鵫巣和徳(とうのすかずのり)

コーチング✖ドラッカー 「強みを発見し活用しよう」米Gallup社認定ストレングスコー…

鵫巣和徳(とうのすかずのり)

コーチング✖ドラッカー 「強みを発見し活用しよう」米Gallup社認定ストレングスコーチ NPO法人ドラッカー学会会員 「ドラッカーを学んでストレスフリーに生きていこう」40年間のビジネスマン生活を卒業し、社会に少しでも貢献できたら幸せです。

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    ひとりごとです。表舞台で大きな声で言うほどのことではありませんが、勝手につぶやいています。

記事一覧

「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」というドラッカーの教え

P.F.ドラッカーは『経営者の条件』という本の中で、成果をあげる能力は天賦の才能ではなく、成果をあげるために必要な習慣的な能力を身につけておくことが大切で、それは5…

組織改革は戦略の変更があったときに。完璧な組織構造などないという前提に立って考える

「組織改革」という言葉には、何やら「古い姿から新しい姿に変わる」とか、「現在の組織上の問題点を解決する」とかいった、未来に向けてのポジティブな印象を含んだイメー…

どうでもいいルールも早く廃棄しないと生産性が上がらない

先日、「機能しなくなったものの廃棄」という記事を書きました。 今日は「生産性を阻害する機能していないルールの廃棄」についての話題です。 ドラッカーは成果をあげる…

機能しなくなったものは廃棄しないと前進できない

世の中には実に無駄なことをいつまでも続けている組織がたくさんあります。 それらがイノベーションを妨げています。 ドラッカーはこのように教えています。 ドラッカー…

会社を辞めてつくづく感じる人とのご縁

私は8年前に35年勤めた会社を退職し、同じ業界の別の会社に移籍しました。 最初の会社はメーカーで、次の会社は商社。 同じ業界だったので、言葉は通じたし、それまでの…

ドラッカーを学ぶときに、日本人が陥りやすい間違った成果主義の解釈

私は今、所属しているあるコミュニティで、ドラッカーの『経営者の条件』読書会を開催中です。 参加者のみなさんがとてもよく勉強されていて、かなりレベルの高い会で、毎…

人の成長に手を貸すことで、自分自身も成長できる

部下の育成と自分自身の自己啓発について考えてみたいと思います。 ドラッカーは『マネジメント 課題・責任・実践(中)』の第33章で、マネジメント教育について詳しく述…

「明日の組織のモデルはオーケストラである」P.F.ドラッカー

ドラッカーは『マネジメント 課題、責任、実践(中)』(1973年)において、実に124ページを使って組織について論じています。 それほど、組織の構造については、マネジ…

成功の鍵は、「責任」であるという教え

またまた、責任についてのお話です。 ドラッカーは「自分で責任をもて」という当たり前のことを、ことさら強く教えています。 少し長くなりますが、今日は『プロフェッシ…

ドラッカー教授が発明した「マネジメント」の根底にある思想とは

私が所属しているドラッカー学会は、今年度から「NPO法人ドラッカー学会」として新たにスタートすることになりました。 ご興味がありドラッカーをもっと深く知りたい、学び…

リーダーと普通の人たちとの距離は一定、だからリーダーが基準をあげると普通だった人たちの基準も上がる

企業や自治体、病院や学校など、多くの組織には内部にいくつかのチームがあります。 そして皆さんもお気づきの通り、チームによって社員のエンゲージメントやモチベーショ…

「社員の自己啓発と配属の責任は本人にある」というドラッカーの教え

ドラッカーは長いコンサルタント経験の中で出会った数多くの「成果をあげる人びと」を観察し、次のように語っています。 このことは、「プロフェッショナルの条件」という…

「自分はどのような貢献を期待されるべきなのか」からスタートしないと失敗するかも・・

ドラッカーの著書の中でもバイブル的な本として有名な『経営者の条件』には、エグゼクティブが成果をあげるために身につけるべき5つの習慣について詳しく書かれています。…

本の中にあるのは単なる情報、実践してみなければ知識にはならない

このところ読者の皆様から、このnoteに書いてあるドラッカーの教えを実践してみましたと言うお知らせを、メッセンジャーやメールでいただくことがあり、とてもうれしく感じ…

「組織の中に成果は存在しない。すべての成果は外にある。」というドラッカー教授の教え

ドラッカーの本を読んでいると、極めて頻繁に「成果」という単語が出てきます。 どうも原文を読むと「Effectiveness」とか「Results」と言った単語を、訳者はまとめて「成…

いつも昨日の問題解決ばかりしていませんか?

