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徒然なるままに 〜飲んだお酒のこと〜

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飲んだお酒について、なんとなく思ったことをつらつらと。素直に正直に綴っていくのでマズいものは思いっきりディスると思いますがご容赦ください。ビールに限らず色々書くでしょうが、クラフ…
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3週連続イベント参加のお知らせと新刊「文脈とビール3」のご紹介(チラ見せあり)

3週連続イベント参加のお知らせと新刊「文脈とビール3」のご紹介(チラ見せあり)

突然昔の本がバズったり、そのおかげで新刊が思った仕上がりにならなかったりとバタバタしていたわけですが、やっとまとまった時間が取れるようになり、お陰様で先日新刊「文脈とビール3」も入稿出来ました。

こちらを引っ提げて10月29日のイベントを皮切りに3週連続でイベントに参加します。

①10/29 12:00 – 16:00 第2回秋葉原「超」同人祭+ @秋葉原 UDX GALLERY
委託販売でお

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記憶と作られたノスタルジーと

記憶と作られたノスタルジーと

最近ビールを飲んでいて改めて思ったことがあります。記憶について、です。以前「文脈とビール2」で発表した文章がちょうどそういうテーマなのでご紹介したいと思います。作られたノスタルジーとその消費はどういう関係にあるのだろうか。きっと世代によって大分感覚が異なることでしょう。記憶に関する差異、そして作られたノスタルジーの同一性について語り合ってみたいと思う今日このごろです。

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「美味しいビールを教えてください」、「一番好きなビールは何ですか?」について

「美味しいビールを教えてください」、「一番好きなビールは何ですか?」について

先日タイトルのことを尋ねられたので以前書いた文章を公開したいと思います。こちらは「文脈とビール2」に収録されているものです。短い時間で読めると思いますのでちょっとした暇つぶしにでも読んで頂けたらと思います。

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「美味しいビールを教えてください」

こう言われることがあります。何度も何度も訊かれ、その都度途方に暮れる。この質問は非常に困るのだ。私はあな

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語られることでドラマは始まる ビアスタイル21 GARGERY ESTELLA

語られることでドラマは始まる ビアスタイル21 GARGERY ESTELLA

初めてGargery Estella(ガージェリー エステラ)を飲んだのは24歳の時だったと思う。もう随分前のことになります。華やかな香りとコクのあるボディに当時ベルギービールに心酔していた私はうっとりしました。日本にもこんなビールがあったのか。すごいじゃないか、と。

専用グラスに採用されているリュトンという三角錐の形をしたグラスは非常に印象的です。グラスのカットもカッコいいのだけれども、そのま

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9月4日、COMITIA141に新刊「文脈とビール2」を持参して参加致します

9月4日、COMITIA141に新刊「文脈とビール2」を持参して参加致します

まず初めに皆様に謝らなければならないことがあります。COMITIAに申し込んだ際、クラフトビールに関するカルチャー論を書くとしてカタログに載せる情報を提出したのですが、どうしても今回仕上げることが出来ず・・・苦渋の決断ではありましたが、中途半端なものは出せないと考え、別の内容の新刊を出すことにしました。カタログを見て興味を持ってくださった方がいらっしゃっるかもしれません。ご希望に添えず、本当に申し

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ビールはスッキリしていたのに、心はモヤモヤしたままなのです

ビールはスッキリしていたのに、心はモヤモヤしたままなのです

サンプルをもらったのではなく、自腹で飲んだので思ったことを書いてみようかと筆を執りました。先に断っておきますが、そのビールが旨いとか不味いとかそういうことは書きません。それは皆さんそれぞれが飲んで感じて下さい。ここで綴っておきたいのはもう少し違った視点のお話です。

事の発端は2月の終わりにクラフトビール市場の活性化を。キリンビール“第三の柱”「SPRING VALLEY 豊潤<496>」という記

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【お知らせ】Kindleで「文脈とビール」改訂版をリリースしました

【お知らせ】Kindleで「文脈とビール」改訂版をリリースしました

コミックマーケット97に参加した際にリリースした「文脈とビール」という本がKindleで読めるようになりました。表紙はビール仲間のびーるのみたい。のちゃーりーさんに作って頂きました。Kindle Unlimited対象なので会員の方は無料です。駄文書き散らしておりますが、お目通し頂ければ幸いです。

