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ダニー・ボイル監督『スラムドッグ$ミリオネア』疾走感あふれる人間ドラマ



<作品情報>

「トレインスポッティング」のダニー・ボイル監督が、スラム育ちの青年の運命と過酷な半生を疾走感あふれる演出で描いた人間ドラマ。インド・ムンバイのスラム街出身で無学の青年ジャマールは、TV番組「クイズ$ミリオネア」で最終問題までたどり着き、一夜にして億万長者となるチャンスをつかむが、不正を疑われてしまう……。インドの外交官ビカス・スワラップによる原作小説を、「フル・モンティ」のサイモン・ボーフォイが脚色。第81回アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか最多8部門を受賞した。

2008年製作/120分/イギリス
原題:Slumdog Millionaire
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2009年4月18日

https://eiga.com/movie/54163/

<作品評価>

55点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

おいしい水
『トレインスポッティング』のダニー・ボイルの監督作です。つまらなくはないけど色々都合良すぎますし結末それでいいの?と思ってしまいます。
鮮やかな色彩と勢いのある演出、撮影は凄いです。でも話としてはどうなんだろう。コルトの問題はあれ答えられるだけの情報ありましたかね?最後の2問に至っては単に勘でしかないですよね?というか彼女と話せた時点で終わりでいいんじゃない?刑事はそれで納得しちゃうのおかしくないですか?
序盤はかなり面白かったんだけど途中からは構成や展開がワンパターンになりますし終盤はご都合主義が加速していきます。
アメリカン・ドリームがインディアン・ドリームに置き換わっただけで何ら新鮮さのない映画だと思いました。
つまらなくはないです。でも観終わって何も心に残らないし何故これが8部門も獲ったのか疑問に思うくらいの出来ではないかと思います。

吉原
普通にクイズだけで完結する話なのかと思いきや、そのクイズで答えを導くに至るまでの過程を1問ごとに解説してくれるスタイルの作品でした。主人公の壮絶な人生とインドのスラム街の凄惨な現実には驚かされます…
ちょっと出来すぎた話ではあるけど、その現実離れした感じがインド映画(制作はイギリス)っぽくていいのかもしれません。
今となっては超一流俳優となったデヴ・パテルの駆け出しの演技や今は亡きイルファン・カーンも魅力的。タイトルが出るシーンと冒頭で出たクイズの答えがラストで明かされる演出、インド映画らしいダンスでのエンディングが凄く良かったです。

<おわりに>

 疾走感あふれる演出を評価しつつ、ご都合主義的展開が気になるという一長一短な作品だと思います。

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