今年のゴールデンウィーク期間中に政府・日銀が繰り返し為替市場に介入し、円安を阻止する動きを見せと言われています。 そのことについては様々な解説や評論がありました…

「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」というドラッカーの教え

「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」というドラッカーの教え

P.F.ドラッカーは『経営者の条件』という本の中で、成果をあげる能力は天賦の才能ではなく、成果をあげるために必要な習慣的な能力を身につけておくことが大切で、それは5つあると教えています。

以前にもnoteに投稿している話題ですが、お読みいただき、実際に自分もドラッカーの教えを実践してみたという方からのメールをいただいたりして、とてもうれしく感じています。

実は最近、『起業0年目の教科書』という

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組織改革は戦略の変更があったときに。完璧な組織構造などないという前提に立って考える

組織改革は戦略の変更があったときに。完璧な組織構造などないという前提に立って考える

「組織改革」という言葉には、何やら「古い姿から新しい姿に変わる」とか、「現在の組織上の問題点を解決する」とかいった、未来に向けてのポジティブな印象を含んだイメージが漂うように感じてしまいます。

でも現実によくあるのが、トップが変わったときにやる組織改革です。

経営陣が新しくなるとどうも組織構造を変えたくなるようで、特に外に向かっての活動に大きな変更がないにも関わらず、自身の権限を誇示するかのよ

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どうでもいいルールも早く廃棄しないと生産性が上がらない

どうでもいいルールも早く廃棄しないと生産性が上がらない

先日、「機能しなくなったものの廃棄」という記事を書きました。

今日は「生産性を阻害する機能していないルールの廃棄」についての話題です。

ドラッカーは成果をあげる活動に集中するために、最初に生産的でなくなったもの、機能していないものの廃棄をせよと教えています。

機能していないものの代表と言えば、実にくだらないルールです。

機能していないのか、これがあるから組織が機能しないのかわかりませんが。

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機能しなくなったものは廃棄しないと前進できない

機能しなくなったものは廃棄しないと前進できない

世の中には実に無駄なことをいつまでも続けている組織がたくさんあります。

それらがイノベーションを妨げています。

ドラッカーはこのように教えています。

ドラッカーはまた、別の本でも集中して新しいことに取り組むにあたって、最初にすべきことは、生産的でなくなった過去のものを捨てることだと教えています。

そのためには、自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直す必要があります。
この作業は年に1回は必ず

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会社を辞めてつくづく感じる人とのご縁

会社を辞めてつくづく感じる人とのご縁

私は8年前に35年勤めた会社を退職し、同じ業界の別の会社に移籍しました。

最初の会社はメーカーで、次の会社は商社。
同じ業界だったので、言葉は通じたし、それまでのお客様ともお付き合いは継続していました。

また、最初のメーカーと次の商社は大きな商いのある取引関係があったので、トータルとして人的交流は途切れてはいませんでした。

そして4年前に商社を退職し、今は、それまでの仕事とは全く違うマーケッ

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ドラッカーを学ぶときに、日本人が陥りやすい間違った成果主義の解釈

ドラッカーを学ぶときに、日本人が陥りやすい間違った成果主義の解釈

私は今、所属しているあるコミュニティで、ドラッカーの『経営者の条件』読書会を開催中です。

参加者のみなさんがとてもよく勉強されていて、かなりレベルの高い会で、毎回私も勉強になっています。

その過程で、ドラッカーの本を読み始めた方々にとって、本の中で何度も繰り返し出てくる「成果」という単語について、どうやら以下のように感じていらっしゃる方が多いようだと気づきました。

「ドラッカーは何にも増して

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人の成長に手を貸すことで、自分自身も成長できる

人の成長に手を貸すことで、自分自身も成長できる

部下の育成と自分自身の自己啓発について考えてみたいと思います。

ドラッカーは『マネジメント 課題・責任・実践(中)』の第33章で、マネジメント教育について詳しく述べています。

思い当たることがたくさんあります(笑)

どうしてこの人は部下たちをこれほどまでにくじけさせることを言うのだろう、とか、弱みを見つける天才だよね、という上司というのは、どの会社にも多かれ少なかれ存在するのではないでしょう

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「明日の組織のモデルはオーケストラである」P.F.ドラッカー

「明日の組織のモデルはオーケストラである」P.F.ドラッカー

ドラッカーは『マネジメント 課題、責任、実践(中)』(1973年)において、実に124ページを使って組織について論じています。

それほど、組織の構造については、マネジメントの世界において、古くから最も深く研究されてきました。

でも、組織の構造については唯一絶対の解答はありません。

そのうえでドラッカーは組織のモデルについて大切なことをいくつか教えています。

組織にはいろいろな形がありますが

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成功の鍵は、「責任」であるという教え

成功の鍵は、「責任」であるという教え

またまた、責任についてのお話です。

ドラッカーは「自分で責任をもて」という当たり前のことを、ことさら強く教えています。

少し長くなりますが、今日は『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)から引用し、この教えをどのように感じ取り、活用できるか、考えてみたいと思います。

