見ていなかったけど、今日はそういう日なのか。 9時半の上映を見るべくスクリーンに向かうと、どうやら目当ての映画ではないらしい。いかん、間違えたか。日時かスクリーンかを間違えてし

          トロント映画祭2024日記 Day5

          トロント映画祭2024日記 Day4

          8日、日曜日。昨夜は1時半就寝、今朝は5時50分起床。熟睡出来て、今朝も快調。パソコン叩いてから8時に外に出ると、快晴!爽やかだ!しかしなかなか寒い。10度ちょいくらい。ジャケットの上に薄めのコートを重ね、最寄り駅に向かう。 センドアンドリュース駅に着いて、毎朝寄っているスタバに行ってサンドイッチとコーヒーを買う。ちょっとした買い物には現金を使っているのだけど、ここでカナダ政府に不満。どうしてカナダ硬貨には数字が書いていないのだ?コインが、いくらなのかが分からない。結果、

          トロント映画祭2024日記 Day4

          トロント映画祭2024日記 Day3

          7日、土曜日。昨夜は1時に就寝し、今朝6時にアラームで起こされるまで熟睡した!もう生まれ変わったかのように爽やかな気分。外も快晴で気持ち良すぎる! とはいえ8時に出発するはずが、パソコン仕事が長引いてしまい、8時25分に出て最寄駅までダッシュ。セント・アンドリュー駅に9時10分着。スタバまで超早歩きで向かい、グランデのコーヒーとマフィンサンドを買い、シネコン「Scotiabank」まで超早歩きで、到着が9時28分。9時半の関係者向け上映(P&I上映)にギリギリ間に合ったの

          トロント映画祭2024日記 Day3

          トロント映画祭2024日記 Day2

          6日、金曜日。ほぼ昨日と同じように4時半に目が覚めて、もはや寝られず。しょうがないので机に向かい、パソコンをパタパタと叩く。 本日は雨の予報もあり、7時40分に外に出ると確かにどんよりしている。地下鉄に乗ってセント・アンドリュース駅に着いて地上に出ると、小雨が降ってきた。気温は22〜23度くらい。外にいる分には暖かいのだけど、映画館内がかなり寒いことが昨日分かったので、ジャケットに加えて首に巻くものも持参。実を言えばウルトラライトダウンも持参している。それほどまでにスクリ

          トロント映画祭2024日記 Day2

          トロント映画祭2024日記 Day0&1

          トロント映画祭を初めて訪れることになりました。毎年9月初頭に開催される、北米で最重要の映画祭のひとつであるトロントに参加することは数十年来の夢だったのですが、10月開催の東京国際映画祭に長年勤務していたため、9月は忙し過ぎてトロント行きは無理だったのでした。東京映画祭を離れて数年が経ち、いよいよ今年は行けそうだということになり、ならばせっかくなので日記ブログを書いてみようと思います。 <9月3日まで> トロント映画祭の知られる特徴としては、作品数が膨大にあること、他のメジ

          トロント映画祭2024日記 Day0&1

          ベネチア映画祭2024予習「コンペ」編

          ベネチア映画祭が8月28日に開幕します。僕は行けないのですが、せっかくベルリンとカンヌの作品予習ブログを書いていたので、ベネチアも少しだけ予習したくなりました。 アメリカのアカデミー賞の前哨戦開幕というような位置を近年のベネチアは担っていましたが、今年のカンヌも来春を狙える有力作品があり、もはや混沌としてきました。華やかなハリウッド映画と欧州勢のビッグネームがひしめくベネチア、見ていきましょう。 下記でタイトルは、原則として英題(分からなければ原題)、国名は(分かる範囲で

          ベネチア映画祭2024予習「コンペ」編

          カンヌ映画祭2024日記・追記

          カンヌのDay0やDay1にマーケット試写で見て、まだ公式プレミア上映の前だったので感想を日記に書くのを控えていた作品について、せっかくなので言及しておこう。 まずは、コンペで、デヴィッド・クロネンバーグ監督新作の『The Shrouds』(扉写真も/Copyright Pyramide Distribution)。ヴァンサン・カッセル扮する発明家にして実業家の男が、妻の死を悲しんだあげく、死後も死者に寄り添える装置を開発する。それは、妻の肉体が墓の中で朽ちていく一部始終

          カンヌ映画祭2024日記・追記

          カンヌ映画祭2024日記 Day12

          25日、土曜日。ついに映画祭最終日!本当に、あっという間。6時起床、昨夜書いた日記をアップして、8時に朝食を食べていると、本日10時だと思っていた1本目の開映時刻が9時であることに気付き、大慌てで外に出る。 本日は映画祭の中心部からバスで30分ほど行ったところにある「Cineum」というシネコン会場に行く予定だったのだけど、もうバスを待っていては間に合わない。絶対に逃したくない上映だったこともあり、タクシーに飛び乗って会場へ。なんとか間に合い、安堵。最終日だということで、

          カンヌ映画祭2024日記 Day12

          カンヌ映画祭2024日記 Day11

          24日、金曜日。昨夜は日記ブログを書き切れずに寝落ちしたので、5時半起床でパソコンに向かう。『Bird」の余韻を思い出しながら、本日も重要作が待っており、いそいそと外へ。 本日も晴れ。序盤は天気イマイチだった今年のカンヌ、中盤から回復して良かった! 9時から、コンペで、インドのパヤル・カパディア監督による『All We Imagine As Light』。ムンバイの病院に勤務する看護師の女性を中心にした、3人の女性の物語。 小声のモノローグが連なる形でムンバイの町の

          カンヌ映画祭2024日記 Day11

          カンヌ映画祭2024日記 Day10

          23日、木曜日。6時起床。例年、最終日の土曜日に、コンペの追加再上映が組まれることになっていて、そのスケジュールとチケット予約が今朝7時に解禁になるという情報があり、また7時にパソコンの前に待機する。でも、結局7時を回っても何も出ない。どの作品が上映されるかも分からないので、予定が立たない。まあ、毎年のことなのでしょうがないのだけど、毎年少しずつルールが変わるので、なかなか厄介だ…。 本日も晴れ。快晴とまではいかず、薄曇り。風も強い。気温は昼で20度くらい。 本日のス

          カンヌ映画祭2024日記 Day10

          カンヌ映画祭2024日記 Day9

          5月22日、水曜日。6時20分起床のつもりが、気付くと6時40分。連日4時間睡眠でもアラーム前に目が覚める時差ボケマジックがとうとう薄れてきた?とはいえ、もう朝のチケット予約作業が無いので、余裕で支度して、外へ。本日も朝から快晴。ただ、気温はさほど上がらなそうで、Tシャツにジャケットを羽織る。 8時半から「ある視点」で、フランスのアリアンヌ・ラベド監督による長編第1作『September Says』。舞台はイギリスで全編英語の作品。 セプテンバーとジュライという10か

          カンヌ映画祭2024日記 Day9