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贅沢考

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政治家の麻生氏と茂木氏が高級レストランで会食したことをメディアが報じてから、麻生氏への風当たりが強くなっている。経済のほうは疎いが、金持ちが贅沢して金を落とさないと経済は停滞すると思っている。
江戸時代の三大改革はいずれも緊縮財政方針で、国庫(幕府の金蔵)を満たすのが主目的のようだったところがあるが、贅沢を禁じて倹約を下々まで徹底させたため、経済が停滞した。金が回らければ仕事がなくなり、失業者が出るのは道理である。個人的に、当時の幕府がするべきことは、経済の活性化と年貢以外の税収を模索することだったと思う。その点、奢侈を奨励した徳川宗春や、商業に目をつけた田沼意次などは着眼点が良かったと思う(ただ、成果が出る前にふたりとも排除された)。
麻生氏が贅沢して非難されるのは半ば様式美化しているが、麻生氏ほどの人が贅沢しなかったら、誰がどこに金を使うんだろうか。我々一般人が日用品の売り買いをしている程度で経済は活性化するだろうか?

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