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一発書きチャレンジ_9 「難しく考えなくたって、どっこい世界はまわる。」
幼い頃、世界の全てが疑問だった。
「なんで?どうして?」と問い続けながら、大人の真面目な答えも、いい加減な答えも、まるっと鵜呑みにしながら成長したと思う。
物心ついてしばらく経って、「鵜呑み」にしすぎていた事にようやく気づく。知らなかった事が、人より多い事を知り、そんな己を少し恥じて、そこから本を読むようになった。
「人の知らない事を知っている」事が、自分の価値をつくると思っていたし、知識で
一発書きチャレンジ_8 「ホテル遍歴/東京編」
「映画評論家」のレジェンドといえば、この人でしょう。
映画に詳しいとか、専門家である事以上に、「映画」という存在そのものへの愛故に、人生のど真ん中に「映画」があった人だった。
多くの映画人を愛し愛され、今ではもうすっかり聞かなくなった「お茶の間」というTVの向こう側にいる市井の人々からも愛された淀川さんの晩年はホテル暮らしだった。
赤坂にある東京全日空ホテル34階にある52平米のジュニアスー
一発書きチャレンジ_5 「社会でもなく、世界でもなく」
ふと思い立ち、「スマホを持たずに」出かけてみた。
「スマホだけを持って」出かける事はよくあるし、
「スマホを忘れて」出かける事も、たまにあるけれど、
「スマホを持たずに」出かける事は、随分久しぶりだった。
それが良かった、悪かったと、ここで論じたい訳では無いけれど、自分の脳みそから(「脳みそ」ってすごい表現だな)外付けハードディスクを抜いて世界を歩いているような、あくまでそんな『雰囲気』を味わ
一発書きチャレンジ_4 「回る寿司屋は何を回しているんだろう」
今週は熊本市内の自宅マンションに滞在しているのだが、私はここに冷蔵庫を置いていない。
三口コンロが着いたカウンターキッチンには、広々としたシンクに立派なレンジフードまであるが、私にとっては明らかにオーバースペックだ。
実際、ほぼ白湯しか沸かしていない。
そもそも月に10日ほどしか滞在しないし、一人暮らしだしね。
繁華街に近い立地もあって、昼も夜も外食のほうがゴミも出ないし却って都合が良いと
2021年「役」抜けて
「役を抜ける」という言葉が存在する事は、もちろん知っていたけれど、
実感を伴う認識に至ったのは、先月半ばくらいからだったと思います。
昨年末に、バタバタバタ!!!!!アワアワ!!!ドタドタドタ!!と、
およそギャグマンガの登場人物のようなドタバタ劇をリアルに演じ、
恐らくは、実際の慌ただしさ以上の慌ただしさぶりを発揮していた私でしたが
2021年に舞台が切り替わったとたん、
どこまでも広い空と、
2007→2020→?
本日ポーラ・オルビスホールディングスからのプレスリリースにありました通り、今年いっぱいで株式会社DECENCIAの代表取締役社長を退任、合わせて同グループを退職いたします。
また、年内で20年暮らした東京を離れ、実家のある熊本県上天草市へ戻ります。
来年からは、とりあえず数か月はのんびり過ごし、免許なんかとりつつ住居を整え、その先は、地方特有の課題やジレンマの解消、またポテンシャルにあふれた地
香りは、”かしこ”にのみあり、ついに”ここ”にはない。
戦後の文壇において、異彩を放つ存在だった小説家 中井英夫は、祖父の代より植物学の系譜を持つ家に生まれ、自身もまた、香りをモチーフにしたさまざまな表現に挑んだ作家でもあります。
「香り」とは気まぐれに不意に訪れ、またいつ知らず立ち去るもの。
不在であることが約束事である中で、こちらも予期せぬタイミングで「香り」という高貴な客人が訪ねてくることは、稀な僥倖である
確かに、ふいに訪れる「香り」