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Sho Nishimura という人間の考え方

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Sho Nishimura という人間の考え方や私見、偏見で書いた記事のまとめ。教育問題だけでない幅広い範囲の内容。
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#教員

生徒の行動を自分の指導の成果として喧伝する教員に感じる違和感

生徒の行動を自分の指導の成果として喧伝する教員に感じる違和感


教員、講師の尽力と結果の相関性学校の教員として指導をしていて常に感じるのが指導をすることと、生徒の変化や進路決定に関する相関性です。

もちろん、こちらが力を入れて指導したり、しっかりと予習や教材研究に取り組むことで授業のクオリティが上がることは言うまでもありません。

しかし一方で授業の内容が良いからといって生徒の得点が必ずしも上がるわけでないのも確かです。

むしろ手抜きの指導をすることで本

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「勤務間インターバル制度」は教員だけではなく、法整備を検討すべき制度

先日、永岡文部科学大臣の記者会見で教員に対する「勤務間インターバル制度」について検討する旨が触れられていました。

日本ではあまり普及していない「勤務間インターバル制度」という制度に関してまとめていきます。

「勤務間インターバル制度」とは「勤務間インターバル制度」とは勤務終了から、次の勤務開始までの休息時間(=インターバル)を保障、確保するための規制です。

EU諸国では導入されており、11時間

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教員が生徒へ年賀状を書く行為の是非と個人情報の取り扱い

教員が生徒へ年賀状を書く行為の是非と個人情報の取り扱い

年が明け、1月1日の我が家の郵便受けにも年賀状が多数入っていました。

最近は年賀状のやり取りをしない人も増えているようですが、いまだに廃れない風習のようです。

今年から個人の年賀状を止めました私は今年から私個人の年賀状を止めました。

特に誰に宣言したわけでもないのですが、もはや準備をすること自体に意味を見出せなくなったため、ひっそりと終了しました。

実際、個人的につながりのある友人、知人の

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「お土産を買わない」主義

「お土産を買わない」主義

行楽シーズンや長期休暇の後に、職場やサークルなどにお土産を買っていく人は多いようです。

私の職場や学級でもそうした光景はよく見られます。

ありがたいこともちろん、お菓子などのちょっとしたお土産をいただけることはとてもうれしいことです。

普段食べないような種類のお菓子を食べるのはそれだけで楽しいですし、ご当地もののお菓子のネーミングやパッケージには名物や偉人、史跡などをモチーフにしたものも多く

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宗教2世への相談体制充実を求める文科省からの通知に教育現場は対応可能か

宗教2世への相談体制充実を求める文科省からの通知に教育現場は対応可能か

安倍元総理の暗殺以降、宗教問題が何かと話題になっています。

とりわけ直接的な原因の一つとなった、旧統一教会に関しては世間の関心が高く、世論の後押しを受ける形で役所が重い腰を上げた報道が流れています。

文科省からは小中学校、高校へ宗教2世問題などに対して、宗教問題であることから消極的にならずに対応をするように通知があったようです。

学校は支援施設ではないこういった問題を考える場合、根本的な原則

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徒弟制度による教員の新人教育と「参観」

徒弟制度による教員の新人教育と「参観」

教員の世界の新人教育は完全にOJT型、しかも教育担当者などついていないのと同じ状態で業務に放り込まれるのが主流です。

とはいえ、中学校や高校では空き時間は存在するため、そうした時間に新人は先輩教員の授業を参観することは多いのではないでしょうか。

「参観」は研究熱心さの証か若手の教員の方に授業を「参観」をしたいとお願いされることは少なくありません。

もちろん、快く引き受けるのですが「あまり参考

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新しいデザインを身に着けることと、新しい時代の空気を吸うこと

