篠井 雄一朗

第一詩集『雨が生む色彩』が 令和5年度 茨城文学賞

篠井 雄一朗

第一詩集『雨が生む色彩』が 令和5年度 茨城文学賞

マガジン

  • 体験談

    ちょっとだけ怖い話になります。

  • 月🌛シリーズ 2023 - 2024

    連続して読みたい方のために、マガジンにまとめてみました。

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【沼津市芸術祭表彰式】

 茨城県より電車を乗り継ぎ、静岡県沼津市 で開催されました第51回沼津市芸術祭の表彰 式に行ってきました。文芸の詩部門におきま して『市長賞』をいただきました。  約1年前ですが、岐阜県の美濃加茂市文芸 祭に行った際には、常磐線特急に遅れが生じ 東京駅で新幹線に乗車するのに、乗り換え時 間2分しかなく、最初から人混みをかき分け ダッシュした思い出があります。今回は時間 どうり着きました。  途中、熱海駅で東海道本線に乗り換え、沼 津駅に12時30分に到着。表彰式の受付時間が

    • 【朗読】library/ 窓辺にて

       この度、yaya☆さまによりまして、1年く らい前に書きました私の詩が、朗読劇になり ました。この作品が生まれたきっかけを簡単 に述べますと、現在はnoteを御卒業されてい るのですが、scarlet👒さまの写真に詩をのせ collaboration作品として発表したものです。  yaya☆さんの声に私の拙い文章が何倍も昇 華され、文字を目で追って読み進める詩より も、耳とこころに入ってきて、映像が浮かん できます。胸の奥にあたたかいものを感じる こと間違いない作品になって

      • 【詩】残暑お見舞い

        (はじめに)  ご無沙汰しております。という書き出しで 始まるのがお決まりになってしまいました。 今回は、私の詩集「雨が生む色彩」からの作 品になります。発行所であります(七月堂) のホームページの近刊・新刊案内のページに も載っているのですが、もう少し踏み込んだ 情報として、詩がつくられた場面などを書こ うかなと思いました。古い作品になります。  2007年に福岡県小郡市で開催された「野田 宇太郎生誕祭 献詩募集」に応募し佳作に選 ばれた作品です。夏に募集が行われており、

        • 【詩】酌む

          (はじめに)  前回の記事から、更新しないまま日にちだ けが過ぎてしまいました。その間、訪問して くださった方たち本当にすみません。また、 フォローしてくださいました方たちに感謝申 し上げます。  今回の作品は、2023年10月10日に掲載した 詩になるのですが、わりと気に入っていたも  のです。ただ時間が経って読み返してみます と、伝わりづらかったかなと思う部分があり まして、もう一度丁寧に書き直し掲載したい と考えた次第です。雰囲気は残しつつ、新た に命を吹き込みました

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        【沼津市芸術祭表彰式】

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        • 体験談
          3本
        • 月🌛シリーズ 2023 - 2024
          7本

        記事

          【詩】星占い

          (はじめに)  創作大賞2023・オールカテゴリ部門に応募 しまして、見事に玉砕した作品になります。 以前、noteにも掲載しましたが大幅に書き換 えました。(題名も変更しました)  お暇でしたら冷やかし程度に見ていってく ださい。  星占い 西洋占星術に興味を持ちはじめてから視界が 開けた 双眸だけは社交性を目指そうと試み た月曜日はどこかへ消えてしまった 生まれ た時間が真夜中だったせいもあり 今日と明 日 どちらからも影響を受けやすいと診断さ れた 殺風景な部屋

          【詩】星占い

          【詩】記憶の中の金魚

          (はじめに)  皆さまは、生き物を飼ったことがあります でしょうか。現在では「ペット」という言い 方よりも「家族」と表現したほうが相応しい のではないでしょうか。愛情を注げば注いだ ぶん、いいえ、それ以上にかえしてくれる。 今回はそんな作品を書きました。  記憶の中の金魚 ピシャリ 水面をたたく音 記憶の中で息をする その金魚は 暖かいところ 冷たいところを 熟知しているようで ときおり 顔をのぞかせては ――だいじょうぶ と言わんばかり 飼い主だった わたしの前に現

          【詩】記憶の中の金魚

          先月に掲載しました詩「形見」が yaya☆ さまによりまして、声でも楽しめる朗読劇になりました。文字を追うだけとはまた違った、プロの声、作品をご覧いただけたらと思います。宜しくお願い致します🙇‍♀ https://note.com/yaya312/n/n4024fbb6a838

          先月に掲載しました詩「形見」が yaya☆ さまによりまして、声でも楽しめる朗読劇になりました。文字を追うだけとはまた違った、プロの声、作品をご覧いただけたらと思います。宜しくお願い致します🙇‍♀ https://note.com/yaya312/n/n4024fbb6a838

          【詩】青のエスパス

          空を描いている 少女の瞳には 雲は存在していないらしく お気に入りの青を 筆先になじませ スケッチブックに走らせていた (空全体を見渡す限り 九割が雲で覆われて いたら 天気は曇りと言うらしいが 太陽が いない わけではなく ひかりは常に届いて いて とらえる人が そこにいて 大好きな あの人の 本当のことばを探すように動かす) 秋雨前線が南下する 今日は一度も 陽の神 ヘリオスは姿を見せず つめたい風が 夕暮れを おそらく 少女が嫌いな闇を 連れてくる 星のひかりは弱

