【詩】散歩

2024年1月23日 07:19

（はじめに）

　茨城県に住んでいるのに、地元のことを書
かなければいけないな。と考えに至りました
のは、Yayoi Fujikuraさまが 1月16日に発表し
ました「水戸のお気に入りスポットをご紹介
します～千波湖～」を見たからになります。
　茨城県は魅力度ランキング最下位ではあり
ますが、良いところは沢山あります。そして
育ててもらった土地へ少しでも恩返しをする
ことと、最下位からの脱却を図るためアピー
ルしなければと思いました。
　水戸市にあります千波湖を舞台に、湖面を
たゆたうような詩を書いてみました。

　　それでは、どうぞ────────

　散歩

湖をぐるり囲んだ
一周三キロの散歩道を
貸しボートの建物をスタートに歩く

乾いた空気が湖面を覆い
カルガモの羽を撫でる
ソメイヨシノは緑をたくわえ
枝を揺らした　葉っぱのさき
そっと指を触れたとたん
なんと　体は宙に浮く

空に向かって駆けあがる
樹木のてっぺんをあっという間に通り越し
気づくと誰もが浮かんでいる
（夢だろうか）
子どもと一緒のおかあさん
ジョギング中の青年も
野鳥観察のおじさんまで
こころもち顔をほころばせながら
（夢なのだろうか）
上昇するたび　ひんやりする
成層圏を突き抜けて
宇宙空間へ突入する
　　　　＊
散光星雲が輝いている
霧に浮遊するネオン街の明かりのように
赤色巨星がふくらむ
あまのがわ
さそり座の心臓〈アンタレス〉に
狙いを定める　いて座の弓
弱い銀河は強い銀河に飲まれる運命
社会の重力に逆らって生きたい
唱えていた頃が懐かしい日々も
長いものに巻かれてゆく
意識しようがしまいが吸収される
少しずつ　引っ張られる
（えっ !？）
螺旋状に渦巻きながら落ちてゆく
ブラックホールだ
逆らえない

鼻孔をくすぐる水辺のにおいに
生きものたちの営みが宿る
正面から陽の光を携える午後
ひと雨くる予感がした

／／／／／／／／／／／／／／／／／／／／

（ちょっとだけ解説）

「ちと、ファンタジー色が濃すぎたな・・」

　訪れたのは冬でしたが、鳥たちは元気に動
きまわっておりました。私は、写真のほうは
ぜんぜん駄目ですので、千波湖に少しでも興
味を持たれた方がいらっしゃいましたら、最
初にも記しました Yayoi Fujikura さまの記事､
「水戸のお気に入りスポットをご紹介します
～千波湖～｣へアクセスしていただきますと
助かります。写真も紹介の仕方も抜群です。
ロアくんが待っております！

　ここまでお読みくださいまして、ありがと
うございました。私事で申し訳ありませんが
１月の詩の更新は最後になります。茨城県に
あります団体連合さまより、詩の依頼を受け
まして、締切が迫るなか、手付かずのままで
います😅 ｡そちらを仕上げなければなりませ
ん。よろしければまた２月に、作品を読んで
くだされば嬉しく思います。