篠井 雄一朗

詩集『雨が生む色彩』 令和5年度 茨城文学賞

篠井 雄一朗

詩集『雨が生む色彩』 令和5年度 茨城文学賞

マガジン

  • 月🌛シリーズ 2023 - 2024

    連続して読みたい方のために、マガジンにまとめてみました。

  • 『わが、燕記』

    燕党です。プロ野球が好きです。

記事一覧

【詩】まなざし

(はじめに)  記事を更新していなかった間も、アクセスしてく ださいました方たち「スキ」をくださった方たち、 本当に感謝申し上げます。  復帰1発目となる作品にふ…

4

【第50回明石市文芸祭】

(はじめに)  ご無沙汰しておりました。このところ以前 に比べ記事を更新していない日が続きますが、 待っていてくださる皆さまに感謝申し上げま す。  先日、フォロー…

篠井 雄一朗
3週間前
67

【詩】催花雨

(はじめに)  前回の投稿から2週間が過ぎてしまいまし た。記事を掲載しないあいだも、過去の作品 に「スキ」をくださったり、アクセスしてい ただき感謝しています。…

篠井 雄一朗
1か月前
59

【詩】エスパス

(はじめに)  私はこれまで色んな職業に就いてきました。 派遣社員やアルバイトを含めますと、整理が 必要なくらいです。同様に面接も数を経験し てきました。だからでし…

篠井 雄一朗
1か月前
49

【詩】朝の手紙

(はじめに)  令和 5年度に募集が行われました『第32回 岐阜県文芸祭・詩部門』にて入選をいただき ました作品になります。こちらは去る3月2日 に表彰式が開催され、そ…

篠井 雄一朗
2か月前
68

【散文詩】錆色の色彩

(はじめに)    住んでいる町を描こう。生まれ育った地元 の匂いや、数年前の体験を詩にしてみるのも 良いのではないか。陰と陽、どちらかと言え ば、限りなく陽には程…

篠井 雄一朗
2か月前
58

【詩】ネモフィラ

ネモフィラの丘から振り返った 亡き娘の姿が浮かんでくる 音声はいっさい聞こえてこないけど 記憶をめくるとこぼれてくる 白い時間が尾をひいて鎮まる 年季明けの燕たちが…

篠井 雄一朗
2か月前
62

【体験談 その2】

 前回、2023年の 9月に「体験談」を掲載し ました。その第2弾になります。すこし怖い 方向にいきますので、苦手な方はこのままス ルーしてください。  3年前に経験し…

篠井 雄一朗
3か月前
36

私事ですみません。 1月15日に発表しました「虐殺兵器」が yaya☆ さまによりまして朗読劇になりました。

声にしていただきまして、文章とはまた違った表情を持つことができました。ぜひ、お聴きくださいませ!

https://note.com/yaya312

篠井 雄一朗
3か月前
45

【詩】散歩

(はじめに)  茨城県に住んでいるのに、地元のことを書 かなければいけないな。と考えに至りました のは、Yayoi Fujikuraさまが 1月16日に発表し ました「水戸のお気に…

篠井 雄一朗
3か月前
92

【虐殺兵器】

 ぬるい雨だった 南風のせいだろう 降っ たり止んだりを繰り返すうち 雨の成分は変 化していて 微妙な粘り気があることに気づ いたときには手遅れだった 雨に濡れる…

篠井 雄一朗
3か月前
63

【詩】レンタル

(はじめに)  今回は、ほたかえりな さまのコメント欄で のリクエストに応えまして、詩を載せたいと 思います。2009年に、詩人の金子みすゞさん の出身地でもある山口県…

篠井 雄一朗
3か月前
84

【詩 二十六夜月 final】

(はじめに)  ふと、思い出した。昨年、月🌛シリーズに 多くのアクセスをいただきまして、スピンオ フ作品を7月7日に掲載しました。それから約 半年、スピンオフ第2弾…

篠井 雄一朗
4か月前
52

【詩】手帳

(はじめに)  2022年の12月29日、12:25 に「note」をは じめてから1年が経過しました。皆さまに支 えられ続けてこれましたこと、お礼申し上げ ます。1周年の節目に相…

篠井 雄一朗
4か月前
99

【詩】最果ての町

(はじめに)  生み出す言葉に言霊を宿すことが出来るの であれば、用心しなければいけない。時に、 誰かを傷つけてしまう可能性を孕んでいる。 誰かを救うこともあるか…

