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親魏倭王の雑感

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時事など、諸々の事象について考えたこと。
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記事一覧

思いやりがなくなった日本人

思いやりがなくなった日本人

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私が学生だった頃に感じたことだが、電車に乗っていても「席を譲らない」「人が通りかかっても避けない」「音漏れしていても気にせず音楽を聴く」という輩が増えた。私が学生だったのは今から十年以上前だが、当時抱いた感想は「この十年でバカが増えた」だった。あれから十年、たいして変わっていない。むしろ、子供を注意しない親が増えた。
なぜこうなってきたのだろうか。私は、「自由主義」と「個人主義」の取り違えだ

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反知性主義が国を滅ぼす?

反知性主義が国を滅ぼす?

反知性主義というものがある。Wikipediaからの引用だが、反知性主義・反主知主義という言葉は、知識人および知的活動への敵対的で嫌悪的な感覚を指し、また、実際的解決と現実理解において知力と理由は重要でないという信念・教義をも指す。アメリカ合衆国における反知性主義の蔓延は広く取り上げられるところであるが、日本もこの反知性主義の影響を受けてはいないだろうか。
反知性主義の特徴は、名称の通り知性、知的

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反知性主義と陰謀論の関係を考えてみた

反知性主義と陰謀論の関係を考えてみた

以前、反知性主義について考えたことがある。反知性主義の特徴は、名称の通り知性、知的活動への敵対と嫌悪である。反知性主義について書いたnote内でも指摘したが、本離れ、活字離れもそうした反知性主義の影響ではないだろうか。

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反知性主義と陰謀論的なものの親和性ほか

反知性主義と陰謀論的なものの親和性ほか

最近、読書離れが叫ばれるようになってから、デマ等に振り回される人が増えたような気がする。反ワクチン、自然派、スピリチュアル系が影響力を持つようになったのは科学技術に対する不信感が根底にあるのだろうが、反知性主義(反アカデミズム・反エリート≒大衆主義)の蔓延が一因のような気もする。反ワクチン、自然派、スピリチュアル信者は親和性が強いのだが、自分の見立てでは勉強法が受動的という共通点がある。多くは動画

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COVIDワクチンで薬害は発生しているか

COVIDワクチンで薬害は発生しているか

Twitter(X)のTLで、COVIDワクチンで報告されている有害事象[1]の多さについて「薬害、薬害」と騒いでいる反ワクチンがたまにいる。
専門分野ではないから「薬害」のきちんとした定義があるのかは知らないが、過去の薬害事件は薬やワクチンと障害等の因果関係がはっきりしているように思う。
実際にCOVIDワクチンの有害事象は多く報告されているようだが、因果関係が明確になった事例がない以上、薬害が

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『表現の不自由展・その後』について思うこと

『表現の不自由展・その後』について思うこと

今更ながらあいちトリエンナーレで開催された『表現の不自由展・その後』について書く。いろいろと物議を醸した展覧会であった。私は実際に見に行ったわけでは無いが、当時の報道である程度の内容は知っているつもりだ。
最初に感じたのは「胡散臭さ」だった。表現の不自由を謳うのは良いが、展示の内容は政治的意図を持って作られた(と捉えられそうな)ものばかりであった。表現の自由の抑圧は、別に政治思想的なものだけでなく

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首里城正殿の焼失について

首里城正殿の焼失について

首里城は琉球王国の政庁で、沖縄県内の城(グスク)では最大規模を持つ。戦前は沖縄神社に転用され、正殿などが旧国宝に指定されていたが、太平洋戦争で焼失した。その後は琉球大学の敷地となり、この間に遺構の多くが破壊されたとみられる。琉球大学の移転に伴い、1980年代末から復元・整備作業が行われ、現在にいたる。2000年には『琉球王国のグスクおよび関連遺産群』として世界文化遺産に登録された。

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渋谷ハロウィンを『群衆心理』で読み解くと?

渋谷ハロウィンを『群衆心理』で読み解くと?

少し前にNHKEテレの教養番組「#100分de名著」で、ギュスターヴ・ル・ボンの『群衆心理』を取り上げていた。『群衆心理』は読みたい本リストに入っているもののまだ読めていない本で、以下の文章は「100分de名著」で紹介された内容に基づくものである。

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今夏の異常な暑さと地球温暖化について

今夏の異常な暑さと地球温暖化について

今年の夏の暑さは異常であった。今夏、私は適応障害の加療中だったが、薬の過剰投与による過鎮静状態(あくまで推測)で眠気と意欲減退に悩まされていた。その状態にこの異常な暑さが拍車をかけ、夕方買い物に行くぐらいしか活動できなかった。
ウェザーニュースの記事によると、今年の夏の暑さは統計が始まった1898年以来で過去最高を記録したという。気象庁は今年の夏の暑さを異常気象と認めており、これは我々一般大衆の認

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図書館とデマ本

図書館とデマ本

図書館とは、日本の図書館法によれば「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」である。これについては「図書館の自由に関する宣言」が日本図書館協会によって採択されており、資料の収集・提供にする自由、利用者の秘密保護、検閲の反対が挙げられている。

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酒宴と酒の飲み方

酒宴と酒の飲み方

酒の飲み方考。
一時期、学生のコンパでの急性アルコール中毒が問題になったことがある。私が学生の頃にもまだ残滓が残っていたのだが、酔いつぶれるまで酒を飲ます悪習は急性アルコール中毒や窒息による死亡事故を招くので根絶するべきである。
元来、酒宴というのは交流の場であり、ゆるゆると酒を酌み交わすのが常道であった。ちびりちびりと飲むのが本来の姿で、がぶ飲みするのは下品である。実際、日本で伝統的に使われてき

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古史古伝に基づくまちおこしの功罪

古史古伝に基づくまちおこしの功罪

日本にイエス・キリストがやってきていたというとんでもない話がある。話の出どころは、天津教という新興宗教を興した竹内巨麿。彼の家で「見つかった」古文書に、キリストが日本へ来て現在の新郷村で亡くなったことが記されていたのだという。この『竹内文書』と呼ばれる古文書は、いわゆる『古史古伝』の一つとして有名だが、当時すでに真贋を疑う向きがあり、狩野亨吉先生が徹底的に史料批判をしている。ただ、実際の文書は真贋

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ふたつのパワースポット

ふたつのパワースポット

ここ数年、パワースポットがブームである。パワースポットとはすなわち聖地のことで間違いないのだが、聖地をパワースポットと言い換えると、どことなく胡散臭く感じるのは、背後にスピリチュアルの気配があるからだろうか。

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冒険というロマン

冒険というロマン

男のワイが言うから間違いないと思うが、男というのはバカな生き物で、自ら命を捨てに死地へ赴いたりする。そんな人間はごく一部だが、男なら誰しも一度は『宝島』のような冒険に憧れたことがあるはずだ。そうして死地へ赴いた「バカな男」のお陰で、地球上の空白地点はなくなった。コロンブスやマゼラン、リヴィングストンらの功績である。
そうした冒険、と言っても冒険には色々あるが、特に恋と義侠に彩られた冒険を「男のロマ

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