新しいデザインを身に着けることと、新しい時代の空気を吸うこと

先日、Tシャツを買いました。

それほど必要と感じてはいませんでしたが、妻に買うように勧められて数着購入したのですが、今回も含めて、最近はユニクロか無印良品ばかりで服を買っています。

服のために働いていた時期思い返せば、大学時代は服にお金を使っていました。

アルバイトで得た収入を握りしめて百貨店やPARCO、セレクトショップを梯子してじっくり吟味していたように思います。

本当の服好きの方には

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「埼玉超勤訴訟二審敗訴」に見る教員の働き方の問題

「埼玉超勤訴訟二審敗訴」に見る教員の働き方の問題

教員の方、特に働き方改革に興味のある方ならばおそらく注目していたであろう裁判の控訴審が原告敗訴となりました。

内容としては、労基法上は時間外にあたる時間に勤務したものに対して手当てが出ないのは違法ということで教育委員会を相手に起こした裁判になります。

給特法と教職調整額給特法の正式名称は「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」というものです。

その内容を簡単に言うと

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「陰キャ」×「ボッチ」でも教員は務まる

私は友人がいません。そのことについて以前記事を書きました。

当然、私は基本的に社交的なタイプではありません。

地域の交流なども最低限のあいさつ程度ですし、知人と出かけたりすることもほとんどありません。

趣味はガジェット収集とアニメ、音楽の視聴ですし、アウトドアはとことん苦手です。

卒業生とつながりがあるようなキラキラ教師でもあるわけがありません。

プライベートで話すのはほとんど妻子のみと

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「勉強をしなくても豊かに暮らせる時代」に、あえて勉強をする理由

「勉強をしなくても豊かに暮らせる時代」に、あえて勉強をする理由

私が子供のころは勉強をする目的について多くの大人は同じような言葉を口にしていたように思います。

「将来いい会社に勤めるため」、「安定した仕事について貧しさから解放されるため」といった理由です。

幸福追求のための手段の一つとして学問を修めるという目的は非常に明確でわかりやすい理由づけと言えます。

右肩上がりの成長の時代右肩上がりで経済成長を遂げている時期はそうした価値観に疑いを持つ必要もなかっ

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「道徳」教育とあの教団の教義

「道徳」教育とあの教団の教義

元総理の暗殺をきっかけに、旧統一教会の問題が大きく取りざたされています。

当該教団自体の過剰なお布施などに関しては、被害にあった方やその家族などとの民事的な問題を抱えていることは間違いありません。

また、政治の世界に影響力を持っていたというのも事実でしょう。

ただし、その影響力が他の圧力団体やロビイストと比較して大きいものだったかどうかは現時点では不明です。

今回は非常にデリケートでもある

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エコーチェンバーによって「悪の組織」の存在を信じる現象とリテラシー教育

エコーチェンバーによって「悪の組織」の存在を信じる現象とリテラシー教育

以前書いた記事にも関連する話になります。

「悪の組織」が存在すると信じてしまう現象ここ数日、Twitterの教員アカウント界隈で騒がれていたのが以下のツイートです。

これ自体は修学旅行の金額に対する疑問だけなのですが、これから続くリプの数々が「ピンはね」や「生徒が教員分の旅費を負担」などと凄まじい陰謀論の数々。

しかも、確証や証拠はなく、おそらくは学校や教員に対する不満や悪印象からの思い込み

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「文科省の官僚は現場を経験すべき」という暴論と短絡思考への恐怖

「文科省の官僚は現場を経験すべき」という暴論と短絡思考への恐怖

教育行政に振り回される教育現場これまでも教育行政に教育現場が触れ回される事例は枚挙に暇がないほどありました。

ゆとり教育の開始と失敗、脱ゆとりへの急旋回、その後は大学入試改革から英語外部試験の頓挫、新指導要領からの共通テスト改革などここ10年でもイベントが山盛りでした。

それに加えて#教師のバトンからの教員の労働問題と給特法など、学校や教育制度だけでなく、教員への労務管理などでも振り回され続け

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6割主義でいこう

6割主義でいこう

学校教員という人種は基本的に真面目な人が多いです。

そのため、日頃の教材研究はもちろんのこと、部活動や書類の仕事などに10割のエネルギーを使ってしまい、平日はクタクタ、休日も出勤するといった生活スタイルを取る人も少なくないようです。

しかし、そのような働き方では継続的に業務を遂行することは難しいでしょう。

結婚や出産といった生活スタイルの変化はもちろんですが、体調不良や急病などが突発的に発生

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