目標管理も自己開発のための勉強も、その会社で勤め続けるか辞めるかの判断も、すべて自らが最大の成果をあげるためにどうしたら

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ドラッカー教授が発明した「マネジメント」の根底にある思想とは

ドラッカー教授が発明した「マネジメント」の根底にある思想とは

私が所属しているドラッカー学会は、今年度から「NPO法人ドラッカー学会」として新たにスタートすることになりました。
ご興味がありドラッカーをもっと深く知りたい、学びたいとお考えの方は、ドラッカー学会のHPから入会の手続きをしてください。
様々な分科会活動があり、みなさまのご参加をお待ちしております。

私は会社勤めをしていたころ、周囲の人たちにドラッカーの話題を持ち出そうにも、ほぼすべての人がドラ

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リーダーと普通の人たちとの距離は一定、だからリーダーが基準をあげると普通だった人たちの基準も上がる

リーダーと普通の人たちとの距離は一定、だからリーダーが基準をあげると普通だった人たちの基準も上がる

企業や自治体、病院や学校など、多くの組織には内部にいくつかのチームがあります。

そして皆さんもお気づきの通り、チームによって社員のエンゲージメントやモチベーション、そして実際の成果に大きな差があるということはどこの組織にもあるものです。

ある大企業の人事担当の方と先日お話ししたところ、社員は毎年、多数の応募者の中から厳選して採用していて、配属もその時々のバランスを考えて行っているにもかかわらず

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「社員の自己啓発と配属の責任は本人にある」というドラッカーの教え

「社員の自己啓発と配属の責任は本人にある」というドラッカーの教え

ドラッカーは長いコンサルタント経験の中で出会った数多くの「成果をあげる人びと」を観察し、次のように語っています。

このことは、「プロフェッショナルの条件」という本の中でも、成功をした人々に、何が彼らに成功をもたらしたかを聞き出した結果、以下のように語っています。

その「いくつか」の中で、その前提となるもっとも重要なこととして「成果をあげ続け、成長と自己変革を続けるには、自らの啓発と配属に自らが

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「自分はどのような貢献を期待されるべきなのか」からスタートしないと失敗するかも・・

「自分はどのような貢献を期待されるべきなのか」からスタートしないと失敗するかも・・

ドラッカーの著書の中でもバイブル的な本として有名な『経営者の条件』には、エグゼクティブが成果をあげるために身につけるべき5つの習慣について詳しく書かれています。

1.自分の時間が何に使われているかを知り、体系的に管理すること
2.貢献に焦点を合わせること
3.人の強みを生かすこと
4.重要なことに集中すること
5.効果的な意思決定をすること

その2番目の習慣が、この本の第3章に「どのような貢献

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本の中にあるのは単なる情報、実践してみなければ知識にはならない

本の中にあるのは単なる情報、実践してみなければ知識にはならない

このところ読者の皆様から、このnoteに書いてあるドラッカーの教えを実践してみましたと言うお知らせを、メッセンジャーやメールでいただくことがあり、とてもうれしく感じています。

例えば、5月8日投稿の「『汝の時間を知れ』というドラッカーの教え」で書いた以下のことを実践していますというご連絡。

「成果をあげる者は時間からスタートする。自分の時間が何に使われているかを記録し、無駄を排除して整理し、自

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「組織の中に成果は存在しない。すべての成果は外にある。」というドラッカー教授の教え

「組織の中に成果は存在しない。すべての成果は外にある。」というドラッカー教授の教え

ドラッカーの本を読んでいると、極めて頻繁に「成果」という単語が出てきます。

どうも原文を読むと「Effectiveness」とか「Results」と言った単語を、訳者はまとめて「成果」と訳しているようです。

ドラッカーを学ぶときに最初につまずくのが、この「成果」を言う単語についてではないでしょうか。

私たちは「成果」というと、当初立てた目標を達成したことや売上予算をクリアしたこと、または今ま

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いつも昨日の問題解決ばかりしていませんか?

いつも昨日の問題解決ばかりしていませんか?

今年のゴールデンウィーク期間中に政府・日銀が繰り返し為替市場に介入し、円安を阻止する動きを見せと言われています。

そのことについては様々な解説や評論がありましたが、その中で私が注目したのは、元大蔵官僚で「ミスター円」と言われた榊原英資さんの次のようなコメントでした。

榊原氏の言う「それなりの理由」とは、他の報道を参考に見てみると、「日米の金利差」を指しているものと思われますが、それはその通りだ

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