yoshiko_yamashita

2018年より2020年まで化粧品会社の経営責任者。2021年より故郷である上天草市に…

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2018年より2020年まで化粧品会社の経営責任者。2021年より故郷である上天草市に戻りました。関心ごとはもっぱらブランド価値を高める全ての可能性を探索すること。そして、実行すること。本名の漢字名は、99パーセント読み間違えられるトリッキーな名付けをされています。

記事一覧

一発書きチャレンジ_11 「天にも昇る寝心地。究極の寝具について」

これは、私が愛読する雑誌「大勉強」の受け売りである。 ちなみにこの「大勉強」は、金沢にあるセレクトショップ「PHAETON」及び、会員制紅茶専門店「TEATON」が2020年に…

yoshiko_yamashita
9か月前
4

一発書きチャレンジ_10 「自分の感受性ぐらい自分で守ればかものよ。」

茨木のり子さんのとても有名な詩がある。 この詩に出会うまでは、そもそも私は「詩」というものを信用していなかった。 ポエティックな情緒は、似合わない服を着せられて…

yoshiko_yamashita
9か月前
10

一発書きチャレンジ_9 「難しく考えなくたって、どっこい世界はまわる。」

幼い頃、世界の全てが疑問だった。 「なんで?どうして?」と問い続けながら、大人の真面目な答えも、いい加減な答えも、まるっと鵜呑みにしながら成長したと思う。 物心…

yoshiko_yamashita
9か月前
3

一発書きチャレンジ_8 「ホテル遍歴/東京編」

「映画評論家」のレジェンドといえば、この人でしょう。 映画に詳しいとか、専門家である事以上に、「映画」という存在そのものへの愛故に、人生のど真ん中に「映画」があ…

yoshiko_yamashita
9か月前
4

一発書きチャレンジ_7 「大人がご機嫌でいれば世の中はうまくまわる」

どうやら、前世に(ウソ)私はそんなことを言っていたようです。 また中国のスーパースター、孔子はこう言っています。 そう、今日のテーマは「大人」です。(テーマなん…

yoshiko_yamashita
9か月前
6

一発書きチャレンジ_6「1976年」

昭和生まれ、平成育ちは、東京か否かで大きく異なる。 この「世代論」のような話について、もしも私個人のエピソードを中心に論じていくとしたら、ここに「ど田舎育ち」も…

yoshiko_yamashita
9か月前
2

一発書きチャレンジ_5 「社会でもなく、世界でもなく」

ふと思い立ち、「スマホを持たずに」出かけてみた。 「スマホだけを持って」出かける事はよくあるし、 「スマホを忘れて」出かける事も、たまにあるけれど、 「スマホを持…

yoshiko_yamashita
9か月前
17

一発書きチャレンジ_4 「回る寿司屋は何を回しているんだろう」

今週は熊本市内の自宅マンションに滞在しているのだが、私はここに冷蔵庫を置いていない。 三口コンロが着いたカウンターキッチンには、広々としたシンクに立派なレンジフ…

yoshiko_yamashita
9か月前
6

一発書きチャレンジ_3 「人生の最期に食べたいものは何か?」

例えば何かのマッチングや、少しエンタメ要素の入ったアンケートに必ずある質問は何か? そもそも、出身地や学歴や職歴や家族形態や年収やら(デモグラフィック情報)に…

yoshiko_yamashita
9か月前
4

一発書きチャレンジ_2 命の母と、この世界と。

後手に回るのは、いつだって自分の身体とLINEの返信だ。 ※ちなみに現在のLINE未読件数は1,456件である LINE(など)の返信対応できない人って実は結構いるんじゃないか…

yoshiko_yamashita
9か月前
9

一発書きチャレンジ_01 スーツケースが重い理由

2023年2月から始まった3拠点生活は、2023年8月現在も継続中である。 2週間を一つの区切りとしており、東京ではホテルに暮らし、ベースは熊本市のマンション、そしてその…

yoshiko_yamashita
9か月前
3

多分、風が吹いているんだと思います

早いもので、こちらに来てからまもなく1年が経というとしています。 住む土地を変え、朝起きてから夜眠るまでの過ごし方も一変し、 関わる人も、触れる情報※1にも、 当…

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69歳、一号橋でカフェを始める

そもそも川や渓谷、海や道の上に橋を創るって、 どことなくロマンチックじゃないですか? 羽田に向かうモノレールが「レインボーブリッジ」に差し掛かると、 ポーカーフェ…

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2021年「役」抜けて

「役を抜ける」という言葉が存在する事は、もちろん知っていたけれど、 実感を伴う認識に至ったのは、先月半ばくらいからだったと思います。 昨年末に、バタバタバタ!!…

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2007→2020→?