篠井 雄一朗
4か月前
56

【詩】能率

(はじめに)   8月17日必着で詩を募集しておりました月 刊「望星」12月号に応募し、選外だった作品 を載せます。こちらは一度、別のコンクール で落選し再度挑戦という…

篠井 雄一朗
4か月前
48
【詩】まなざし

【詩】まなざし

(はじめに)

 記事を更新していなかった間も、アクセスしてく
ださいました方たち「スキ」をくださった方たち、
本当に感謝申し上げます。
 復帰1発目となる作品にふさわしいかは解りませ
ん。書き下ろしました。noteを再開したいと思いま
す。月に3回ぐらい(できれば週1回の割合で)掲
載したいです。

 これからも、篠井をどうぞ宜しくお願い致します。
「がんばって書きますっ😁」

 まなざし

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【第50回明石市文芸祭】

【第50回明石市文芸祭】

(はじめに)

 ご無沙汰しておりました。このところ以前
に比べ記事を更新していない日が続きますが、
待っていてくださる皆さまに感謝申し上げま
す。
 先日、フォローさせていただいております
方からご報告をもらいました。自作の詩をコ
ンペに初応募してみたとのことでして、その
行動力に応えなければいけないと思いました。
第50回明石市文芸祭に応募した作品になるの
ですが、運良く「実行委員会賞」をいた

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【詩】催花雨

【詩】催花雨

(はじめに)

 前回の投稿から2週間が過ぎてしまいまし
た。記事を掲載しないあいだも、過去の作品
に「スキ」をくださったり、アクセスしてい
ただき感謝しています。応えなければいけな
いと思いまして、詩を書き下ろしてみました。
 新鮮な詩を楽しんでください。

……………・……………・……………・……………・…………

 催花雨

小鳥はツツジの門を潜ろうとするも
風があるため上手くいかない
聞い

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【詩】エスパス

【詩】エスパス

(はじめに)

 私はこれまで色んな職業に就いてきました。
派遣社員やアルバイトを含めますと、整理が
必要なくらいです。同様に面接も数を経験し
てきました。だからでしょうか、面接を扱っ
た詩が多い気がします。noteにおきましても、
昨年の6月1日に掲載しました 面接 /就活日記
があります。その第3弾という訳ではないの
ですが、(結果的に3弾かもしれませんが)
楽しんでくださいませ。

 エスパ

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【詩】朝の手紙

【詩】朝の手紙

(はじめに)

 令和 5年度に募集が行われました『第32回
岐阜県文芸祭・詩部門』にて入選をいただき
ました作品になります。こちらは去る3月2日
に表彰式が開催され、それまでは SNSを含め
作品の発表を控えていただきたいとの連絡を
受けておりました。ちなみに、入選と言いま
しても賞の順番では、文芸大賞、優秀賞、U-
30優秀賞、秀作賞、佳作、入選となっており
まして、かろうじて最後に引っ掛かっ

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【散文詩】錆色の色彩

【散文詩】錆色の色彩

(はじめに)
 
 住んでいる町を描こう。生まれ育った地元
の匂いや、数年前の体験を詩にしてみるのも
良いのではないか。陰と陽、どちらかと言え
ば、限りなく陽には程遠いかもしれない。地
方の町が抱える問題を避けては語れませんが、
この場所が好き、そんな思いだけで綴ってみ
ようか。風を感じるままに。

 

 錆色の色彩

商店街は昼間だというのに人通りがなかった
営業している店のほうが少なく シャ

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【詩】ネモフィラ

【詩】ネモフィラ

ネモフィラの丘から振り返った
亡き娘の姿が浮かんでくる
音声はいっさい聞こえてこないけど
記憶をめくるとこぼれてくる
白い時間が尾をひいて鎮まる

年季明けの燕たちが飛び去った巣にも
同じ朝が訪れる
鳴き声の消えた状況を知る人は限られる

(有限な眼差しの注ぐ先 新たな物語が
 紡がれるなら その物語を読んでみた
 い とうとうと 読み進めるにつれ 
 娘の理想へ たどり着くことはできる
 だろう

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【体験談 その2】

【体験談 その2】

 前回、2023年の 9月に「体験談」を掲載し
ました。その第2弾になります。すこし怖い
方向にいきますので、苦手な方はこのままス
ルーしてください。

 3年前に経験した話になります。暑さ寒さ
も彼岸までと言いますが、お墓参りは欠かせ
ません。供養するうえで手順はありますが、
私は線香を供えるとき、わざと数本余らせて
いました。お寺の敷地内にある墓地の入口に
設置された、よだれ掛けをつけた子ども