さて、この「文脈とビール」の位置づけについて少しだけ記しておきたいと思います。

コミックマーケッ

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CRAFT DRINKS的BEER OF THE YEAR 2020

CRAFT DRINKS的BEER OF THE YEAR 2020

結論から言うと、無い。

無いということにする、というのが正しい表現になるだろうか。身も蓋もない話になってしまうのですが、あれこれ考えた上でこうするのが妥当なのだろうという結論になりました。

美味しいビールはたくさん飲んだし、激レアなものを幾つも試す機会はありました。しかし、「これ旨いんだよ、みんなで飲もう」と無邪気に言えなかった2020年は該当なしとするのが適切ではないだろうかと思うのです。独

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私が躊躇せずにケースで大人買いするビールの話

私が躊躇せずにケースで大人買いするビールの話

久しぶりにビールを大人買いしました。今日はそのことを綴っておこうかと思います。

個人用にグラゼントーレンのビールを大瓶で2ケース買ったのです。2本じゃなくて、2ケース。旨いし、持つし、大好きだから24本一度に買っても全く問題ありません。気に入らなくて持て余すなんてことは絶対無いと確信しているので迷わずポチッとしたわけです。

師匠の教えの一つに「飲めるうちに飲む。買えるうちに買う。イケると踏んだ

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ペアリングを拒否するビールの話

ペアリングを拒否するビールの話

突然ですが、質問です。ビールを飲む時に食べ合わせは意識しますか?

一人の飲み手として私は基本的に考えません。お酒それ自体の絶対値を考えることが多く、食べ合わせた時のことはそれほど主眼にないのです。もちろん味わいから想起されるものもありますし、ピンときて何かを合わせることもあります。とはいえ、私の中ではビールを飲む時に必ずするわけではなく、あくまでも例外的なことです。

実際webや雑誌ではペアリ

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時代は変わったなぁという雑感あれこれ

時代は変わったなぁという雑感あれこれ

調べものしようと、本棚からこんなものを引っ張り出してきました。ビール評論家として有名な故マイケル・ジャクソン氏の「世界の一流ビール500」です。

調べたらamazonで売っていました。

久し振りに手に取ったので調べ物はそこそこに読み耽ってしまいました。そこで一つ気がついたことがあります。

私は出版された時に買ったので2003年に手に入れましたが、掲載されているビールを眺めてみるとびっくりする

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日本盤CDのライナーノーツと経験の多義性について

日本盤CDのライナーノーツと経験の多義性について

パソコンで事務作業をしている時や書き物をしている最中、なんとなく音楽をかけています。うるさくもなく、かといって無音でもない状況を作り出すためにとりあえずかけているだけです。意識がそちらに持っていかれない程度の緩い感じ。ジャンルは特に何と決めているわけでもなく、ただ適当にyoutubeのミックスリストなどがバックグラウンドでなんとなく流れているのだけれども、ふと「あぁ、そうか、昔私が思っていた聴き方

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「完コピ」しきっても残ってしまうもの

「完コピ」しきっても残ってしまうもの

昨年のことですが、印象的な一杯に出逢いました。この面白さは、例えるなら「森村泰昌」のセルフポートレイトようで。もしあなたが彼の作品を観て色々と思うところがあったのならば探してみて頂きたい。そして、一度飲んで感じて頂きたい。そう強く思います。

去年飲んで衝撃を受けた一杯について今日は綴っておこうと思います。CRAFTなDRINKSを愛しているので特段ビールだけにこだわっているつもりはないのだけれど

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糖質ゼロの文脈について考えた

糖質ゼロの文脈について考えた

気になっていたので、先日飲み比べてみました。糖質ゼロのビールです。

様々な媒体で取り上げられていたのでご存じの方も多いと思います。すでに多数報じられているのでここでその詳細をご紹介することは省きますが、気になる方は公式ウェブサイトをご覧になってください。amazonでも買えます。

さて、その作り方ですが「新・糖質カット製法」と題して、下記のように説明しています。

麦芽の選定から見直し、キリン

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