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人の成長に手を貸すことで、自分自身も成長できる

部下の育成と自分自身の自己啓発について考えてみたいと思います。

ドラッカーは『マネジメント 課題・責任・実践(中)』の第33章で、マネジメント教育について詳しく述べています。

「自己啓発にとって、自らの自己啓発に取り組んでいる上司ほどよい手本となるものはない。人は上司を手本とすることによって、自らの強みを伸ばし、必要な経験を積んでいく。部下をくじけさせる上司、人ができないことに目のいく上司、成長につながる経験を積ませてくれない上司ほど、自己啓発の邪魔になるものはない」

(『マネジメント 課題・責任・実践(中)』66p)

思い当たることがたくさんあります(笑)

どうしてこの人は部下たちをこれほどまでにくじけさせることを言うのだろう、とか、弱みを見つける天才だよね、という上司というのは、どの会社にも多かれ少なかれ存在するのではないでしょうか。

ドラッカーは、そもそも自己啓発というものは、その名の通り自分で行うものであり、成長は自己啓発によって行われると言っています。

だから、企業側が人の成長を請け負うなどというのは大噓で、どんな企業でも自己啓発に関わる努力を肩代わりするなどということはできないし、そんなものは間違った家族主義であり、ばかげた虚勢だと手厳しく指摘しています。

「しかし、あらゆるマネジメントが、人の自己啓発を助けるか、邪魔をする。正しく方向づけるか、間違って方向づける」

(同66p)

だからこそ、マネジメントたる者は、ともに働く人たちの自己啓発を助けることに責任を負っていると説いています。

ドラッカーは常々、「人に教えることほど自ら勉強になることはない」と主張していて、同様に、人の自己啓発を助けることほど自分自身の自己啓発の役に立つことはないと言っています。

「人の成長に手を貸すことなく自らが成長することはあり得ない」

(同67p)

ともに働く人たちの成長に手を貸すのは、マネージャーの責任です。

冒頭のドラッカーの言葉によれば、部下たちがいっこうに成長しないのは、上司が自己啓発している姿を見せていないからではないでしょうか。

ということは、たまに、自分の組織の部下たちのことを悪しざまに言うマネージャーを見かけますが、それって「私は自己啓発に取り組んでいません!」と宣言しているのも同然ということですね。

ちなみに似たようなことは、ギャラップが出版している『まず、ルールを破れ』にも書かれています。

社員エンゲージメントが高く、強力で活気のある職場を測定する有名なギャラップのQ12の中のQ6にこういう項目があります。

Q6:「仕事上で、自分の成長を後押ししてくれる人がいる」

この項目に、みなさんの会社の社員の何割の方が、何の迷いもなく「イエス」と答えることができるでしょうか?

そしてあなた自身は「イエス」と答えることができますか?

社員エンゲージメントを高めるだけでなく、自分自身の成長のためにも、部下の成長を後押しし、手を貸してあげることができたら、何と素敵なことでしょう。

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