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140字の小説集

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140字の小説を集めてみました。(それ以外の短編もあります) お時間がお許しならば、少しでもお立ち寄りください。 このマガジン、読めば笑顔になるかもです。 笑いはあなたのお薬です…
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2023年11月の記事一覧

最後のドライブ(300字の小説)➕追伸

最後のドライブ(300字の小説)➕追伸

最後のドライブも雨が降っている。
思い出せば、彼と初めて逢った時も雨が降っていた。
私達には雨が似合うのかも知れない。

今日でお別れしないと、辛くなる。
だけど彼の笑顔は、いつもと変わらず優しい。

彼との付き合いは三年前から。
でも、今日でお別れ。
私には別の人生が待っている。

…ごめんなさいね、貴方。貴方と結ばれる事ができなくて・・…
と、心の中での謝罪では、届く事が無い。

「ねえ、何処

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レモネードの味(140字の小説)

レモネードの味(140字の小説)

レモネードの酸っぱさが、僕の心を傷つける。
「何で、こんな物を!酸っぱいのは、好きで無いのに」
と、独りで言っても虚しいだけ。

君と二人で来た喫茶店。
君の好きだったレモネード。
…失恋は誰でもするよ。
人を好きになる事の方が大事だよ…
と、誰かに言われた。
でも、レモネードは好きにはなれない。

親と子と妻(240字の小説)

親と子と妻(240字の小説)

子供は成長すると共に、親から離れて行く。
寂しい事だが、仕方のない事でもある。
二人の息子達はそれぞれの家庭を持つ。
残るのは、一人の妻だけ。
もっとも、二人妻がいると厄介な事になるが。

仏教では、子供との縁より夫婦の縁、
絆の方が深いと教えている。
以前は、そんな事は無いだろう と
思ってはいたが、今実感として、解る。
妻とは、以前の恋人から変身して、今や戦友だ。
長い人生を歩んだ戦友だ。

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あほやんの独り言(140字の小説)

あほやんの独り言(140字の小説)

またも夜中にくだらない小説を書いてしまった。
これが私の癖なのか?
と、自分に問いかける
「もっと有意義な物を書かないとダメだ」と
思ってみても、
もう一人の私が言う。
「無理ですよ。だって僕自身が、あほやんだから」と、
無情な声が聞こえてくる。
そう僕自身あほやんだ。

だが、まだ認知症では無い!

あほやん 貞子を憎む(140字の小説)➕追伸

あほやん 貞子を憎む(140字の小説)➕追伸

「人を呪わば、穴二つ」と言われていますが
人に呪いをかけている人も同じ運命を辿ります。
「情けは人の為ならず」の反対語ですね。
であるなら、悪い心で生きるのは損な事です。
今、youtubeで「リング」が掲載されています。
貞子の呪いは罪無き人を呪い殺す。

貞子は良い目に遭わないでしょうね。

追伸
貞子はもう死んで悪霊になっています。
良い目に遭う事は無いです。

人の悪口を言う事でストレスを

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あほやん メガネ店に行く編(140字の小説)

あほやん メガネ店に行く編(140字の小説)

最近、目が悪くなった。
仕方がないので、メガネ店に行く

「お客様はメガネよりも、コンタクトレンズの方が良いですよ」
と、店主に言われた。
「どうしてですか?」と聞く僕。
店主は言葉に詰まりながらも、誠実に応えてくれた。
「メガネだと、引っ掛かる鼻が低すぎるのです。
もう少し無いと無理です」と。

あほやん 子供を授かる編(140の小説)➕追伸

あほやん 子供を授かる編(140の小説)➕追伸

子供が産まれるまでは十月十日。
誰が決めたの?

何でも早く仕事をする妻。
僕の妻は、優秀な人。

なのに世間は、噂する。
「あの赤ちゃんは、君のでは無い」
と、そんな噂は75日も経てば消えて無くなる。
そんな言葉には惑わされないぞ!

だって僕には、妻が必要だ。
人に騙され無い様に僕を守ってくれる妻。

追伸
同じテーマで20字、54字、140字の小説を書きました。

詩と暮らす(140字の小説)

詩と暮らす(140字の小説)

詩と暮らすとは如何なる事か?
詩は心の叫びか!
詩はありのままの素直な表現か!
故に人の心を揺さぶるのだろうか?
詩と暮らすとは、自分に正直になる事なのか!

正直に生きる!
自分自身に嘘を付く事なく
たとえ、損をしても目先の利益に捉われず
正義の心を絶えず求める
これが詩と暮らすという事なのか?!
#シロクマ文芸部

あの頃のまま(140字の小説)

あの頃のまま(140字の小説)

「『さよなら』は次に会う為の約束だよ
お別れではないよ、また会おうね。」
と、君に言ってから五十年が過ぎた。
君は何処にいるのだろうか?
遠い世界の片隅で暮らしているのかな?
君に会えた時は、お互い歳を取っている事に驚くだろうな。

でも、君の姿はあの頃のまま僕の瞳に残っているよ。
美しい姿で。

あほやんが動きだす(140字の小説)➕追伸(60字)

あほやんが動きだす(140字の小説)➕追伸(60字)

夜中に目覚めて、あほやんが動き出す
まだまだ寝なければいけない時刻なのに、
あほやんは動き出す
何の使命を持っているのか?

あほやんは何も応えずに、動きだす。
それを見ている僕は、あほやんの行動を小説に書いている
「僕も寝る時間でしょう!」と、自分に問いかけながら、
この馬鹿小説を書いている。

追伸
あほやんって私の分身か?
いや、私の事である
こんな真夜中に目覚め、くだらない事を書いている

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あほやん 電話編(140字の小説)

あほやん 電話編(140字の小説)

携帯電話が無かった頃
恋人に電話を掛けるのに
勇気が必要だった
恋人が受話器を取ってくれればいいが
家族の人が出たらどうしょうと、不安を持っての電話であった
今は個人の電話にかかる為にその様な不安は
無いであろう

気軽に連絡が取れる事は便利である
でも、私には電話も掛かる事は無い
携帯電話も無い。

あほやん 小説を読む(140字の小説)

あほやん 小説を読む(140字の小説)

「天災は忘れた頃にやって来る」
そんな事は無い!
忘れる前に何回も来る
集中豪雨は頻発だし
大地震も忘れる前に来た
昔の人は物忘れが酷いのか?

最近、私も物忘れが酷い
昨日書いた小説も忘れてしまう
「この小説、面白い。作者は誰だ?」と調べると
ボーンと書いてある。
「この人は誰?」
#ショートショート

あほやん ちくわ編(140字の小説)

あほやん ちくわ編(140字の小説)

また上司に聞かれた
「ちくわ好きか」と。
「嫌いでは無いです。何故その様な事を聞くのですか?」
と、僕が以前と同じ疑問を持って尋ねた
「どちらも君の様に見えるから」と、上司

「どこがですか?」
「ちくわって真ん中に穴があるだろ。」と、上司は言ってお茶くれた
ちくわにはお茶か!
粋な計らいを感じた

あほやん 睡魔と闘う編(140字の小説)

あほやん 睡魔と闘う編(140字の小説)

睡魔が突然僕を襲う

「寝るな!仕事中だ」
鼓舞する私に睡魔が笑う
「お前の心に正直になれ!」
と。
なるほど、説得力のある言葉。
だが、今は勤務中だ。
絶対に居眠りする訳にはいかない。
「馬鹿な奴だ。心にもない事をして」
と、笑う睡魔
僕は睡魔に負けずに仕事する

目覚めると、僕は不思議な夢を見ていた。
#ショートショート