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私事ですみません。 1月15日に発表しました「虐殺兵器」が yaya☆ さまによりまして朗読劇になりました。

声にしていただきまして、文章とはまた違った表情を持つことができました。ぜひ、お聴きくださいませ!

https://note.com/yaya312

【詩】散歩

【詩】散歩

(はじめに)

 茨城県に住んでいるのに、地元のことを書
かなければいけないな。と考えに至りました
のは、Yayoi Fujikuraさまが 1月16日に発表し
ました「水戸のお気に入りスポットをご紹介
します~千波湖~」を見たからになります。
 茨城県は魅力度ランキング最下位ではあり
ますが、良いところは沢山あります。そして
育ててもらった土地へ少しでも恩返しをする
ことと、最下位からの脱却を図

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【虐殺兵器】

【虐殺兵器】

 ぬるい雨だった 南風のせいだろう 降っ
たり止んだりを繰り返すうち 雨の成分は変
化していて 微妙な粘り気があることに気づ
いたときには手遅れだった 雨に濡れると皮
膚が溶けてゆくのを理解したのは靴下に浸透
してきた雨水を感じ はじめは厳冬の時期に
寒さで足のつま先の感覚がなくなるのと一緒
だろう と男は思っていたのだが 穴のあい
ていた靴下を脱ぐと 五本指がそっくりなく
なっていたのだ 指のあ

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【詩】レンタル

【詩】レンタル

(はじめに)

 今回は、ほたかえりな さまのコメント欄で
のリクエストに応えまして、詩を載せたいと
思います。2009年に、詩人の金子みすゞさん
の出身地でもある山口県で開催されましたコ
ンテスト、『夏休み特別企画 金子みすゞの
詩の世界アート&ポエムコンテスト』で佳作
に選んでいただいた作品になります。
 私の好きな詩人であります金子みすゞさん
は、やわらかな言葉で問いかける「こだまで
しょう

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【詩  二十六夜月 final】

【詩 二十六夜月 final】

(はじめに)

 ふと、思い出した。昨年、月🌛シリーズに
多くのアクセスをいただきまして、スピンオ
フ作品を7月7日に掲載しました。それから約
半年、スピンオフ第2弾をやろうと。本編が
新月から始まり、満月までの 5作品でした。
月は満ち欠けをします。その夜の月に合わせ
私のイメージで詩を書いてきましたが、この
スピンオフをもちまして本当の「final」とさ
せていただきたいと思います。

 二

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【詩】手帳

【詩】手帳

(はじめに)

 2022年の12月29日、12:25 に「note」をは
じめてから1年が経過しました。皆さまに支
えられ続けてこれましたこと、お礼申し上げ
ます。1周年の節目に相応しい詩について考
えましたところ、最初に掲載しました詩が、
詩集に収録した『断捨離』という作品でした。
なので、2023年のnote納めも詩集から抜粋し
載せようと思います。
 古い作品になるのですが、現在でも通用す

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【詩】最果ての町

【詩】最果ての町

(はじめに)

 生み出す言葉に言霊を宿すことが出来るの
であれば、用心しなければいけない。時に、
誰かを傷つけてしまう可能性を孕んでいる。
誰かを救うこともあるかもしれないが。
 今回は、言霊鑑定士ゆうこさま。──との
collaboration 作品になります。クリスマスを
題材に書きました。

 雪の景色を想像しながら、どうぞ───

 最果ての町

霧氷の雪原に朝日が射す
ピンク色に染まる

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【詩】能率

【詩】能率

(はじめに)

  8月17日必着で詩を募集しておりました月
刊「望星」12月号に応募し、選外だった作品
を載せます。こちらは一度、別のコンクール
で落選し再度挑戦という形で文章を削ったり
題名を変えて送付したのですが、振り返って
みますと、なんて浅はかな行動だったのだろ
うと思わずにはいられません。駄目だったも
のを数行入れ換えたくらいで通用するはずは
ありません。

    では、どうぞ──

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