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2022年9月の記事一覧

もっとはやく、出会いたかったよ。

もっとはやく、出会いたかったよ。

そのとき、私は京都駅から三十三間堂までの道をひとりで歩いていた。

イヤフォンを着けずにある程度のところまで歩いてきたとき、音楽が流れてこない耳も、ひとりであるということも、まったく寂しいと思っていないことに気がついた。

それはなぜかと問うた時に、常に頭の中には思考が流れているからだということに気がついた。

ああ、空の青が綺麗だ。木々の緑が美しい。
これで道は合っているか?京都の歴史ある街並み

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大人になって思い出すのは、きっとこの夏。

大人になって思い出すのは、きっとこの夏。

ゼミの初回課題で自己紹介と研究進捗ついでに夏の思い出をしゃべるスライドがあるらしい。

大学に入ってからの2年はコロナコロナで、旅行とかできなかったけど、この夏はやっと旅行にも行けて、大学生らしい充実した夏になったかなぁと思えている。

というわけで、せっかくなのでこちらでもまとめてみよう。

with 彼

彼とはずっと約束していたことを着実に叶えることができた夏だった。

祇園祭にはじまり、プ

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とるにたらない愛おしき日々たち

とるにたらない愛おしき日々たち

風が心地良くなってきて秋の気配が色濃くなってきた。

という話は以前も書いた。

今日も朝起きてみたら少しひんやりしていて夏用の布団が心地よかった。少し外を出ていなかった期間に涼しくなってしまったかもしれない、お気に入りの夏服がもうすぐ着られなくなってしまうかもしれない、と焦ってノースリーブのサマーニットを着た。

すると確かに風は心地よかったけれど、日差しは焼かれているかのように熱くて、まだまだ

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パリに焦がれて

パリに焦がれて

原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読みはじめた。

マハさんのアート作品を読むのは4冊目。

いつもなら夢中になるあまり読む手を止められないはずなのに、私は手を止めた。

フランスへ、パリへ、行きたい。

想いが溢れて苦しくなって本を読む手を止めた。本の中にいるテオや、忠正や、重吉(ゴッホすらまだ出てきていない)に強い共感をおぼえると同時に、パリにいられる彼らに嫉妬した。

この夏、読んだ本1

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本は私の一生の友

本は私の一生の友

彼と別れそうになっていたとき、私が救いを求めた先は、人の前に本であり、小説であった。

「カバンの中にいつも1冊の本を」という標語に笑っていた小学1年の私が、それを無意識に実践するようになるまでに時間はかからなかった。小学2年以降、青い鳥文庫を好きになって、お気に入りの巻を何周も何周も読み、好きなシリーズの新刊が出るのをいつも心待ちにするようになった。

一方で、新しい小説を次々に読むようになった

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