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【詩】手帳

(はじめに)

 2022年の12月29日、12:25 に「note」をは
じめてから1年が経過しました。皆さまに支
えられ続けてこれましたこと、お礼申し上げ
ます。1周年の節目に相応しい詩について考
えましたところ、最初に掲載しました詩が、
詩集に収録した『断捨離』という作品でした。
なので、2023年のnote納めも詩集から抜粋し
載せようと思います。
 古い作品になるのですが、現在でも通用す
るのではないかと自負しております。2017年
ユリイカ12月号におきまして、選者であった
三角みづ紀さまに佳作に選んでいただいた詩
になります。当時を振り返りますと、投稿欄
には、海老名 絢さま、ゆずりはすみれ   さま
等の入選作品が掲載され、佳作の名前には、
四塚麻衣さま、獅子谷 雪 さま、佐野 豊 さま
等が並び、一番最後に篠井の文字が飛び込ん
できたときには、ほっとしたのを覚えていま
す。なぜなら、ユリイカの投稿欄もそうです
が、佳作以上に名を残すことで詩を書き続け
ても良いのだな、とひとつの基準にしており
ました。(選ばれなければきっぱり詩を諦め
るつもりでいました)若い感性をお持ちの方
たちに交じって、自分でも良くやっていたな
と思いますし、正直、現在に至るまで落選や
ボツになった作品のほうが多いです。

 前置きが長くなりましたが、どうぞ──


 手帳

雨雲の下では語尾も濁る
濡れながら走ってゆく
若者の足音さえ鈍く光る
仕事にかまけて
ベランダに放置した家庭菜園は
色を無くした

流れてゆく銀色の雨肌に
閉じ込められた町がひろがる

明日、ここから飛び立ちたい
勢いのある言葉は楽観的だが
おさまらない寝癖とたたかっている
洗面所は酷くつめたい現実を
投げ掛けてくるので
私は愚痴をこぼしたりする
時間に追われる
代わりに何を追いかけているのか
分からなくなるときが一瞬あるが
あなたはあなたのままで良いと
言い聞かせる

それでも少しだけ
変わりたい願望が勝るとき
髪を切る
予定を入れたりして手帳を埋める


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 モリコハル さま  イラストお借りしました
    1年を通して、お世話になりました

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(ちょっとだけ解説)

 私の作品は、どちらかと言うと女性目線に
なったつもりで書くことが多いのかもしれま
せん。(自身の判断にすぎませんが・・)
 ひとつだけ詩作するうえでの心得を話しま
すと、常にやわらかい文章を書きたいと思い
つつ、ひらがなを多用している部分はありま
す。でも、ひらがなに依存してしまわないこ
と、このバランスが難しいのも事実です。

 お読みくださいまして、ありがとうござい
ました。私は月に換算しますと、4回程度し
か記事を発表できていませんが、来年もnote
を続けてゆきたいと思っております。

 皆さま。

           「良い夢を!」


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