本日ポーラ・オルビスホールディングスからのプレスリリースにありました通り、今年いっぱいで株式会社DECENCIAの代表取締役社長を退任、合わせて同グループを退職いたしま…

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香りは、”かしこ”にのみあり、ついに”ここ”にはない。

戦後の文壇において、異彩を放つ存在だった小説家 中井英夫は、祖父の代より植物学の系譜を持つ家に生まれ、自身もまた、香りをモチーフにしたさまざまな表現に挑んだ作家…

一発書きチャレンジ_11 「天にも昇る寝心地。究極の寝具について」

一発書きチャレンジ_11 「天にも昇る寝心地。究極の寝具について」

これは、私が愛読する雑誌「大勉強」の受け売りである。

ちなみにこの「大勉強」は、金沢にあるセレクトショップ「PHAETON」及び、会員制紅茶専門店「TEATON」が2020年に創刊した「学び」の本(雑誌)である。

年2回の発行で、今年の2月に発行したissue5では椎名林檎が表紙を飾ったことでも、界隈では話題になった。

ローカル発の雑誌は数多あるけれど、多くはローカル目線で編まれたものがどう

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一発書きチャレンジ_10 「自分の感受性ぐらい自分で守ればかものよ。」

一発書きチャレンジ_10 「自分の感受性ぐらい自分で守ればかものよ。」

茨木のり子さんのとても有名な詩がある。

この詩に出会うまでは、そもそも私は「詩」というものを信用していなかった。

ポエティックな情緒は、似合わない服を着せられているような違和感があったし、そもそも多くの場合、詩を取り巻く空気はどこか陶酔をはらんでいて、居心地が悪かった。(その後素晴らしい詩に出会い、むしろ詩こそアートだと思うようになったのだが)

そんな時、偶然書店で出会ったのが、冒頭の詩であ

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一発書きチャレンジ_9 「難しく考えなくたって、どっこい世界はまわる。」

一発書きチャレンジ_9 「難しく考えなくたって、どっこい世界はまわる。」

幼い頃、世界の全てが疑問だった。

「なんで?どうして?」と問い続けながら、大人の真面目な答えも、いい加減な答えも、まるっと鵜呑みにしながら成長したと思う。

物心ついてしばらく経って、「鵜呑み」にしすぎていた事にようやく気づく。知らなかった事が、人より多い事を知り、そんな己を少し恥じて、そこから本を読むようになった。

「人の知らない事を知っている」事が、自分の価値をつくると思っていたし、知識で

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一発書きチャレンジ_8 「ホテル遍歴/東京編」

一発書きチャレンジ_8 「ホテル遍歴/東京編」

「映画評論家」のレジェンドといえば、この人でしょう。

映画に詳しいとか、専門家である事以上に、「映画」という存在そのものへの愛故に、人生のど真ん中に「映画」があった人だった。

多くの映画人を愛し愛され、今ではもうすっかり聞かなくなった「お茶の間」というTVの向こう側にいる市井の人々からも愛された淀川さんの晩年はホテル暮らしだった。

赤坂にある東京全日空ホテル34階にある52平米のジュニアスー

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一発書きチャレンジ_7 「大人がご機嫌でいれば世の中はうまくまわる」

一発書きチャレンジ_7 「大人がご機嫌でいれば世の中はうまくまわる」

どうやら、前世に(ウソ)私はそんなことを言っていたようです。

また中国のスーパースター、孔子はこう言っています。

そう、今日のテーマは「大人」です。(テーマなんかあったん?)

あの孔子にして、自分の知識や経験が、取り巻く世界と一致して迷うことが無くなったのが40歳。今よりももっと切実な生を生きていた時代にあって、天命を知るのが50歳。

時は流れ、歳を重ねることに「アンチ」をつけ、実年齢より

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一発書きチャレンジ_6「1976年」

一発書きチャレンジ_6「1976年」

昭和生まれ、平成育ちは、東京か否かで大きく異なる。

この「世代論」のような話について、もしも私個人のエピソードを中心に論じていくとしたら、ここに「ど田舎育ち」もかけ合わせないと、成り立たないと思う。

そのくらい、都会(特に東京)と地方(特にど田舎)の格差といったら、大変なものだったし、そこを一般化して語るのは、どうしたって難しい。

10代の多感な時期にインターネットもスマートフォンも無く、T

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一発書きチャレンジ_5 「社会でもなく、世界でもなく」

一発書きチャレンジ_5 「社会でもなく、世界でもなく」

ふと思い立ち、「スマホを持たずに」出かけてみた。

「スマホだけを持って」出かける事はよくあるし、
「スマホを忘れて」出かける事も、たまにあるけれど、
「スマホを持たずに」出かける事は、随分久しぶりだった。

それが良かった、悪かったと、ここで論じたい訳では無いけれど、自分の脳みそから(「脳みそ」ってすごい表現だな)外付けハードディスクを抜いて世界を歩いているような、あくまでそんな『雰囲気』を味わ

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一発書きチャレンジ_4 「回る寿司屋は何を回しているんだろう」

一発書きチャレンジ_4 「回る寿司屋は何を回しているんだろう」

今週は熊本市内の自宅マンションに滞在しているのだが、私はここに冷蔵庫を置いていない。

三口コンロが着いたカウンターキッチンには、広々としたシンクに立派なレンジフードまであるが、私にとっては明らかにオーバースペックだ。

実際、ほぼ白湯しか沸かしていない。

そもそも月に10日ほどしか滞在しないし、一人暮らしだしね。

繁華街に近い立地もあって、昼も夜も外食のほうがゴミも出ないし却って都合が良いと

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一発書きチャレンジ_3 「人生の最期に食べたいものは何か?」

一発書きチャレンジ_3 「人生の最期に食べたいものは何か?」


例えば何かのマッチングや、少しエンタメ要素の入ったアンケートに必ずある質問は何か?

