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【詩】ネモフィラ


ネモフィラの丘から振り返った
亡き娘の姿が浮かんでくる
音声はいっさい聞こえてこないけど
記憶をめくるとこぼれてくる
白い時間が尾をひいて鎮まる

年季明けの燕たちが飛び去った巣にも
同じ朝が訪れる
鳴き声の消えた状況を知る人は限られる

(有限な眼差しの注ぐ先 新たな物語が
 紡がれるなら その物語を読んでみた
 い とうとうと 読み進めるにつれ 
 娘の理想へ たどり着くことはできる
 だろうか)

わたしのなか 停滞する
太陽だけが色濃くのこる



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      写真お借りしました
     ありがとうございました

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(あとがき)

「篠井さんの詩は映像が浮かぶ」
と以前 noteで言われたことがありまして、 そ
の理由(秘密)をひとつ記しておきます。
 詩は文字の羅列と言ってしまえば、そうか
もしれませんが、私は詩作をする際のイメー
ジとして、原稿用紙に絵を描くように言葉を
つづる感覚で書く場合があります。絵は言葉
の壁をたやすく越える瞬間がありますし、何
より、画家に憧れているからです。良い絵は
ダイレクトに入ってきます。だからでしょう
か、私はバリバリの現代詩は書けません。な
るべく読者に伝わり、味わっていただきたい
一心で、そのようなイメージを抱きながら書
かせてもらってます。
 お読みくださいまして、ありがとうござい
ました。



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