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親魏倭王の雑感

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時事など、諸々の事象について考えたこと。
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#随想

反知性主義が国を滅ぼす?

反知性主義が国を滅ぼす?

反知性主義というものがある。Wikipediaからの引用だが、反知性主義・反主知主義という言葉は、知識人および知的活動への敵対的で嫌悪的な感覚を指し、また、実際的解決と現実理解において知力と理由は重要でないという信念・教義をも指す。アメリカ合衆国における反知性主義の蔓延は広く取り上げられるところであるが、日本もこの反知性主義の影響を受けてはいないだろうか。
反知性主義の特徴は、名称の通り知性、知的

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反知性主義と陰謀論の関係を考えてみた

反知性主義と陰謀論の関係を考えてみた

以前、反知性主義について考えたことがある。反知性主義の特徴は、名称の通り知性、知的活動への敵対と嫌悪である。反知性主義について書いたnote内でも指摘したが、本離れ、活字離れもそうした反知性主義の影響ではないだろうか。

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反知性主義と陰謀論的なものの親和性ほか

反知性主義と陰謀論的なものの親和性ほか

最近、読書離れが叫ばれるようになってから、デマ等に振り回される人が増えたような気がする。反ワクチン、自然派、スピリチュアル系が影響力を持つようになったのは科学技術に対する不信感が根底にあるのだろうが、反知性主義(反アカデミズム・反エリート≒大衆主義)の蔓延が一因のような気もする。反ワクチン、自然派、スピリチュアル信者は親和性が強いのだが、自分の見立てでは勉強法が受動的という共通点がある。多くは動画

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私の陰謀論ウォッチング総括

私の陰謀論ウォッチング総括

専門ではないが、陰謀論に興味を持って、いろいろ調べている。陰謀論とは、容易に呑み込めない出来事を「何者かの計画によるものだ」として世界を理解しようとする営みである。それは近代合理主義の進展に伴い、かつての宗教が担っていた役割の、一部を肩代わりするものとして成長してきたという。ジョゼフ・ユージンスキは『陰謀論入門』の中で、陰謀論を敗者の論理と定義づけているが、この敗者は弱者と言い換えてもいい気がする

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思いやりがなくなった日本人

思いやりがなくなった日本人

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私が学生だった頃に感じたことだが、電車に乗っていても「席を譲らない」「人が通りかかっても避けない」「音漏れしていても気にせず音楽を聴く」という輩が増えた。私が学生だったのは今から十年以上前だが、当時抱いた感想は「この十年でバカが増えた」だった。あれから十年、たいして変わっていない。むしろ、子供を注意しない親が増えた。
なぜこうなってきたのだろうか。私は、「自由主義」と「個人主義」の取り違えだ

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仕事と日本人

仕事と日本人

ある喫茶店で昼食を摂っていて、何気なく隣席の会話に耳を傾けていた。女性ふたりで、話題は不妊治療から保育園まで多岐にわたったが、その中で、婦人科の検診をめぐって「(休むと)会社(の人)に申し訳ない」という言葉が頻出したのが気になった。

私は外国人の友人がいないので、イメージで語るのだが、欧米の人々は仕事にドライな印象がある。彼らは仕事を「日々の糧を得るため、仕方なくやっているもの」と考えているよう

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贅沢考

贅沢考

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政治家の麻生氏と茂木氏が高級レストランで会食したことをメディアが報じてから、麻生氏への風当たりが強くなっている。経済のほうは疎いが、金持ちが贅沢して金を落とさないと経済は停滞すると思っている。
江戸時代の三大改革はいずれも緊縮財政方針で、国庫(幕府の金蔵)を満たすのが主目的のようだったところがあるが、贅沢を禁じて倹約を下々まで徹底させたため、経済が停滞した。金が回らければ仕事がなくなり、失業

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『表現の不自由展・その後』について思うこと

『表現の不自由展・その後』について思うこと

今更ながらあいちトリエンナーレで開催された『表現の不自由展・その後』について書く。いろいろと物議を醸した展覧会であった。私は実際に見に行ったわけでは無いが、当時の報道である程度の内容は知っているつもりだ。
最初に感じたのは「胡散臭さ」だった。表現の不自由を謳うのは良いが、展示の内容は政治的意図を持って作られた(と捉えられそうな)ものばかりであった。表現の自由の抑圧は、別に政治思想的なものだけでなく

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首里城正殿の焼失について

首里城正殿の焼失について

首里城は琉球王国の政庁で、沖縄県内の城(グスク)では最大規模を持つ。戦前は沖縄神社に転用され、正殿などが旧国宝に指定されていたが、太平洋戦争で焼失した。その後は琉球大学の敷地となり、この間に遺構の多くが破壊されたとみられる。琉球大学の移転に伴い、1980年代末から復元・整備作業が行われ、現在にいたる。2000年には『琉球王国のグスクおよび関連遺産群』として世界文化遺産に登録された。

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渋谷ハロウィンを『群衆心理』で読み解くと?

渋谷ハロウィンを『群衆心理』で読み解くと?

少し前にNHKEテレの教養番組「#100分de名著」で、ギュスターヴ・ル・ボンの『群衆心理』を取り上げていた。『群衆心理』は読みたい本リストに入っているもののまだ読めていない本で、以下の文章は「100分de名著」で紹介された内容に基づくものである。

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郵政民営化についての私見

郵政民営化についての私見

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郵政民営化が成功だったか否かのツイート(自分がしたものではない)に、変な物言いがついているのを見た。
目立ったのが「官営だともっと赤字だから、民営化するしかない」的なもの。基本的に行政サービスは一方的に税金をつぎ込むしかないもので、採算を度外視するしかない。しかし、インフラとして必要なので、廃止するわけにはいかない。行政とは極端な話、「赤字経営しかできない」のである(極論なのはわかっている)

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COVIDワクチンで薬害は発生しているか

COVIDワクチンで薬害は発生しているか

Twitter(X)のTLで、COVIDワクチンで報告されている有害事象[1]の多さについて「薬害、薬害」と騒いでいる反ワクチンがたまにいる。
専門分野ではないから「薬害」のきちんとした定義があるのかは知らないが、過去の薬害事件は薬やワクチンと障害等の因果関係がはっきりしているように思う。
実際にCOVIDワクチンの有害事象は多く報告されているようだが、因果関係が明確になった事例がない以上、薬害が

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HPVワクチン訴訟とワクチン後遺症についての雑感

HPVワクチン訴訟とワクチン後遺症についての雑感

この記事はいらぬ波風を立てそうな気がするので、やや高めの値段設定とする。

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最近、HPVワクチン訴訟の詳細が鈴木エイト氏によって明らかになったが、被害者とされる子、親とそっち系の医者にうまいこと利用された感じがする。同じことがCOVID−19ワクチンでも起きてそうな気がする。
ワクチン後遺症は確実にあるだろうけど(平畑先生がTwitterなどで積極的に啓発している)、本当にそうかそうでないか

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今夏の異常な暑さと地球温暖化について

今夏の異常な暑さと地球温暖化について

今年の夏の暑さは異常であった。今夏、私は適応障害の加療中だったが、薬の過剰投与による過鎮静状態(あくまで推測)で眠気と意欲減退に悩まされていた。その状態にこの異常な暑さが拍車をかけ、夕方買い物に行くぐらいしか活動できなかった。
ウェザーニュースの記事によると、今年の夏の暑さは統計が始まった1898年以来で過去最高を記録したという。気象庁は今年の夏の暑さを異常気象と認めており、これは我々一般大衆の認

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