一発書きチャレンジ_9 「難しく考えなくたって、どっこい世界はまわる。」
幼い頃、世界の全てが疑問だった。
「なんで?どうして?」と問い続けながら、大人の真面目な答えも、いい加減な答えも、まるっと鵜呑みにしながら成長したと思う。
物心ついてしばらく経って、「鵜呑み」にしすぎていた事にようやく気づく。知らなかった事が、人より多い事を知り、そんな己を少し恥じて、そこから本を読むようになった。
「人の知らない事を知っている」事が、自分の価値をつくると思っていたし、知識で武装することで何とかアイデンティティを保っていた時期が長かったように思う。
そこにやがて、カウンター性という軸が加わる。
つまり、「多くの人が知らない」分野は、メインストリームよりもカウンター側にあると感づいてから、ずっとマイノリティであることにこだわって、今に至る。
モンゴルの遊牧民にとって、星空は神様の「のぞき窓」だった。
かつて友人がモンゴル遊牧民と半年過ごし、そこで聞いた神話の話が忘れられない。
この話を初めて聞いた時、明らかに私にとっての世界の見え方は大きく変わった。
科学的な正しさとか、常識とか、固定概念とか、そいういうものの見方が一気に溶解して、確かに解き放たれたのだ。
「宇宙観」は、一つじゃなくてもいい。
ひとつの「正しさ」を求めて、知識を集め、差分を無くしていく事よりも、もっと多様に包摂していく方が、よほど知的で豊かだと気づいた。
ペット用の牛肉も、ヒト用の豚足も、ただそこにあるというだけで、色んなドラマが立ち上がってくるから面白い。
いちいち難しく考えなくたって、どっこい世界は回り続けるのだ。
※「一発書きチャレンジ」は、
私個人の文章を書くリハビリで、何の準備も、構想も、下書きも無く
文字通り「一発書き」で書きなぐったテキストです。
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