そもそも、出身地や学歴や職歴や家族形態や年収やら(デモグラフィック情報)に、趣味や特技や習慣や参加しているコミュニティなど(サイコグラフィック情報)が絡み合って、全ては数字と文字列の塊となった「ヒト」をタグ付けして分類することの先に、いったいどんな豊かさが繋がっているのだろう?

事実、答えさせる側は(かつて私

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一発書きチャレンジ_2 命の母と、この世界と。

一発書きチャレンジ_2 命の母と、この世界と。



後手に回るのは、いつだって自分の身体とLINEの返信だ。
※ちなみに現在のLINE未読件数は1,456件である

LINE(など)の返信対応できない人って実は結構いるんじゃないかなと、密かに思っているので、今日は言及しない←後手に回るどころか、蓋をする。

さて「命の母」という、とても優しそうな乳白色+ベビーピンクの丸っこい瓶を昨日手に入れた。

まず、このネーミングである。

“生命を育む母

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一発書きチャレンジ_01 スーツケースが重い理由

一発書きチャレンジ_01 スーツケースが重い理由

2023年2月から始まった3拠点生活は、2023年8月現在も継続中である。

2週間を一つの区切りとしており、東京ではホテルに暮らし、ベースは熊本市のマンション、そしてその間に上天草市と移動する。

2週間毎に飛行機に乗り、ホテルに着いたらまず荷ほどきをして、スーツケースを空にしたら、移動日はすぐに日が暮れる。

92リットルサイズのスーツケース(molnのテラコッタを愛用中)には、いつも「HEA

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多分、風が吹いているんだと思います

多分、風が吹いているんだと思います

早いもので、こちらに来てからまもなく1年が経というとしています。

住む土地を変え、朝起きてから夜眠るまでの過ごし方も一変し、
関わる人も、触れる情報※1にも、
当然見る景色も、移動手段※2も変わるどころか、激変しました。

正真正銘、THE地方の住人となり、
今やWEB広告はおろか、googleがオススメしてくるコンテンツ記事の多くは
「移住」や「ワーケーション」に絡むものになりました。

とは

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69歳、一号橋でカフェを始める

69歳、一号橋でカフェを始める

そもそも川や渓谷、海や道の上に橋を創るって、
どことなくロマンチックじゃないですか?

羽田に向かうモノレールが「レインボーブリッジ」に差し掛かると、
ポーカーフェースの内側ではいつだって胸が高まっていたし、
恵比寿から天現寺を抜ける歩道橋からの景色は
私にとっての東京晩年の風景でもありました。

橋って、なぜだかとても
個人的に「エモい」存在だった訳です。

天草には有名な橋があります。その名も

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2021年「役」抜けて

2021年「役」抜けて

「役を抜ける」という言葉が存在する事は、もちろん知っていたけれど、
実感を伴う認識に至ったのは、先月半ばくらいからだったと思います。

昨年末に、バタバタバタ!!!!!アワアワ!!!ドタドタドタ!!と、
およそギャグマンガの登場人物のようなドタバタ劇をリアルに演じ、
恐らくは、実際の慌ただしさ以上の慌ただしさぶりを発揮していた私でしたが
2021年に舞台が切り替わったとたん、
どこまでも広い空と、

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2007→2020→?

2007→2020→?

本日ポーラ・オルビスホールディングスからのプレスリリースにありました通り、今年いっぱいで株式会社DECENCIAの代表取締役社長を退任、合わせて同グループを退職いたします。

また、年内で20年暮らした東京を離れ、実家のある熊本県上天草市へ戻ります。

来年からは、とりあえず数か月はのんびり過ごし、免許なんかとりつつ住居を整え、その先は、地方特有の課題やジレンマの解消、またポテンシャルにあふれた地

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香りは、”かしこ”にのみあり、ついに”ここ”にはない。

香りは、”かしこ”にのみあり、ついに”ここ”にはない。

戦後の文壇において、異彩を放つ存在だった小説家 中井英夫は、祖父の代より植物学の系譜を持つ家に生まれ、自身もまた、香りをモチーフにしたさまざまな表現に挑んだ作家でもあります。

 「香り」とは気まぐれに不意に訪れ、またいつ知らず立ち去るもの。
  不在であることが約束事である中で、こちらも予期せぬタイミングで「香り」という高貴な客人が訪ねてくることは、稀な僥倖である

確かに、ふいに訪れる「香り」

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