          【詩】青のエスパス

          【つぶやき、のような】

           今さらかもしれませんが、一度に沢山の作 品にコメントを書いてしまいますと、例えば そのコメントに対して作者本人が「スキ」を 返す。そして、読んでくれた別の方からも、 「スキ」をいただいたとする。メールのお知 らせは届くのだが、複数の方からいっぺんに コメント欄に「スキ」をいただくと、自分で はスキを返しているつもりでも、もしかした ら別の作品に対しては、忘れているかもしれ ない。  なので、抜けてしまっていたらすみません。 ほんとうに、今さらなのですけど・・。   先日の

          【つぶやき、のような】

          【詩】ひまわり

          本当のところ原因はたくさんあるのだろう きみが怒って出ていった朝 季節は変わり目を迎えていたのか 緑色の夏から秋に変わる一瞬を ひょっとしたら 植物や虫たちは 正確に見て取ることができるのだろうか 高くなった空 ひまわりの最後を知ってるかい 太陽に向かって咲いた花も やがて褐色になり こうべを垂れる ひと夏の記憶を蓄えた種をかかえる 誤解を招いた発言から こころに生まれた綻びを 修復する 言葉の針を うまく持つことができなかった 植物や虫たちのように 風の変化を 正確

          【詩】ひまわり

          【体験談 その3】

           これは、私の体に実際に起こった出来事に なります。少しばかり怖い方向に話が進みま すので、苦手な方はほんとうにこのまま読ま ずに閉じてください。                               *                      魚の腐ったような匂いがする。家族が買い 物から帰ったとたん、そう言ったのは先日の ことになります。昼食に魚料理をつくって食 べたわけではなく、生ごみも臭いが漏れない よう、きちんと台所の袋に入れ閉じておりま した。おかしい

          【体験談 その3】

          【詩】形見

          (はじめに)  ひと月ぶりの詩になるでしょうか。(自分 なりの)感性が鈍っていないか心配です。  形見 どれくらいそうしていたのか解らなかった 人は考えごとをしている最中 無意識に窓の外を見てしまうときがある 遠くに視線を向けているようで 近くの何かを凝視しているような 目の焦点が合わない状態のまま ぼぉっ としていたのだろう アールグレイはすでに冷めている 夏が過ぎ つめたい空気がまちを覆うと 暑さから解放された体が休息を求めるように ぼぉっ としてしまう瞬間がある

          【詩】八月の光る魚

          (はじめに)  応えなければいけない。私は依頼されて詩 を書くことはあるのだが、詩を書いてもらっ たことは皆無に等しい。なので、作品を目に したとき嬉しかった。同時に、まず人として その作品に対して返さなければならないと思 った。急遽書かせてもらいました。と言うわ りには、いただいてから数日が経つ。遅筆だ。 私なりに応えるかたちで描いてみたが、届け ば良いな。  八月の光る魚 これは循環なのだろうか 詩が詩を紡ぎ出す 言葉がこころを繋いでゆく海に素足を浸し たわむれる貴

          【詩】八月の光る魚

          【詩】雨の軽快ステップ

          (はじめに) 「あちゃーっ」  詩作品を掲載しないまま、1ヶ月が経とう としています。いつも訪れてくださる皆さま ありがとうございます。私はやっぱり詩畑の 人間です。ここnoteでは、物語を綴るよりも 篠井の詩を見たい、という方のほうが多いよ うな気がします。  私自身、詩の書き方を忘れてしまいそうに なりましたので、今回は久しぶりに書き下ろ しました。雨の季節をテーマに描いてみまし た。では、楽しんでください。  雨の軽快ステップ たまの休日 あいにくの雨 予定はな

          【詩】雨の軽快ステップ

          【詩】自戒

          (はじめに)  作品を発表しないまま日にちだけ経過してしまい ました。今回は昨年の10月にnoteに掲載しました、 「美濃加茂市文芸祭」こちらが今年、市制施行70周 年となり第26回美濃加茂市文芸祭として先日新たに 募集がなされました。25回のときは、運よく入賞さ せていただき岐阜県まで足を運ばせてもらいました。 その宣伝も兼ねまして、3年前に行われました文芸 祭の現代詩部門で入選した詩を載せます。募集部門 は現代詩に限らず、短歌・俳句・川柳・狂俳もあり ます。なので、私の

          【詩】白紙

          ひねもすコントローラーを手に 画面に釘付け 食事はナゲットを放り込む 仮眠のつもりで目をつむった そこからの冬 風を感じたくなって 誰かの温もりが残されている場所へ (すれ違う人はみな  僕よりも濃い色で  呼吸をしている気がしてならない) すじ雲が消えそうになるのを 目で追い 変化の兆しと捉えています 返信をしなかった人へ 怒りを通り越して憐憫に変わってるだろうか 都合のよい解釈をして 流れた関係を修復することは 今さら無理だと理解してます 時間はまわる 僕は置き去り